【🇸🇪スウェーデン日記】#16: ルンド

別に特に具体的なイメージもわかなかったけれど、とりあえずその場を繋ぐために「うーん、ルンドに行こうかなあ」と言ったら、引っ込みがつかなくなったのである。

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「週末の予定は何？」と教室に向けて先生が言った。先生というか教授だし、なんならちゃんと調べたらすごい先生なのだけれど、フレンドリーな、というか教育熱心な先生だと思う。私が興味があるかも〜みたいにちょっと触れただけのトピックの本が、休み時間にいろんなところに散りばめられた参考資料に混じって私のパソコンの目の前に鎮座していた時に確信した。実際、この分野の本が読みたいと思っていたから、私は貸出票に名前を書いて本を拝借した。

コペンハーゲン！オスロ！ストックホルム！　の後に土日は家でゴロゴロしようと思ってました、日曜日は電話する約束があるけどあとは何もしないつもりでした、なんて言えなくて、「ルンド大学見に行こうかなと思ってます、好きな分野で大学院のコースがあるので」と言ってみた。

先生がいいねえ！と言って、ついてにゲストで来ていたスピーカーの方までルンドの街の良さを教えてくれて(彼女はスウェーデンで育ったのである)、本当に行く感じになった。

ついでに言えば私の横に座っていたスターリング大学(スコットランド、心理学専攻)ドイツ人が、「まって大学見学行くのめっちゃいいかも、私も院で行きたい大学いこ」とすごい勢いでコペンハーゲンへのチケットを探し始めて、私の反対側に座っていたドイツ人(人文地理学)はちょうどルンド大学からリジェクションを食らったところだったので、教室の一角が突然大学院進学の話に花を咲かせる人たちの集まりになった。

先生はちょっと満足そうだった(ように見えた)。

そう言ったからには収集がつかなくなって、私はバスのチケットを買ったのだった。往復で£55。1日分のバイト代より少ないと思えばまあ、妥当なもんだろう。ルンド。未知の街(大学があることだけは知っている)。

というわけで、私は朝の6時に起きて、8時にゴッテンバーグ中央駅から出るバスを目指して家をでた。トラム2に乗ればよかったのだけれど、途中で車内放送が入って、何を言っているのかさっぱりわからなかった。Central Stationの言葉が入っていたので、多分Central Stationに行かなくなったんだろうなと思って、途中で降りて歩いた。実際途中で行かなくなったらしい。
駅に着いたらバスが来て、チケットを確認されて乗り込んだ。No Swedish? No, I’m sorry. 否定疑問文に正しく回答できるようになったのは英語の成長であるが、スウェーデン語は全く成長しない。

バスは間も無く高速に乗って、窓辺からリザベリ遊園地とGoCo Health Townが見えた。私は酔い止めを飲み忘れたので、貴重品を鞄に入れて、鞄を抱きしめて寝た。途中のバスストップで目覚めつつ、3時間後にルンドに着いた。

建物が低い。イギリスにおけるオックスフォードみたいだな、と思った。中世っぽい建物が並んで、広い庭園に着いた。なんだこの庭園は、と思ったら大学の庭だった。すぐ横にルンド大学のキャンパスがあった。ルンド大学は北欧で最も大きいと言われる総合大学であり、中世に起源を持っている。今日ではほとんどの修士コースが英語で提供されており、世界各地から学生を呼び寄せる要因ともなっている。みたいなことが大学の紹介文に書いてあった。

その横にはルンド大聖堂があって、12時に金の音が鳴り響く。その奥に、市街地が少し広がっている。あまりバラエティはないけれど、必要なものは大抵揃っているみたいだった。日本の文具を輸入して売っているお店があって、ここでバイトしたいなと思った(スウェーデン語喋れないのに！)。

街の人は、概ね英語を話すらしかった。街のパン屋さんみたいなところで買ったクロワッサンとクロワッサン・ダマンドはどちらもおいしくて、お姉さんが英語で接客してくれた。スーパーは少し暗い雰囲気だったけど(例えばゴッテンバーグに比べたら)、レジのおばさんは私がモタモタしていたらスウェーデン語が話せないことに気が付いて、「ごめんね」という私に「いいのよ、大丈夫大丈夫 (That’s okay, it’s not a problem, it’s really not)」と言った。

私は主に都会で育った女だから、この街で暮らせるかはよくわからなかった。正直。ゴッテンバーグくらいはちょうどいいサイズの街だと思うけど、ルンドはどうだろう。アルバイトをしないで大学に通って、休みの間は頭を空っぽにして日本に帰るなら、ちょうどいいかもしれないと思った。どうせ学期の間は大学と家を往復しているだけだから。

ルンドには(ゴッテンバーグにも)、市立図書館があった。お金を使わないで行ける家と大学以外の場所は大事である。勉強はしないけど、家にもいたくない時の行き場が必要だから。そこはポジティブ・ノートだと思う。

週末が明けて、先生とクラスメイトたちに「ルンドどうだった！？！」と問われて、よく先週の会話を覚えてるなとちょっと感動したと同時に、ますます進路の方向性がよくわからなくなった。

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一日に2本も記事をあげているのは、24時を超えて投稿すると毎日投稿しているねカウントがなされるためです。ガハハ。