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宝塚記念

「私の夢はバンブーです」

宝塚記念になると、かの有名な杉本清アナウンサーの名実況を思い出す。
その中でも私が好きなのが、前述の言葉である。

バンブー、とはバンブーメモリーのことである。

バンブーメモリーは安田記念、スプリンターズSの短距離G1を2勝し、最優秀スプリンターにも選出された名馬である。しかも主戦ジョッキーは若き天才武豊。一見エリートのように見える、そのキャリアはあまりお目にかかれないほど、バラエティに富んでいる。

デビューしてからはずっとダートの短距離戦を使われ、初勝利は3戦目。そのあとも条件戦をうろうろしていた。ところが1400万で芝のレースを使われるとガラッと一変し、その後オープン戦を1戦挟んで臨んだ安田記念を制覇。いきなりのG1馬になったのである。

その後、1200mのスプリンターズSから2400mのジャパンカップまでありとあらゆるレースに挑戦が始まる。
1989年、マイルチャンピオンシップからジャパンカップ連闘したオグリキャップの感動は有名だが、実はこのバンブーメモリーも同じくマイルチャンピオンシップからジャパンカップを連闘していたのである。
このマイルチャンピオンシップは個人的にも印象的なレースで、4コーナーを滑らかに回り、オグリキャップを交わし、鮮やかに3馬身、抜け出したバンブーメモリーがゴール前でオグリキャップに差し返されるというビックリなレースだった。
このときバンブーメモリーに乗っていた武豊は、信じられないとコメントしている。

名馬であるが、名脇役でもあったバンブーメモリー。

なんと宝塚記念には3年連続で参加している(5着、6着、10着)。
宝塚記念では良い成績が残せなかったが、冒頭の名フレーズを生み出したのはバンブーメモリーの成果である。

<宝塚記念予想>
阪神2200mは内回りコースで、1コーナーまで距離があるのが特徴。ゴール前は急坂がありタフさが求められる舞台である。
近年、馬券的には荒れる傾向がある。ゴールドシップ、キタサンブラックなど圧倒的な人気馬がコケるレースである。
2017年から大阪杯がG1になっているが、大阪杯→宝塚記念を制した馬はいない。さらに言えば大阪杯を勝った馬は着順を落とすことが多い。ミッキーロケットなど大阪杯で完敗した馬でもチャンスがある。
また基本的には外枠が強いレースである。

◎11 モズベッロ
前走大阪杯では後方から一頭だけ伸びてきて、コントレイルを交わして2着。ぶっちぎったレイパパレを抜きにすれば最も強いレースをしたのはこの馬だった。昨年の宝塚記念3着以降は体調を崩していたが、もともと能力が高い馬。復調してさらに調子をあげてくるはずのここは初のG1制覇のチャンス。昨年の宝塚記念、前走を見る限り馬場が悪くなっても大丈夫だが、良馬場ならさらに切れ味が生きる。
しかもジョッキーは宝塚記念最強の池添謙一。
買わない手はない。

○10 カレンブーケドール
なかなか勝利はできないが、昨年のジャパンカップ4着に代表されるように力は一線級とそん色なし。
前走の天皇賞はさすがに距離が長かったが、正攻法で3着は胸を張れる。
今回のポイントは戸崎ジョッキーが連続騎乗する点。ずっと津村が乗ってきて勝てなかったが、戸崎の方がこの馬には合う印象。
勝ちまであるか。

▲13 キセキ
宝塚記念は2年連続2着。得意な条件と言っていいだろう。ゲートに不安があるが、今回はスタートのうまさNo.1の福永ジョッキーに乗り替わり。さらに最後に入れる大外枠を引けた。
スタートを決める確率は高い。スムーズに逃げられれば良い結果が期待できる。

△ 7 クロノジェネシス
昨年の勝ち馬。有馬記念も制してグランプリを連勝中。一方で2着3着も多い馬である。さらにはコロナ過での海外遠征の休み明け。不安はあるが一応抑え

レイパパレは前回、禁断の逃げに出た
おそらく折り合いやリズムで難しいレースになるだろう。さらに200m延びる今回は消し。


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