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このオッサン、何なんだ!実業家兼アーティストつながりでご紹介(オススメMV #139)

こんにちは、吉田です。
オススメMVを紹介する連載の139回目です。(連載のマガジンはこちら)

今回は「このオッサン、何なんだ!?」ということで、不思議なオッサンのアーティストの特集です。
不思議なオッサンのアーティストというとたくさんいるので、更に「実業家がアーティスト活動もしている」というオッサン縛りでお届けします。

まず最初の実業家兼アーティストのオッサンはコチラ。
ジャンルカ・ヴァッキの「Trump-It」です。どうそ!

水着の美女が山盛り登場するきれいな映像のMVですが、まず目に飛び込むのが自己主張の塊(かたまり)のようなオッサン、このヒトこそ最初の主役、ジャンルカ・ヴァッキです。

ジャンルカ・ヴァッキ(Gianluca Vacchi)はイタリアの実業家で、お父さんも社長さんで一族全員お金持ちという環境に生まれ育ち、そのままご自身も実業家になったという、生粋のブルジョアジーですね。
1967年生まれとのことなので今年57歳ですが、このMVは6年前のリリースなので、撮影時には51歳となります。
しかし、51歳でこのバイタリティというのはスゴイ...

SNS(インスタグラム)では有名らしく、過去の投稿では見るからにヤンチャっぽいですが、実際も相当ヤンチャであったことが伺えます。
しかし、3年前にお子さん(女の子)が誕生されてからは、SNSへの投稿が家族写真ばかりになり、ヤンチャなお父さんは子供ができたら(特に女の子)溺愛する...という鉄板の通りに溺愛されているようです。
ちなみに、奥さんは27歳年下の元モデルというから絶句です...

本業の実業家に加えて、SNS界隈だけでなくDJや音楽家としても活動されており、既に10曲以上をネット配信しています。
この「Trump-It」は、楽曲としては2018年2月にネット配信され、ほぼ同じタイミングでMVも配信されています。
MVは楽曲と映像のバランスが重要ですが、このMVは押し出しの強い映像と、同様に押し出しの強い(というか押し出しオンリーの)楽曲とのバランスはいいとも言えるため、その意味では良いMVではあります。
しかし、繰り返し視聴するかというと、年に1回観るかどうかというのが実状です。(とはいえ、観ないMVは全く観ないので、年に1回ぐらい観るということは気に入っているのかもしれません。ちなみに、楽曲単体では全く聴きません...)

しかしこのお方、相当美女軍団とワチャワチャするのがお好きなようで、同種のMVが多数あります。
そのワチャワチャ系のMVの中から、上の「Trump-It」の1年前にリリースされたMVを紹介しましょう。
ジャンルカ・ヴァッキの「Viento」です。

最初はひとりでヨットに乗っていて「おっ、なかなかシブい!」と思った瞬間、水着の美女がわんさか出てきて最初のMV同様にワチャワチャな状態になります。
最後はクラブでご自身がDJとなり大盛り上がりになるという、自己主張&自己満足全開のMVとなっています。
(しかし、ここまで突き抜けた自己主張と自己満足であれば、観ていて気持ちがいいですね)

しかし、美女軍団とワチャワチャするのが大好きなオッサンも、上に書いた通り娘さんが生まれて驚異の変化が起こるのです。
それを証明するのが2年前にリリースされたこのMV。

ジャンルカ・ヴァッキの「Juega」です。

YouTube動画のサムネイル画像では自家用ジェット機の機内で水着美女軍団とワチャワチャしていますが、これは引っ掛けで、中身はいたってマジメな映像で構成されているMVとなっています。
(マジメと言っても、自己主張と自己満足は変わらず全開です)

ヤンチャなオッサンも、娘さんの誕生でここまで変わるか!という典型的な例ですね。(もちろん、イイことです)

さて、続いて二人目の実業家兼アーティストのオッサンに参りましょう。
実は今回は、今から紹介するアーティストを紹介したいために組んだ回といっても過言ではありません。
その名も「イエロー」と言い、オッサン二人組のバンドになります。

MVとしてはヘンテコ系が多いのですが、その中でもビジュアル的に面白いMVがいくつかあり、まずはその1つをご覧ください。
イエローの「Waba Duba」です。どうぞ!

シュールなようにも見えますが、どちらかというとコミカルな映像のMVで、なんといっても二人のオッサンの存在感が半端ないMVです。
楽曲も特徴的で、違和感なく映像とマッチしています。

イエロー(Yello)はスイスのバンドで、1979年から活動している今年45年目を迎える円満老夫婦のようなバンドです。
結成当時は3名だったものの途中で1名が脱退し、現在は上のMVでも登場する2名で活動しています。
「不思議なオッサン」と銘打っていますが、実はお二人とも70歳を超えておられ、「不思議なおじいさん」というのが正しい表現かもしれません。
このお二人には明確な役割分担があり、ボーカルと作詞は大富豪の実業家でありギャンブラーでもあるディーター・メイヤー(なんと79歳!)が担当され、作曲を含む音楽全般はボリス・ブランク(この方も72歳!)が担当しています。

イエローの音楽性としてはボリス・ブランクの存在が大きく、様々な音源をベースとしたサンプリングによる楽曲制作が特徴で、高い音楽性を持っている不思議なオッサン二人組のバンドと言えます。
残念ながら私の好みかというと違うため、楽曲のみで聴くことはありませんが、MVを視聴する中で楽曲の素晴らしさも感じることができます。

この「Waba Duba」は、2020年にリリースされた14thアルバム「Point」の1stトラックに収録されている楽曲で、同年にMVも公開されていますが、なんとこの時、ディーター・メイヤーは75歳というから驚きですね。

せっかくですので、もう1つオススメのMVを紹介しましょう。
イエローの「Tiger Dust」です。

こちらはビジュアル的にチャレンジしているMVですね。
コミカルな要素は控えめで、それにあわせる楽曲も渋めのため、バランスの良いMVとして仕上がっています。

この「Tiger Dust」は、2003年リリースの11thアルバム「The Eye」に収録されている楽曲で、MVとしては2009年にリリースされているようなので、ディーター・メイヤーは御年(おんとし)66歳ですからまだまだお若い感じですね。

イエローのMVはYouTubeのオフィシャルチャンネルにたくさんありますが、その多くはコミカルなヘンテコ系のMVばかりで(申し訳ないのですが)再見がほとんどないMVばかりとなっています。
しかし、その中でひとつ、MVではないのですがお気に入りのライブ動画があり、最後にそのライブ動画を皆さんにお届けして締めさせてもらいましょう。
イエローの「Tool Of Love (Live In Berlin / 2016)」です。どうぞ!

ステージで歌うシブいディーター・メイヤーと、スクリーンに表示されるコミカルな映像の対比がイイですね!
楽曲も映像もインパクトはありませんが、マッチングが素晴らしく、何度観ても飽きないライブ動画となっています。

さて、今回の実業家つながりの不思議なオッサンのアーティスト特集はいかがでしたでしょうか。
自己主張全開のオッサンと渋いオッサンという対極のようなお二人でしたが、それぞれ違った良さがあるので、ぜひ両方ともご覧ください。

ではまた次回に。

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