東京の休日 #109 〜ミラノとロンドンで「愛」を探る2つのおすすめ映画〜
あす迎えるホワイトデー。
バレンタインデーに続き
愛にあふれる日となることを願います。
さて、近頃鑑賞した映画が
そのような日にぴったりでしたので
2つご紹介させていただきます。
『ハウス・オブ・グッチ
(House of Gucci)』(2021)と
『ゴヤの名画と優しい泥棒
(The Duke)』(2020)。
どちらも「愛」について
考えさせられる作品でした。
まずは、イタリア・ミラノが舞台の
『ハウス・オブ・グッチ』。
夫婦の愛、家族愛、自己愛が
狂おしくも華やかに描かれております。
イタリア生まれの高級ブランド
「GUCCI(グッチ)」を巡る
こちらの物語。
創業一族の煌びやかで
危うい炎のような実話が基です。
主人公は、
貧しい家庭で生まれ育った
パトリツィア(レディ・ガガ)。
その美貌と知性と野心とで
グッチ一族の御曹司と結婚します。
これが、
アンハッピーな終わりの始まりで。
そこから、
パトリツィアはみるみる
自己愛に溺れていき
グッチを、彼を、一族を
操ろうと奔走していくのです。
そして、究極のラストを迎えます。
グッチの世界を
駆け抜けたような2時間半。
パトリツィアの
知性や行動力に圧倒されつつ、
そのパワーでわたしは
大切なものを大切にしたいなと
いうことを思わされました。
それにしても、
レディ・ガガさんの名演が
素晴らしかったです。
彼女が演じたのでなければ
パトリツィアさんに共感するところを
持てなかっただろうなと思うほど。
女優さんとして
ご活躍される姿も
もっと拝見したくなりました。
そして、こちらの映画
「日本」がちょこちょこ話題となりますので
そちらも愉しめポイントです。
『ハウス・オブ・グッチ(House of Gucci)』
2022年01月14日(金)公開
https://house-of-gucci.jp
劇場情報:
https://eigakan.org/theaterpage/schedule.php?t=KfEGucii
続いては、
イギリス・ロンドン(とニューカッスル)が舞台の
『ゴヤの名画と優しい泥棒』。
夫婦の愛、家族愛、人間愛が
暗闇と陽光の中に描かれております。
ロンドンの名門美術館
「ナショナル・ギャラリー」。
そこで起きた
盗難事件を巡るこちらの物語は
その真相と結末に
思わず涙がこぼれてしまう
実話が基となっています。
国際的な組織犯罪として
捜査が進められていた
この大事件。
ロンドン・ナショナル・ギャラリーでの
盗難は前代未聞の上に
盗まれたゴヤの名画
《ウェリントン公爵の肖像》は
1961年当時、イギリス政府が
3億円以上(現在の価値に換算すると)をかけて
アメリカ人美術コレクターから
購入したばかりの作品。
ところが、その「犯人」は
60歳の無名の市民
ケンプトン・バントン(ジム・ブロードベント)
だったのです。
その罪を犯したわけと
彼に寄り添い続けた奥様の愛情、
そして、さらなる真相と。
彼の温かい人柄と不器用さに
あっという間に心を盗まれておりました。
物語をふりかえると
自分の想いを貫き通す頑固さは
『ハウス・オブ・グッチ』のパトリシアさんと
並ぶエネルギーを持つバントン氏。
それでも、
イギリス中の人々も、ご家族も
彼を味方したくなったのは
与えたい、尽くしたい
お気持ちにあふれていたから
かもしれません。
こちらの作品は
『ノッティングヒルの恋人』(1999)を
手がけられた
ロジャー・ミッシェル監督の長編遺作。
昨年65歳の若さで逝去されております。
ご冥福をお祈りするとともに、
素晴らしい作品をこうして
国外にまで届けてくださったことに
深く感謝いたします。
『ゴヤの名画と優しい泥棒(The Duke)』
2022年02月25日(金)公開
https://happinet-phantom.com/goya-movie/
劇場情報:
https://eigakan.org/theaterpage/schedule.php?t=goyamovie
今回は、
ホワイトデーに鑑賞したい
「愛」を探るにふさわしい
2作品をご紹介しました。
スパイスのほしい時には
『ハウス・オブ・グッチ』が、
穏やかさに包まれたい時には
『ゴヤの名画と優しい泥棒』が
おすすめでもあります。
どうぞ皆さま
素敵なホワイトデーの季節を
お過ごしくださいませ。