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東京の休日 #79 〜甘い初秋の芸術鑑賞は『甘美なるフランス』展から〜

陽射しも、その恵も
甘い初秋。

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久しぶりに美術館へ
足を運んできました。


訪れたのは
『ポーラ美術館コレクション展
甘美なるフランス』

(2021年9月18日〜11月23日
Bunkamura ザ・ミュージアムにて。)


モネ、ルノワール、ゴッホ、シャガール…
フランスで活躍した画家たちが
”集結”した展覧会となっています。



タイトルとなっている
「甘美なるフランス」
(La Douce France/ラ・ドゥース・フランス)は

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美しく、穏やかで、豊かなフランスと
その文化を賛美する言葉として
古くから親しまれてきたのだそう。


そうしたフランスの魅力が
たっぷり詰まった今回の絵画展。

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甘美と称される秘密を
五つほど紐解いていきます。


1.甘美なる色彩

出迎えてくれる
クロード・モネの
《睡蓮》。

淡いブルーに浮かぶ
優しいグリーンと
可憐なピンク。

それらが織りなす印象派の世界は
優しく甘いものでした。


ラウル・デュフィの
《パリ》もまたその色彩に
惚れ惚れとさせられる作品。

朝から夜まで
どこを訪れても魅力的なパリの街が、

薔薇を添える形で描かれています。

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よくみると、エッフェル塔だけでなく
凱旋門、モンマルトルなども絵画の中にはあって、
じっくり鑑賞するのにも面白い一枚でした。


また、
ピエール・オーギュスト・ルノワールの
《アネモネ》

もじわっとその色彩の魅力を
感じる作品。

本来はパキッとした色合いの
アネモネのお花ですが

ルノワールの魔法にかかり
優しい一枚となっています。

ファイルとポストカードも素敵でした。

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2.甘美なる風景

フランスの豊かな自然にも
またうっとりとさせられます。

ピエール・オーギュスト・ルノワールの
《エッソワの風景、早朝》。

シャンパーニュ地方の街、エッソワ。

早朝、仕事へ出かける
農家の方々の姿が

美しい木々と光の中に描かれているのです。


フィンセント・ファン・ゴッホの
《ヴィゲラ運河にかかるグレーズ橋》には

アルルの長閑さと活気を
同時に感じることができます。

空とそれを映す水面、
南仏の太陽が照らし出す大地。

それらが鮮やかに表現された作品でした。



3.甘美なる装い

今回の展覧会の顔ともなっている
ピエール・オーギュスト・ルノワール
《レースの帽子の少女》。

ふんだんにレースの使われた帽子は
少女の夢見心地な表情を引き立てています。

パフスリーブも彼女の優しい魅力を
表しているかのようです。

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マリー・ローランサンの
《女優たち》も
衣装が目を惹きます。

帽子やドレスが女優たちとも
背景とも溶け合っている
ように感じられる一枚。

口紅と頬紅の具合も
愛らしさのもととなっているでしょうか。



4.甘美なる逸品

作品の脇に、ささやかに
展示されている
化粧道具もまた素敵でした。

エミール・ガレ
《女神文香水瓶》。

ブルーのガラスと金彩、
そこに描かれたリボンを持つ運命の女神の
デザインがとても麗しくて。

ルネ・ラリックの
《香水瓶「ラ・ベル・セゾン」(美しき季節)》や

《香水瓶、パウダーボックス「ダリア」》

もその造形美に見惚れてしまいました。


また、驚かされたのは香水瓶の大きさ。

持ち上げるのに両手が必要なほどのそれからは
甘い香りがただよってきそうでした。



5.甘美なる空間

会場全体が甘美なるものでした。

作品に花を添える
可愛らしい壁紙。

絵画の横にそっと
香水瓶が飾られていたりもして。


また、コロー、モネ、ルノワール、ピサロ、
シスレー、ギヨマン、セザンヌ、コーガン、
ゴッホ、シニャック、クロス、プティジャン、
ボナール、ラプラード、ヴラマンク、マティス、
デュフィ、ブラック、レジェ、ピカソ、
ユトリロ、モディリアーニ、スーティン、パスキン、
ロランサン、ドンゲン、キスリング、シャガールと

28名の巨匠の作品の並ぶ
展示は贅沢そのものでした。

時間があればまた
その甘美な世界に浸りたいです。

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そして、”甘美”はまだまだ続き...

展覧会の余韻に浸るべく
Bunkamura内にある
ラデュレ渋谷松濤店を訪れました。

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パリの老舗パティスリーで
いただいたのは

シアターコース”Menu d’ Opera”オペラ。

前菜◇小エビのアヴォカド トースト

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メイン◇鶏肉と茸のヴォルオヴァン トリュフの香り

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飲み物◇コーヒーまたはテ・マリーアントワネット

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ラデュレのお食事で大好きな
アヴォカドトーストとパイ包みの
二品をいただける嬉しいコース。


秋限定の、マロングラッセをシューに詰め込んだ
ルリジューズも合わせて堪能しました。

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身も心も豊潤な甘さに包まれた
秋のひと時。

芸術鑑賞(とその余韻に浸る時間)の素晴らしさに
すっかり酔いしれてしまいました。

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写真・文=Mana(まな)

『ポーラ美術館コレクション展 甘美なるフランス』
会場:Bunkamura ザ・ミュージアム
 東京都渋谷区道玄坂2-24-1
会期:2021年9月18日(土)~ 11月23日(火・祝)
  *9月28日(火)、10月26日(火)は休館
開館時間:10:00〜18:00(入館は17:30まで)
 毎週金・土曜日は21:00まで(入館は20:30まで)
※金・土の夜間開館につきましては、状況により変更になる可能性もございます。詳細は下記をご覧ください。
https://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/21_pola/topics/yakan.html

https://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/21_pola/
ラデュレ渋谷松涛店 
住所:東京都渋谷区道玄坂2-24-1 (Bunkamura 3F)
サロン・ド・テ営業時間:10:30〜19:30(L.O. 18:30)

 https://www.laduree.jp



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