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アニマルMVって勝手に命名。やっぱりコールドプレイのParadiseがダントツだ!(オススメMV #75)

こんにちは、吉田です。
オススメMVを紹介する連載の75回目です。(連載のマガジンはこちら)

今回のテーマは「アニマルMV」。
といっても、本物の動物が出ているのではなく、動物関連の映像がメインのMVとなります。
細かく説明するより、まずは超オススメのアニマルMVをご覧ください。

コールドプレイの「Paradise」です。どうぞ!

楽しいながらもちょっぴり哀愁もある、バツグンのMVですね。
楽曲も映像も押し出しは強くないのですが、強烈に印象に残るのは奇跡に近い所業と言えます。

コールドプレイについて取り上げるのは3回目となり、初回にバンドの紹介をしているので、ご興味のある方はご覧ください。(初回はコチラ)
また、コールドプレイでは超名作のオススメMVがあり、2回目で紹介しているので、未見の方はぜひご覧ください。(必見の2回目はコチラ)

では、さっそくMVの解説に参りましょう。
ボーカルのクリスマーティン扮する被り物のゾウが動物園から脱走し、一輪車に乗って旅をしてメンバーと出会って演奏する...というシンプルなストーリーですが、このMVのすごさはシンプルなストーリーを表現する映像の世界観へのこだわりです。
ゾウの被り物も一輪車もめちゃくちゃチープですが狙ってそうしているのは確実ですし、一輪車に乗って道路を進むクリスマーティンのゾウが被り物を取ってこぐのも、ゾウを使って虚構の世界を構築すべきところMV自体のチープさというか軽さを演出しかつコールドプレイ自身との関連の印象付けにもつながっています。
しかし、このチープさと軽さがMVを薄っぺらくしているかというと全く逆で、チープさと軽さによって視聴者とMVの中の虚構の世界との距離が縮み、逆にリアリティすら感じさせています。

そして、このMVのすごさは、楽曲の持つ良さを最大限に引き出し、視聴者の記憶に残る楽曲として昇華させていることにあります。
楽曲としての「Paradise」は、良い楽曲ではあるものの印象に残るかというと決してそうではありません。
しかし、MVとしての「Paradise」は、その楽曲に映像を加えることで、印象に残るどころか心に染み入る名作MVとして仕上げています。

この「Paradise」のMVは、マットホワイトクロス(Mat Whitecross)という方が監督をされているのですが、主にコールドプレイのMVを複数手掛けておられます。
その中に、別の「アニマルMV」もあるのですが、そちらはなかなかビミョーなMVとなっています。

では、違うパターンの「アニマルMV」をご覧ください。
コールドプレイの「Adventure Of A Lifetime」です。

サルの表情や動きなどメチャクチャ緻密で、スゴイMVですね。
何かの映画を見ているような感じです。

この「Adventure Of A Lifetime」ですが、楽曲は結構お気に入りでたまに聴くのですが、逆にMVはリリース当時に何度か観ましたがそれ以降全く観ることはなく、今回noteに書くにあたって久しぶりに観たほどです。

「Paradise」は、MVは今でもたまに観ますし、楽曲もたまに聴きます。
しかし、楽曲を聴くときには頭の中ではMVの映像が浮かぶので、つまり楽曲を聴くというよりMVの映像を重ねながら聴いている感じですね。
違うMVの映像であれば楽曲としての「Paradise」の再聴はなかったように思うので、楽曲の聴取をMVが後押ししているようでスゴイことです。

さて、「Adventure Of A Lifetime」のMVですが、音楽を聴いたサル(クリスマーティン)が歌いだし、楽器を見つけてメンバーで演奏して、そのうちみんなで踊りだす...というストーリーですが、物語性が薄いため印象付けや世界観の構築はキツイところです。
かつ、最新のモーションキャプチャを使って滑らかな動きに加えて緻密な表情も表現しているのですが、スゴイことはスゴイものの、スゴイだけで全く印象に残りません。
そのスゴさで我々視聴者に何を感じさせたいのか、考えさせたいのかが全く分からないのです。

私は事業開発がライフワークなのですが、事業も同じで、製品やサービスを開発し提供する際に、その製品やサービスの機能がいかにすごくても、使うユーザーでどんな成果を上げてもらえるのかが一番重要です。

脱線したので話を戻しましょう。
この「Adventure Of A Lifetime」のMVも「Paradise」と同じマットホワイトクロスが監督を務め、かつメンバーが動物に扮するMVなのですが、こうも印象が違うとはMV制作というのは本当に奥が深いと思い知らされます。
もちろん、「Adventure Of A Lifetime」のMVはビミョーな感じではありますが、「モーションキャプチャを取り入れてどこまで表現できるか」というチャレンジは大いに称賛されるべきであり、もちろん私も「ここまで動きや表情を表現しているのはスゴイ!」と思っています。
コールドプレイのそのチャレンジする取り組み自体、私がコールドプレイのファンとなっている一因でもあります。

またまた余談ですが、「Paradise」のMVは、最初はかの有名なMV監督ハイプ・ウィリアムスが制作しているのです。
しかし、なんとお蔵入りになり、2つ目に制作したのが上で紹介したマットホワイトクロスの名作MV「Paradise」となっています。
なぜハイプウィリアムスのMVがお蔵入りになったのか詳しい情報がないのですが、1度でいいから観てみたいと切に思う次第です。
なお、ハイプウィリアムスは本連載では2度目の登場で、初回登場でもなんとコールドプレイの名作MVにまつわる話ですので、ご興味のある方はぜひご覧ください。(ハイプウィリアムスの話)

さて、今回の「アニマルMV」はいかがでしたでしょうか?
ほとんどコールドプレイ特集のようになってしまいましたが、「Paradise」のMVを未見の方は、ぜひ一度ご覧ください。
チープさと軽さに反して、皆さんの心にしみわたること確実です。

ではまた次回に。

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