英語版小論文の書き方メモ(2022年Ver.)
大学一年生がもうそそろそ終わるから、未来の私が参照できるように小論文を英語で書く方法をメモしたい。
前提・対象物
社会科学分野でのエッセイで、理論および既存調査をベースに作成するものについて考える。裏を返せば、社会科学一般のフィールドリサーチが求められるようなものは除くものとする。問いが与えられた上で、論文を読み漁った上でArgumentを作成し証明するタイプの、大体3000Wordsくらいまでの論文について触れたいと思う。
流れ
授業の最終課題で小論文を課されたと仮定しよう。文系の科目は、試験よりも筆記課題の提出を求めることが多い。
(1) トピックを決める(質問を選ぶ場合もある)
とりあえずトピックを決める。これは「自分が自身がある分野」を選ぶのと、「自分が興味がある分野」を選ぶの2択がある。あるが、大抵の場合自分が興味がある分野は、授業を受けている時もなんとなくワクワクしながら受けて、結果的に理解が深まっていることが多いので、だぶることも多いと思う。
(2) 教科書とレクチャーを確認し、そのトピックに関係するコンセプトを考える
これはすごい大事。授業に出ていると、大抵期末試験とかのヒントになることをめっっっっちゃ言っているので、授業ノートはちゃんととって、後から見てもわかる状態にしておいた方がいい。「こういう背景を抑えてディスカッションしないとだめ」とか「この分野の古典は△△」とか言われていたら、それはちゃんと課題に反映させよう。
その上で、レクチャーに出てきていた基本概念を抑えて、どんな論点から論じることができるかの概要を検討しておく。論点の候補をいくつか用意した上で論文を読み始めれば、論文を全て読まなくても関係するところだけピックアップして読めばいいので、かなり時間を削減できると思う。真面目に全部読んでいると時間がなくなるから気をつけるんだぞ。
(3) その分野の論文を読む
これが一番時間がかかる。当たり前だ。②で論点を炙り出しておいて、それに沿って読むしかないけれど、多分論文の瑣末な部分(レフュテーション部分とか、他者の引用とか)は例え関係があったり面白かったりしてもあまり使わないで、「その論文の論旨」をピックアップしてどの論点にそうかを検討した方が構成が綺麗になる気がする。
あと、一回その分野の教科書か有名な調査論文のLiterature Reviewを読んで、関係する原典をリストアップしてローラーするのもあり。どちらにしろ、いくつか読んでいけば、「このトピックでは必ずこの人の名前が触れられているな」と言うのがわかってきたら、正しい分野を開拓しているといえる。その人の論文は一本読んでおいたり、あとReview Articleを読んでおくと、その分野の論文同時の関係性が見えてきてリーディングが楽になる。
あと、読んでいる途中で「これHockに使えるぞ」とか、その分野の重要性を語っている一文とかがあったらメモしておいた方がいい。と言うのはIntroductionの最初に「読者の興味を引くための文章」を設置しないと行けなくて、これを0から探そうとすると面倒だからである。読んでいる途中に見つけられれば、それをそのまま使えるから楽だと思う。
(4) 構成を考え、Thesisを作る
これは既に②で終わっているような部分もあるけれど、読んだ内容をどう構成するかを考える。これは質問の形式にもかかってきて、Contrast&Compareなのか、ArgueなのかCriticiseなのかDescribeなのか、質問に回答できるように注意する必要がある。
(5) 構成に沿って読んだ論文をどう組み合わせるか考える
できるだけさまざまな論文を、かつ対立している論文とかと組み合わせて論じることで、それに対する反論という形で理論の信憑性を高めることができるとベストだと思う。ただ、理論について語っている(実際の国とか事象とかについて語っているのではない)論文だと、一つの論文が複数のポイントに触れることもあるので、一筋縄にそうは言えないような気もする。
(6) 一回先生のアドバイスをもらう
アウトラインができたら、一回、先生に見てもらった方がいい。大学を初めてびっくりしたけれど、課題の提出前に先生にアウトラインを持っていくと、かなりしっかり読んだ上でアドバイスをくれる。成績がつくものでも、助けてくれ〜と手を伸ばせば助けてくれることになっているらしい。これはどの先生でも同じだと思うから、早めに取り組み始めて、「これで大丈夫ですか?」と聞いておくと、自分が思いもよらなかった部分の改善点が見つかったりするので便利だ。
(7) 肉付けしていく(具体例を補完する、定義が足りない語彙を説明する、自分の言葉に置き換えて説明する)
定義が足りない言葉を説明するのは忘れがちなので、段落ごともしくは最初にまとめてちゃんと定義するようにする。特に政治学系だと定義が必要な言葉が無限にあるので、特定用語を使うたびに使えそうな定義を拾い上げておくと、後々困らなくて良いと思う。
(8) 参考文献を一覧にする・表紙を作る
これは最初の段階からできるのだけれど、参考文献のリストは作っておいた方がいい。あんまり大事じゃないな〜と思うことも多いけれど、最後にまとめてやると面倒臭すぎて息絶えてしまうので、随時in-text citationから作らなければ行けないエントリを書き出しておいて、晩御飯とか食べながらReference listの形式に整えていくと良いと思う(Harvard Styleの場合)。
及び、表紙をちゃんと作る。匿名化させる必要があったり、参考文献の標記の仕方の指定があったりするので、テンプレートからコピペして必要事項が全て含まれるようにしておいた方がいい。提出直前になって足りないことに気がつくと普通に焦るので(焦ったことがある)。
(9) 同じ語彙が使われているところや不明瞭な英語を治す
書いていく時はとりあえずどんどん書いていって、最後にまとめてSynonymに変えるのがいいと思う(そうすれば全体を見ながらバランスよく異なる語彙を使えるから)。加えて、あんまりニッチな単語に置き換えると「何を言っているかわかりません」みたいなことを言われてしまうので、複数回同じ単語を使っても、連続しなければわかりやすい方がいいと思う。
(10) 提出
提出。当日の提出にならないようにしよう。
(11) 今回の学びになったことをメモにしておく
これ、意外と大事。最初に書いたように、選んだトピックは結構自分が興味のあるトピックがあることが多くて、伴っては将来立ち返ってくる可能性がある。だからこそ、こんなことを考えた、こんな理論に触れた、みたいな新しい学びをメモしておくと、後々見た時に「これが面白かったんだな」「ここまでは前回やったんだな」みたいなことが分かるので便利だ。
おわりに
2年間英語での教育を完遂して、「英語が不明瞭で何を言っているのかわからない」と言われた時の背後には、「何を言っているのかがわからない」と言う根本的な問題が存在することがわかった。つまり、「自分の理解が明瞭で無いとき、それは如実に英語に出る」と言うことで、ごまかしが効かないと言うことだ。そう言う時は一回議論を見直して、論点を整理したり、段落わけを調整したりする必要がある。
英語でエッセイを書くのって、レゴブロックで何かを作るときに似ているな、と思う。何を作りたいかをざっとイメージして、パーツを集めて、一回組み立てみて、気に入らないところや足りないところには他のパーツを補って、完成形をみて、変更が必要なところは変更を加えて、完成させる。完成させて全体を眺めた時に、満足できたら(成績が付くまでの一旦は)完成だ。
このまとめをアラサーになった私に届けたい。狂うほど働いて、大学院に進学できるお金が貯まったら、このNoteを見返して英語でのエッセイの書き方を思い出してほしい。大学院に行ける日が来ることを、心の底から祈っているからな。頑張って稼げよ。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?