「帰宅部ボーイズ」(+1冊)を読んだ日

今週は2冊読むことに成功した。
多分初めて読む作家さんの本で、どちらも素敵でした。

まずは、沖田円さんの「一瞬の永遠を、きみと」です。
あらすじはこちら。

絶望の中、高1の夏海は、夏休みの学校の屋上でひとり命を絶とうとしていた。そこへ不意に現れた見知らぬ少年・朗。「今ここで死んだつもりで、少しの間だけおまえの命、おれにくれない?」――彼が一体何者かもわからぬまま、ふたりは遠い海をめざし、自転車を走らせる。朗と過ごす一瞬一瞬に、夏海は希望を見つけ始め、次第に互いが“生きる意味”となるが…。

ケータイ小説からの書籍化してる本だったのね!
知らずに読んで、なんだか小学生~中学生くらいの時期に読んだことある世界観と言い回し、なんだっけこの感覚と思ってたので納得。

しっかりとした小説は苦手だけど、ケータイ小説等は好きだよって方はかなりおすすめだと思いました。

私は逆にあまりその類を読んでこなかったけど、最後ちゃっかりしっかり泣きました。ちょろいですね!

にしても久しぶりにケータイ小説サイトの野いちごとか聞いた、、、懐かしいね同年代のみなさん、、、


・日々を意味あるものにしたいともがいていた頃の記憶

もう一冊ははらだみずきさんの「帰宅部ボーイズ」です。
あらすじはこちらです。

まっすぐ家に帰って何が悪い! 入部した野球部に馴染めない直樹。喧嘩早くクラスで浮いた存在のカナブン。いじめられっ子のテツガク。学校にも家にも居場所のない3人が、共に過ごしたかけがえのない時間。喧嘩、初恋、友情、そして別れ……。帰宅部にだって汗と涙の青春はあるのだ。「10年に一冊の傑作青春小説」と評された、はみだし者達の物語。

この物語、かなり素敵でした。

主人公・直樹の中学時代は、現代ではなくてもう少し前の時代が舞台になってると思うけど、自分の中学生時代の日々の疾走感みたいなものとリンクして、楽しく、少し切なくなるお話でした。

何が原因なのか自分でもよくわからないけど、何かに、誰かに当たり散らしてしまう(この小説内では、わかりやすい程それは暴力という形で表現されてた)衝動に駆られたり、
色々な節目をきっかけに、自分が、友達が、昨日までとは別人みたいに大人になっていったりと、
嫌でも毎日全力疾走して過ごさないといけない学生時代に感じてたことがたくさん書いてあったな。

「その人の人生にとって、必要のなかった経験だとというものはひとつも存在しない。過ぎたことだけが、自分のなかに残る。」

物語に出てくるキャラクター、テツガクのこの言葉が私はとにかく好きでした。
必要のなかった経験なんて存在しない、と、そうであってほしいと日々生きていく中で思っていることを、テツガクが言い切ってくれたことにすごく心がほっとしたように感じたシーンでした。

「あの頃、僕らはなんとかして毎日を楽しくしようと、もがいていたような気がしたからです。どうですか、そう思いませんか?」

物語のラスト、高校生になった直樹に自主製作映画と一緒に送ったテツガクの手紙の中の言葉。
そうなんだよね、学生の時って、時間は足りないようで無限にあって、なんとか毎日楽しく、本当にくだらないことでも笑って、期限付きの学生時代の日々を意味のあるものにしようと無意識のうちにもがくんだよなぁ。

物語の中の3人の、擦り切れちゃうくらい全力で毎日を過ごす様子が本当に好きで、大人になってからこの記憶の大切さに気付くことを願うような、そんな素敵な小説でした。


明日は図書館でどんな本を借りような迷いに行きます。また読んだことのない作家さんの本を借りてみたい。

おしまい!

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