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ブロンディとカーディガンズ、時代は違うレトロMVだが両方いいのでぜひ観るべし!(オススメMV #129)

こんにちは、吉田です。
オススメMVを紹介する連載の129回目です。(連載のマガジンはこちら)

今回はレトロMVの特集として、ブロンディとカーディガンズのオススメMVを中心にいくつか紹介します。
メインとなるオススメMVは2つあり、ブロンディのMVは1979年に制作されたリアルなレトロMVですが、それに対してカーディガンズは1995年制作なので時代的にはレトロとは言えませんが、中身はガッツリとしたレトロMVとなりますのでその違いを楽しみながらご覧ください。

では、まず最初にリアルなレトロMVをご覧ください。
ブロンディの名曲、「Heart Of Glass」です。どうぞ!

シンプルでありながらしっかり記憶に残るメロディラインというのは名曲の証(あかし)ですが、それに組み合わされるのはボーカルのデボラ・ハリーを前面に押し出したシンプルな映像で、楽曲の良さを最大限生かしたMVとなっています。

ブロンディ(Blondie)は、1974年に結成されたUSのバンドで、途中一度解散していますが再結成し、今もなお活動を継続しているご長寿バンドです。
何といっても、上のMVのサムネイルでもドーンと登場しているボーカルのデボラ・ハリーの存在が大きく、彼女の歌声に加えて彼女の存在自体がブロンディというバンドそのものと言っても過言ではない程です。
ちなみに、今でもブロンディは活動していて、年齢を重ねてもパワフルなデボラ・ハリーのパフォーマンスはYouTubeの動画でも多数観ることができ、素晴らしい歳の取り方をされているなーと感嘆することしきりです。
2023年のライブ映像でも、ホットパンツ姿できれいな足を披露しているデボラ・ハリーを観ることができますが、超カッコいいので皆さんもぜひ見てみてください!

さて、この「Heart Of Glass」は、1978年リリースの3rdアルバム「Parallel Lines」(邦題:恋の平行線)に収録され、翌1979年にシングルカットされた楽曲で、ブロンディのNo.1ヒットとなっています。
MVに話を移すと、なんといってもデボラ・ハリーの押し出し方が半端ではありません。
顔のドアップがメチャクチャ多いのですが、全く気にならないのはバンド名の由来にもなったブロンドヘアーが印象的なデボラ・ハリーの美貌ゆえというのももちろんあるものの、彼女の顔のアップの割合は全体の36%と約1/3程度のため、強く印象に残っていながら実は半分にも満たない割合ということが大きく影響していると思われます。
そして、今回のテーマでもあるレトロ感もありますが、レトロ感を前面に出していないのもこのMVの特徴です。
それも当然で、このMVは今から45年も前に制作されており、自然に出ているレトロ感が今我々が視聴している時にはイイ味付けになっています。

ちなみに、デボラ・ハリーの顔のドアップの映像ですが、顔全体が真ん中に映されているのは、歌声や歌詞よりも彼女の存在そのものを印象付けようとしている意図が分かります。
逆に口元が画面の中央に表示されている場合は、シンガーの存在そのものより歌声や歌詞の印象付けの優先度が高いので、それを考えながらこのMVを観るとより理解が深まります。
以前この連載でも解説したことがあるので、ご興味ある方はぜひご覧ください。(以前の連載はコチラ⇒「エンディングで出会った2つの名曲」

そして、続いてが「狙って造ったレトロMV」。
カーディガンズの「Carnival」となります。

レトロ感に加えてオシャレ感満載のMVですね。
まったりとした楽曲とゆるーい映像の組み合わせも秀逸で、強い印象付けはないものの一度観たら忘れられないMVとなっています。

カーディガンズ(The Cardigans)は、1992年結成のスウェーデンのバンドで、ブロンディ同様に今でも活動しているバンドになります。
ボーカルがキュートな女性という共通点もありますが、ブロンディは当時ニューウェーブという流れを作ったバンドの筆頭格であり、カーディガンズは60年代風の楽曲を特徴としているバンドと、今回は「レトロMV」というカテゴリで一緒に紹介していますが大きく異なっています。

この「Carnival」は、1995年リリースの2ndアルバム「Life」からの1stシングルとして同年にリリースされた楽曲で、カーディガンズの中でUKなど本国以外でチャートインした最初の楽曲です。
この2ndアルバム「Life」は日本で激売れし、「Carnival」のMVも音楽専門チャンネルでヘビロテされていたのを覚えています。(今でも音楽専門チャンネルの懐かし系の番組で結構流れています)
MVに目を向けると、もうレトロ感がてんこ盛りで、どのシーンを切り取っても60年代風の映像のオンパレードです。
これは60年代風の楽曲のテイストに合わせて作られたことは明白で、「レトロな楽曲+レトロな映像」の相乗効果によりなかなか無いレトロなMVとして仕上がっています。

ここで比較して観ていただきたいMVがあります。
ブロンディの「Hanging On The Telephone」です。

上の「Hanging On The Telephone」とカーディガンズの「Carnival」のMVに出てくる楽屋風景を見比べると、結構似ていることが分かります。
ブロンディのMVはその時代のリアルな楽屋風景でしょうが、カーディガンズのMVは「1990年代の後半にこの楽屋はないだろ!」という感じですので、狙って造られたことが明白です。

このガーディガンズの「狙ったレトロ」は大当たりし「Carnival」もビックヒットとなるのですが、逆にバンドのイメージが「レトロ」で刷り込まれてしまい、バンド本来の良さが伝わりにくくなったとも言え、このあとは結構いい楽曲をリリースしているものの「Carnival」を超えるヒットが出ていないのもまた事実です。

それに比べてブロンディは、今でこそレトロに見えるMVですが、決してレトロを狙ったものではなく当時のままで撮影されているだけで、バンドそのもののキャラクター(デボラ中心の印象付け)と楽曲そのもの前面に出したアプローチゆえに「Heart Of Glass」以降もヒットを飛ばしています。

ただし、「Heart Of Glass」以降にヒットしたブロンディの楽曲は素晴らしいのですが、MVについては「うーん...」という感じです。
参考までにブロンディの名曲2つのMVも貼っておくので、楽曲メインで聴きながら、MVの映像もチラ見してみてください。
まず最初の名曲は、1981年リリースの「Rapture」です。

印象的なメロディラインに加えて、洗練されているとはいいがたいもののこの時代に果敢にチャレンジしたラップが印象的な、私の大好きな楽曲です。(大好きではあるものの、もうちょっとラップが短くても良かったのでは?と思ってはいます...)

そして、もう1つの名曲は、同じく1981年リリースの「Call me」。

この「Call me」は、「アメリカン・ジゴロ」という映画の主題歌として制作されたのですが、なんとジョルジオ・モロダー御大が作曲とプロデュースをされており、デボラ・ハリーが詩を書くという考えられないタッグで生み出された奇跡の楽曲となっています。
しかし、このMVは2分15秒とショートバージョンになっていて、オリジナルの楽曲(いわゆる「Radio Edit」)は3分32秒あるので、可能であればオリジナルバージョンを聴いてみていただきたいところです。(Spotifyでも配信されています)
ちなみに、ジョルジオ・モロダー御大については、以前連載で取り上げたことがあるので、ご興味ある方はそちらもぜひご覧ください。(以前の連載はコチラ⇒「ジョルジオモロダー御大の登場だ!」

ブロンディだけたくさんMVを紹介するのもなんですから、おまけで1つ、カーディガンズのMVを紹介して締めましょう。
1986年リリースのヒット曲、カーディガンスの「Lovefool」です。

イイ楽曲ですね!
「Carnival」もイイですが、この「Lovefool」もお気に入りです。
というか、カーディガンズでリピートして聴くのはこの2曲ぐらいというのが正直なところで、MVとしては「Carnival」オンリーです...
しかし、この2曲を聴くだけでも私の中では偉大なバンドのひとつとしてカーディガンズが存在しています。
ぜひ引き続き活動してもらい、ブロンディを超えるご長寿バンドになっていただければと思います。(結構ハードル高そうですが...)

今回お送りしたレトロMVはいかがでしたでしょうか。
ブレンディのリアルなレトロMVと、カーディガンズの狙って造ったレトロMV、両方ともオススメMVですので、ぜひご覧ください。

ではまた次回に。

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