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1/13カレーのこと。

小さい頃カレーが苦手だった。

具がゴロゴロして、ドロドロして、
ご飯がめちょめちょになり、ルーが余ってしまうからだ。
家で今日はカレーだよと言われるとがっかりした。
シチューの方が好きだったのにカレーの割合の方が多かった。
反対に兄たちはカレーが大好きだった。
私は塩をかけて白米を食べた。
給食のカレーも好きじゃなかった。
でもお腹がすくので仕方なく食べた。
しかし大人になった今ではカレーはそんなに嫌いじゃなくなった。

個人経営のカフェに行った時の事である。
そこはグリーンカレーがおいしいと評判だった。
カレーにうまいもまずいもあるものか、と思っていたけどなんとなく頼んでみることになった。

家庭的なカレーとは違うサラッとして色々入ってそうな見た目。
スパイスとココナッツの香り。
これがカレー?

一口食べると香辛料の風味の中にココナッツのまろやかさが広がった。
初めて食べる味だ!これはうまい!と思ったのもつかの間、
今度は辛さが駆け巡る。
辛い!
辛い辛い辛い辛い!!
ウワーーーなんだこりゃ辛い辛い辛い!ワアアア~~~!!
最初に店員さんが「辛かったらはちみつで調節してくださいねー」って言ってたのはこれの為か!ワアアアー辛い辛いなになになに?熱い熱い熱い!ウワーすごい熱いし辛い!
でもうまい…なんなんだこれは…どんどん食べれちゃうんだけど辛くて進まない…。
空気を吸い込んで辛さを緩和して、なんとなくはちみつをかけない方がかっこいい気がしてそのまま食べることにした。
水をガンガン飲む。ピッチャーが空になった。
めちゃくちゃに汗をかいた。

やっとのことで食べきって余韻に浸っていると清楚なおばあちゃんが隣に座り、なんとグリーンカレーを頼んだ。
おいおい婆ちゃんマジか…?
ほうれん草カレーとは訳が違うんだぜ。
余りの辛さに最後の晩餐になっちまうぞ。
私の心配をよそにグリーンカレーがおばあちゃんの元へやってくる。
一口、二口食べ進めるおばあちゃん。
おばあちゃんにも容赦なく襲い来る辛さ。
しかしおばあちゃんの手は止まらない。
汗を拭きながら休み休み食べるおばあちゃん。
テーブルに水を注ぎに来た店員にこう言った。
「すごく辛い……でも、すごくおいしい…!」

わかる…!

さすがにおばあちゃんははちみつを足して食べていたが、あの美味しさに共感してもらえて嬉しかった。

振り返ってみると、私がカレーを嫌いだったのは、家や給食で出るカレーはちっとも辛くなかったからだった。
そして私以外の家族は甘口のカレーが好きだったのだ。

我が家でカレーの日は無印で各々好きなのを買う形になった。
グリーンカレーはもちろん、普段食べられないような種類も色々楽しめておいしい。シチリアレモンのクリーミーチキンカレーとかもおいしい。
ほぼ日ストアで売ってるレトルトカレーやカレーの恩返しというちょい足しスパイスもおススメです。

でも今一番食べたいのはチャーハン。


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