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東京の休日 #107 〜美人画に惚れ惚れした二つの「上村松園(うえむらしょうえん)」展

美しさのあまり
どの作品の前でも
ため息がもれてしまうようでした。

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現在、東京で開催されている
二つの上村松園(うえむらしょうえん)展。

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本日は

『上村松園(うえむらしょうえん)・松篁(しょうこう)
―美人画と花鳥画の世界―』

〜2022年4月17日(日)
山種美術館(広尾)、


『近代が誇る女流画家とそれに連なる美の系譜
上村松園・松篁・淳之(あつし) 三代展』

~2022年3月13日(日)
東京富士美術館(八王子)

をご紹介いたします。


まずは

山種美術館(広尾)にて
開催されております

『上村松園・松篁
―美人画と花鳥画の世界―』


上村松園氏の作品を中心に
麗しさを味わうことのできる展覧会です。

《新蛍》

こちらの魅力は、

・静けさ
・比較
・和菓子

の三つでしょうか。


「静けさ」から
ご説明を。

《杜鵑(ほととぎす)を聴く》

美術館巡りの玄人さんが多い印象の
山種美術館。

《折鶴》

瞑想をするかのように
一枚一枚と向き合うことのできる
洗練された空間が広がります。

《つれづれ》


とくに第二展示室にただよう
神秘的な空気は

美術鑑賞の醍醐味に
溢れておりました。

その空気をつくり出している要因には
こちらの存在も大きいかと。

上村松篁(うえむらしょうこう)

《白孔雀》

上村松園氏の長男であり
昭和を代表にする日本画家
上村松篁氏。

《竹雪》や《春鳩》も
素敵な作品でした。


続いて、「比較」。

《詠哥(えいか)》

上村松園氏と同時代に活躍した画家の
美人画も展示されています。

見比べてみると、
松園氏の筆や色使いの特徴が浮き彫りに。

小早川清

《美人詠歌図》

そして、山種美術館の
大いなる愉しみ「和菓子」。

作品をイメージしたそれを併設の
「Cafe 椿」でいただけるのです。

今回もっとも心惹かれた
《庭の雪》がモチーフとなった
「雪輪(ゆきわ)」を選びました。

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展覧会を振り返りながら
お菓子をいただくひと時は格別です。

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noteでもこちらの展覧会を
愉しむことができます!

(↓詳細はこちらをご覧ください。)

『上村松園・松篁
―美人画と花鳥画の世界―』
会場:山種美術館
 東京都渋谷区広尾3-12-36 
会期:2022年2月5日(土)~4月17日(日)
休館日:月曜日
 ※3/21(月)は開館、3/22(火)は休館
開館時間:10:00~17:00(入館は16:30まで)
https://www.yamatane-museum.jp/exh/2022/shoen.html

(恵比寿駅から徒歩もしくはバスが便利です。)



一方の、

東京富士美術館(八王子)にて
開催されている

『近代が誇る女流画家とそれに連なる美の系譜
上村松園・松篁・淳之 三代展』

圧倒的な作品数で、親子三代の流れを
感じることのできる展覧会です。

こちらの魅力は、

・豊富な作品
・流れ
・常設展

かと思います。


「豊富な作品」から
綴ってまいります。

《長夜》
※前期展示(2月11日〜2月27日)

松園氏だけでも
100を超える展示物があります。

そのほとんどが絵画ですが
下絵や、お仕事道具、
受賞された文化勲章の勲章も
みることができます。


続いて、「流れ」。

《美人書見図》

親子三代の流れを
丁寧に辿ることができました。

松篁(しょうこう)さんはこの辺りを、
淳之(あつし)さんはこちらを
松園さんから受け継いでいるのかしらと

想像しながら鑑賞することができます。

上村松篁氏の大作

《万葉の春》では
あまり描くことのなかった
「女性」が登場しております。

お孫さんの
上村淳之氏の
《月汀(げってい)》には松園氏の
柔らかさが宿っているでしょうか。


また、上村松園氏の
初期の作品から晩年のものまでを

時代の流れに沿い鑑賞できたことも
とてもよかったです。

明治43年の作品

《人形つかい》、

大正11年の

《楊貴妃》、

昭和15年の

《わか葉》。

それぞれ魅力的ですが
「美人」が極められていくように感じます。


上村松園氏の世界を
心いっぱいに堪能した後には
「常設展」へ。

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こちらも素晴らしくて
驚きました。

マネ、モネ、ルノワール、
ターナー、アンディ・ウォーホルまでが
ずらりと並びます。

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その中でも印象にのこったのは

エリザベート=ルイーズ・ヴィジェ=ルブランの描いた
《フランス王妃マリー=アントワネットの肖像》。

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上村松園氏の美人画を
鑑賞した後でしたので

女性の捉えた女性の美しさに
目がとまったようです。

『近代が誇る女流画家とそれに連なる美の系譜
上村松園・松篁・淳之 三代展』

会場:東京富士美術館 本館・企画展示室1〜4
 東京都八王子市谷野町492-1
会期:2022年2月11日(金)~3月13日(日)
休館日:月曜日(祝日の場合は開館。翌日火曜日が振替休館)
開館時間:10:00~17:00(16:30受付終了)
https://www.fujibi.or.jp/exhibitions/profile-of-exhibitions/?exhibit_id=3202202111

(八王子駅からバスで15分ほどとなります。)


ということで、今回は
二つの「上村松園」展を
ご紹介させていただきました。

《蛍》

すっかり松園さんの魅力にはまり
この週末は
こちらに読み耽っております。

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写真・文=Mana(まな)

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