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札幌ひとり旅行記「セプテンバー観劇」「深夜の札幌を走る」

どうもハヤシです。
札幌に行ってきました。今回はその旅ブログです。

弦巻楽団の『セプテンバー』を見たくて、札幌まで行ってきました。
弦巻楽団とは、札幌を拠点に活動されている劇団です。

なんで、こんなぶっ飛んだ展開になっているかと言いますと。
今年は東京の小劇場をいくつか観劇したり、6月に韓国の小劇場を見に行ったりと、大阪以外の小劇場に触れてきました。「こんなに国や地域によって雰囲気違うんだ、もっと知りたい…」と思っていたところ、たまたま弦巻楽団を知り、しかも9月に新作公演があって予定も合うし…と言ったところに、札幌出身のこさとさんからの「おすすめだよ」という言葉に背中を押されて、翌週にはチケットと飛行機とホテルを予約。そんな流れです。たまに知りたいと思っているものって言葉にしてなくても、面白いタイミングで運ばれてきたりしますが、そんな感じです。

あと、書いてて気づきましたが、今回約10年ぶりの北海道でした。

そんなわけで、札幌へ!市内をぶらっと散策。

路面電車を見かけるたびに写真を撮ってました

劇場近くのセイコーマート(地元民は「セコマ」と呼ぶらしい)で、ずっと飲みたかったカツゲンに出会い、北海道の味を楽しみつつ、気づけば観劇時間に。

セコマって最初に聞いた時「せこいマートなの?」と勘違いしました
カツゲン!!

弦巻楽団「セプテンバー」を観劇。本当に良かったです。

札幌での初観劇。今回、コンカリーニョという劇場だったのですが、本当にいい劇場でした。見やすかったです!

そして今回観劇した『セプテンバー』。ある廃校が決まった中学校で、最後の卒業生となる中学3年生の明日香が「演劇をやりたい」と声を上げたところから物語は始まり。演劇部を作ったものの部員は一人。大会に出るにはメンバーが足りないと、いろんな人を巻き込んで、その中での葛藤や悩み、不安などいろんなものが重なりあっていく、そんなお話でした。

日常感のある空気をまといながら進む物語で、静かに森に流れている川のようにさらさらと進んでいくのが、本当に心地よかったです。キャラも魅力的で、人としてのどこか弱さや悩み、その人なりに考えてみて行動した結果がうまくいかなくて、さらに悩んでたりと、どの人も全力で抱きしめたいなと思いました。

中でも主人公の明日香は、今回の登場人物の中で、私がめちゃくちゃわかる…わかる…と思ってしまった子でした。お母さんとの関係がどこかうまく行っていなくて、家にいたくなくて、色々自分の中で抱えていて、自分の思いを吐き出すのが不器用で、本当に…人間らしい、良くも悪くも可愛い子だなって思います。(書いている今も色々思い出して泣く)

まだ経験が浅い中学時代だからこそ、それまでのわずかな経験の中でしか判断できなかったりするからこそ、出てしまう「お母さんに言っても許してくれない」という決めつけ。とっくに中学なんて卒業して大人になっているはずの私の中にも、こんな決めつけをそのままにしているものがありました。「そういえば、ちゃんと向き合えてなかった、やりたいことだとちゃんと伝えられていなかったものがあった」そんな気づきをくれました。

明日香なりに、いろんなものを抱えながらも、やりたいと手を上げた演劇部での活動を続けていく中で、いろんな大人が周りに集まってきてくれて、いろんな形で支えていくようになる中で。ある日、何も知らない明日香のお母さんが演劇部をやっていることを知り、怒ってしまう場面。怒りからお母さんが、一緒に演劇部として活動してくれている地域のOBの人たちに対して、ちょっとした悪口(でもお母さんの気持ちもわかるから、見ていてキュッとなった)を発してしまった時の、「この人たちのことを悪く言わないで(ニュアンスで覚えてるので言葉が違ってたらスミマセン)」という言葉に、ぶわっと泣きました。きっと家にいたくなくて、後ろ向きな理由から作った演劇部が明日香の中で、ある意味心の支えになっていたんだなと実感できた瞬間でした。

あと、郵便局員のおじさん(お名前ど忘れした…)が、最後の方で明日香にかけた「たとえ(お母さんを)傷つけることになっても、ちゃんと伝えるべき」という言葉。今まで衝突を避けることで自分を守ってきたであろう明日香にとって、「演劇をやりたい」とお母さんにいうことは、本当に怖かったと思うし、そんな明日香に寄り添える言葉を、こうしてかけてあげられるおじさんが本当に本当に大好きだし、優しい太陽のような暖かさをもつ人だと思いました。(でもお名前を忘れてしまった…ごめんなさい)

演劇部のおじさんたち、みんなに見守られながら、明日香がお母さんに思いを伝えるシーンとか、本当に忘れられない瞬間です。演劇部の大会に行く最後のシーン「行ってきます」と部室を出発するシーンは、今までの積み重ねを経て、明日香にとって演劇部が“第二の居場所”になったんだろうなって感じられて、もう感無量でした。

伝わらない感想になってしまいましたが、このほかにも登場する人物はほかにもいます。最初のシーンを見るだけだと、嫌だなって感じちゃう人物もいます。でも、決してそんな人たちを嫌のままにするのではなく、ちゃんと肯定してあげられるお話になっていたのは、優しさが溢れているなと感じました。

きっと誰もが向き合いきれずに、鍵をかけてそのままになっているものがあると思います(私にも数えきれないほどある)。でも、もしそれらに向き合いたいけど、向き合いきれない、ともがいている人がいるなら、そこに寄り添える人でありたいなとも思いました。

改めて本当に素敵な作品を、ありがとうございました。

そして深夜の札幌を走った

ここまで長くなったので、さっくりダイジェスト。観劇終わりにご飯を食べようとするも、余韻に浸ってたらかれこれ22時前。しかも乗る方向を間違えて、札幌に戻れたのは22時半ごろ。ちょっと東京の感覚でお店探そうとしたら、見事に閉まっていました。

何か食べたい!と思い、ギリここなら空いてるかもよ!と教えてもらった焼き鳥屋さんへスライディング(気持ちだけです。物理ではしていません)。

日本酒を飲みつつ、焼き鳥を堪能して、ホテルに戻りました!

というわけで、札幌一人旅!でした。

またこういう作品にめぐり会いたいし、参加できる側にもなりたい。
また今日から頑張ろう。

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