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1年生の成績を受けて(反省文)

一年次の成績が発表された。そこそこ前のことだが、読書感想文を書く方が楽しかったので、書いていなかったーものの、やっぱり書いておこうと思う。このハイフン、画面上だとどうしても伸ばし棒に見えてしまうな。

成績は、今の私の生活の中で最も大切な要素である。アルバイトや学生団体、就職活動及びそれに付随する色々なアクティビティをやったりしているが、成績が取れなくては意味がない。端的に言えば、どうにかしてDistinctionを持って卒業したい。

一つは、私が学生だから、という当然の理由であり、もう一つは、院に出願するときに学部の成績を使うからという少し現実的な理由である。いわゆる”良い” 大学の院は、大抵の場合において’Strong’ Fristを求める。つまり、良い成績をとっていないと次のステージが思い通りにならないわけだ。
英国の成績制度は奇妙なもので、制度上の満点は100%であるが、80%以上をとる人はほぼいない。70%を超えるとFirstにカテゴライズされて、’Distinction’となる。全体では70%以上がFirst, 65-69%がUpper Second, 60-65%がLower Secondとなる。Secondの下が何になるのかはよく覚えていないが、40%を切るとFailとなり、単位を習得できない。

一年時においては、8単位120クレジットを履修した。4単位(政治社会学・社会学⦅理論分野⦆・国際関係論⦅実例分野⦆及びロシア語)はFirst、残りの4単位(政治哲学・共産党思想・国際関係論⦅理論分野⦆政治科学)がUpper Secondとなった。全部平均を取ると70.2なので、OverallはFirstでの修了である。

ここまで書いていて気がついたが、弊学部においては、成績が最も悪かった2つの科目はカウントされないので(40%を超えたかどうかだけが問題となる)、それを除けば平均は74.0となる。英国の大学は、おそらく「進級するのは難しくない」が、「良い成績で卒業する」のは難しい。同時にBAMEと呼ばれる日本人を含めた少数人種の学生は、Firstを持って卒業する割合が白人の学生よりも下がると言われている。これは言語的な問題だけではなく、カリキュラムの内容やサポート体制、ロールモデルとなる教員の不足など様々な原因があると言われているが、とにかくアジア系の学生の方が白人の学生よりも成績が低くなる傾向になるのは間違いない。

一年の成績に話を戻せば、正直なところ残念である。平均だけではなくて、全ての科目でFirstで修了したかった。Firstをとった科目で稼いだ点数をUpper Secondの穴埋めにつかえたものの、Firstをとった言語科目と成績がインフレした社会学⦅理論分野⦆がなければ危ないところだったと思う。共産党思想だけは正直Upper Secondでも納得だったが(かなり歴史に重きを置いた授業内容であったため)、他はFirstを取るつもりであった。

文系の科目において、特に政治・社会学というような文章ベースの科目では、基本的に学期末の小論文一本で成績が全て決まる。一発勝負であり、授業内の取り組みやら小テストやらは全くカウントしないーそれは全て小論文に表れてくるだろ、ということらしい。同時に「言葉で論理的に何かを語る」のはそこそこに難しいことであり、それが哲学分野になるとますます痒いところに手が届かなくなり、70%の壁を超えられなくなる。69, 68……とあと一歩の点が並ぶ。

同時に、あと一歩だった科目たちからは、大きな学びもあった。ファンデーションコースでカバーしきれなかったエッセイの構成や書き方などのメタ的なこと。長いエッセイを書くにあたって、理論を理解した上で分析を行うことの意味ー具体的には、Literature ReviewとArgumentをどう繋げるか。参考文献の「主なアイデア」を読み取ると同時に、それを踏まえて自分の議論を組み立てること。「自分が理解した」上で文章を書くこと。最後に至っては至極当たり前のように見えるかもしれないが、これがかなり大事だ。フィードバックに「英語が不明瞭」と書かれていることが2回や3回あったが、これは英語能力に対する指摘であるように見えて、実は「英語という言葉を通じて表現しようとしている考えがまとまっていない」時に与えられる指摘である。自分が何を言っているか分かっていないことは、かいても何を言っているかわからないのである。母語で書いている時はあまり気にしていないかもしれないが、そういうことはーつまりよくわかっていないのに文章を紡いでいることはー多々あるのではないだろうか?その「よくわかっていなさ」は、第二言語にするとますます表立ってくるらしい。

とこのように、70%の壁の前に右往左往しながらも、言語化できるような学びが複数あったことも事実である。これを踏まえて、2年次はもう少しFirst度が上がることを目指したい。とにかく、Distinctionで卒業するために必要なのは、

Qualifies for First Class Honours (1):
A Final Weighted Mark greater than or equal to 69.50%
or
A Final Weighted Mark greater than or equal to 68.50%
and
Module marks of at least 70.00% in at least 50% of the Final Year credits.
パターンA:卒業成績の計算結果が69.5以上である
パターンB:卒業成績の計算結果が68.5%以上であり、かつ最終学年の成績の50%が70%以上である
UCLAcademic Manual

のいずれかを満たす場合である。これを見ると、自分がボーダースレスレにいることがわかる。

当然だが、一年次よりも2年次の方が科目の難易度が上がる。それを追いかける形で自分の成績も伸びていることを切に祈るが、果たして。

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