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リコーダーの笛の音に惑わされるな!ウラジーミル・コシュマールは狂気のMVを送り出す(オススメMV #76)

こんにちは、吉田です。
オススメMVを紹介する連載の76回目です。(連載のマガジンはこちら)

皆さん、突然ですがウラジミール・コシュマールを知っていますか?
フランスのDJ(ディスクジョッキー)なのですが、2017年に突然現れ、とんでもないMVをリリースして世の中に激震を走らせました。

なにはともあれ、まずはそのとんでもないMVをご覧ください。
ウラジミール・コシュマールの「Aulos」です。どうぞ!

「ふざけたMVだ!」と思いつつ観ていると、徐々にリコーダーの音色とおじさんの映像に脳を侵食され、気が付いたら何度も見ている...という危険なMVです。

この不思議かつ強烈なMVの説明は後に回すとして、まずはこの楽曲を世に送り出したウラジミール・コシュマール(Vladimir Cauchemar)について簡単に紹介しましょう。
ウラジミール・コシュマールはフランスのDJで、本連載の第2回「スゴイ!歴史に残る傑作MV」で紹介したフレンチエレクトロの今や大御所ともいえるジャスティスも所属するレーベル「Ed Banger」と契約し、2017年にリリースしたファーストシングルが、この「Aulos」となります。

この「Aulos」のMVで強烈なインパクトを与えたウラジミール・コシュマールは、そのあと立て続けに様々なラッパーとコラボし、良質な作品を世に送り出します。
ひとつずつ紹介するときりがないので皆さんネットで検索して観ていただきたいのですが、日本のラッパーであるJP THE WAVYともコラボしています。
しかし、その楽曲「Born Winner」は残念ながらリコーダーの音色は聞けず、チョット残念です。(YouTubeにMVはアップされているので、ご興味ある方はぜひ)

さて、この「Aulos」のMVですが、何といっても出演しているおじさんを、これでもかといじり倒しているところがスゴイ。
奇抜なおじさんでなく、フツーのおじさんであるところが更に不気味さを醸し出ているのですが、逆にフツーのおじさんのいじり方が、法律に触れるわけでもないのですがふざけすぎているというか、雑に扱いすぎるように思うのは私だけでしょうか...

ちなみに、このおじさんですが、ウラジミール・コシュマール本人ではなく、ウラジミール・コシュマールの音楽の先生という話があり、本当?という感じですが、多分本当のようです。
しかし、先生もこのオファーがあったときに、ここまでいじられる企画だと知っていたら引き受けられたのか、それとも知っていつつ生徒のデビュー作のMVということで決意して引き受けられたのかは知る由もありません。

この「Aulos」のMVを見ていると想像だにできませんが、ウラジミール・コシュマールのトレードマークはドクロなんです。
それが如実に表れているMVがあり、それが今回2つ目のオススメMVとなります。

今回のオススメMVの2つ目はこちらです。
ウラジミール・コシュマール「(G)RAVE」です。

もうこれでもか!というぐらいにドクロのウラジミール・コシュマールをいじり倒した、てんこ盛りのMVとなっています。
笛の音とビートが絡み合う楽曲も素晴らしく、映像ともマッチしていて素晴らしいMVとして仕上がっています。

実は最初に「Aulos」のMVがリリースされたとき、巷では物議も醸し出してはいるものの私自身はハマることはなく、ちょっと狙いすぎ感が鼻につき何度も見ることはなかったのです。
しかし、「(G)RAVE」のMVを観たときに「あれっ、これって以前のAulosのMVの本人版では?」と気になって「Aulos」と「(G)RAVE」のMVを何度も見比べながら観ていたら、「Aulos」のMVにもこの「(G)RAVE」のMVにも両方ドはまりしてしてしまいた...という経緯があります。

この「(G)RAVE」のMVは、見ての通りウラジミール・コシュマールが様々な人に扮したり奇抜なシチュエーションで登場したりと八面六臂の大活躍というか、いじられまくりのMVとなっていますが、これだけテンコ盛りの映像だとまとまりがなく食傷気味になってしまいがちなところ、不思議と最後まで気持ちよく観てしまえるのが不思議なところです。

このMVを監督したのはティトゥアン・ハレル(Titouan Harel)という方なのですが、作品集の中に「Aulos birthday mini edit」というMVがあり、オリジナルの「Aulos」のMVの映像を加工したバージョンで、例のおじさんも出てきつつ微妙な加工が施されているMVとなっています。
つまりAulosを意識されたうえで、この「(G)RAVE」のMVを制作されたことがわかります。
そう思って観てみると、まずは先生に出演してもらったのち、満を持して生徒である本人が出演した...という2つのMVの関係性があるように思えてなりません。

なお、余談になりますが、「Aulos」のMVの監督はアリス・クニスエ(Alice Kunisue)というフランス在住のアートディレクターで、なんとフランス人と日本人のハーフの方です。
日本とのつながりもあるとわかってからは、更に「Aulos」のMVが気に入っているという、安直な私ではあります。

さて、今回のウラジミール・コシュマールの2つのMVはいかがでしたでしょうか。
リコーダーの笛の音とビートを絡めた独自のサウンドを生み出すウラジミール・コシュマールは、これからも要注目のアーティストです。

ではまた次回に。

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