どう膨らます?プレスリリースからの記事の書き方
ご質問ありがとうございます。最近はプレスリリース自体が洗練され、記事にしやすいようにポイントがまとめられていたりするので記事は書きやすかったりもするのですが、その分オリジナリティがなくなってしまったり、単なる内容の再構成に留まってしまうこと、ありますよね。わかります。
僕も一時期、プレスリリースを元に記事を書くことがわりと多かったので、その時にやっていたことをお話しします。
🔸プレスリリースを元にした記事、2つの書き方
そもそも、プレスリリースをもとに記事を作るときには、いくつかの方向性があります。
まず、内容そのもの自体が強くて、早くそれを読者に届けることが最優先になる場合。例えば、人気製品の新発売情報とか、不祥事にまつわることとか、事実そのものに読者が興味を持っていて、「早く知りたい」と思っているようなものです。
こういうものについては、スピード重視で出してしまう。
膨らませるにしても、例えば時系列に沿って過去のその企業の取り組みや、その製品ができるまでの企業の戦略など時系列を少しさかのぼって情報を加え、「そのニュースバリューがすぐにわからない人たちに向けた補足的内容を付け足す」くらいかなぁと。生地の引きを強めると言ってもネタ自体が強いので、まずは第一報の速報を早く上げることに全力を尽くす感じ。第二報では有識者や市場の声を入れたりして、別の角度から掘ってみたりなどなど。
もう一つの作り方は↑とは異なり、「内容自体にそこまでの引きはないものの、なんらかの意味付けをしたり、切り口を工夫すればをすれば読者に興味を持ってもらえる可能性のあるもの」です。
代表的なのは意識調査的なものとか、研究結果みたいなやつなど。こうものはそのままその内容を載せるというよりかは、数多く起こっている社会現象のうちの一事例として取り上げるような動き方をとりがちかなと思います。
たとえば、同様のことを言っているリリースや公的情報と組み合わせてみたり、直近で話題になっているトピックと結びつけてみたり。
プレスリリースそのものから少し視野を広げて業界のトレンドと照合して、内容の意味づけをする。日常的に業界内をウォッチしている人でないとなかなか書くことができないものだったりもします。それなりにレベルは高いですが、オリジナリティの高い記事は作りやすいんじゃないかなとは思います。
🔸積極的に広報に電話をかけよう
さてここからなのですが、僕個人としてはプレスリリースの情報「だけ」から記事を書くというのはあまりなく、どんな内容であっても一度広報に電話をかける事を意識してきました。
そうすることで、「プレスリリースには盛り込めなかったけれど、読者に伝える価値がある情報がポロッと見つかったりもするから」です。
例えば、新製品が出たとき、類似製品と比べて何が違うのかといった情報はなかなかオフィシャルなリリースには記載しにくいこともありますし、これまでの同社の取り組みの中で、今回の製品の発売はどういう意味を持つのか、それが顧客に対してどんな価値を持つのか、既存製品の課題はなんだったのかなど、少し踏み込んでみたり、時系列に深掘っていくことで、記事に深みを出すこともできます。
電話取材を重ね、広報とも関係ができてくると向こうからも安心され、詳し目に情報を取れるようにもなってきますし、業界に関する情報交換もできるようになり、立体的に「プレスリリース」を捉えられるようにもなっていきます。あと慣れてくると、なんのニュースもないのに「さいきんどうすか」みたいな連絡を取り合えるようにもなっていき、業界歴の長い広報担当とかだと、こちらの知らない業界事情を結構教えてくれたりするんですよね。
そこまで行くと業界ウォッチャー的な楽しさもでてきますし、リリースそのまま、みたいなことは減っていくかなと。まずは領域を狭めてみるなどして、ぜひぜひやってみてください。
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