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天皇賞・秋

いよいよ天皇賞・秋を迎える。
今年は切れ上がった目をした名牝が歴史を塗り替えようとチャレンジをする。
JRA G1 8勝。
過去最強と言われた皇帝も、飛ぶ走りをする英雄も、牝馬三冠を達成した女帝も、ダービーを制覇した女傑も、グランドスラマーの覇王も、祭を響かせたアイドルも、名だたる名馬が到達できなかった境地に達しようとしている。

ちなみにこの「8勝チャレンジ」をしたのは過去1頭のみ。(その他は引退レースで7勝目か7勝目の後が海外レース)
テイエムオペラオー。

唯一にして無二のグランドスラマーである。
※グランドスラマーとは1年で、天皇賞・春、宝塚記念、天皇賞・秋、ジャパンカップ、有馬記念の古馬王者G1を全て勝利すること。(ギャロップレーサーというゲームでグランドスラムというタイトルがあったことが由来)

テイエムオペラオーは3歳で皐月賞を豪脚一閃で勝利すると、4歳になってから5個のG1を勝利。5歳になって天皇賞・春を勝利してG1を7勝目となった。
ちなみに皐月賞の勝ち方を見たシンボリルドルフを育てた野平雄二調教師は「日本の枠を超えた」と語っていた。
天皇賞後は、宝塚記念から有馬記念まで4回のチャンスがあったから記録更新は間違いないと思われていた。

しかし、結果は宝塚記念でメイショウドドウに初めて後塵を拝すと、天皇賞・秋ではアグネスデジタルに抜け出された。
その後もジャパンカップではダービー馬ジャングルポケットに下克上され、有馬記念では燃え尽きたように5着に散った。

まるでG1 8勝への呪いが有るかのように、ことごとくチャレンジに失敗したのである。

テイエムオペラオーはいわゆる“ズブい”馬という印象があった。3,4コーナーから騎手の手が動き大丈夫かな?と思わせて最後の最後に伸びてくる。
特にグランドスラムを達成した4歳の有馬記念は「万事窮す」というところからギリギリ届かせた。
過去を振り返ってみてもこれだけゴール前に強い馬はあまり印象にない。

ジョッキーはデビュー間もない和田竜二だった。
オーナーサイドから乗り替わりの打診があったが岩元調教師が最後まで弟子の和田を乗せることにこだわったという。
外国人ジョッキー至上主義の今だったらどうなっていたのだろうか。

ちなみにテイエムオペラオーがアグネスデジタルに負けた天皇賞・秋は私の祖父が臨終を迎えた翌日だった。

当時の彼女とアパートで一緒にいたときにその一報を受けたのだが、翌日の天皇賞・秋を東京競馬場で見てから実家に帰ることにしていた。
当日の府中は天気が悪かった記憶がある。
祖父との沢山の思い出を振り返りながら、同時にテイエムオペラオーの横を抜き去っていくアグネスデジタルを見ていた。

今年は快晴の空の下、アーモンドアイがルメールを背に8勝に挑む。

〈天皇賞・秋 予想〉
アーモンドアイの8冠なるか!?が焦点となる。
安田記念の敗戦を見ると、昨年のパフォーマンスからは考えられない負け方だった。
グランアレグリアに2馬身半千切られた内容、2着も怪しいレースだった。
出遅れたといっても大きく影響のあるものではなかった。
前述のテイエムオペラオーが8冠チャレンジに失敗してからは勝てなくなったのとダブる。
ここは2着づけで買ってみたい。

◎ 1 ブラストワンピース
この馬のベストパフォーマンスは1800mの毎日杯だと思う。
インディチャンプ等を相手にインから滑るように抜け出した内容は圧巻だった。その内容からダービーは本命に推した。(結果は5着)
稍重の有馬記念を勝ったこと、父ハービンジャーのイメージからタフな馬場と2400m前後が得意という印象を受けがちだが、実は2000m以下でこそ真価発揮のタイプだと思っている。
今回1番枠を引いてコースロスなく走れるのもツキがある。
勝負だ!

◯9 アーモンドアイ

▲2 カデナ

〈買い目〉
三連単
1→9→2 5 7 8

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