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本探しを通じて電書を知る


電子書籍なんて知らなかった!という話では断じて無い。無いのだが、出版社相手には「知らなかった?」と言いたくなる事態が多々ある。

例えば、自分が探している本があるとする。自分が真っ先にするのはKindleにあるかどうかを検索することだ。
すると、大抵の場合は電子書籍化していて、それを購入する。
こうすると、電源が続く限りはスマホで読める。デカい本、例えば図鑑なんかでも、アカウントを共有させているタブレットなどで閲覧出来るので、実は大きさ問題もクリアしている。
読んでいて擦り切れることもないし、保管場所も全く取らない。本探しも検索一発だ。ヘビーユーザーだからこそ電子書籍はメチャクチャありがたい。

誰かの4コマ漫画にあったが、三つ編みおさげにメガネという「読書の似合う女の子コンテスト」というマニアックなコンテストに優勝した女の子が、賞金で電子書籍用のタブレットを買うと宣言して「これ便利さで戻って来なくなるヤツだ!」と審査員たちが大慌てする、というオチが付いてるものを昔読んだ。(ポン氏の「ノヒマンガ」だったか)
まさにそういう時代になっているわけでして。

そんな時代に、未だ電子書籍化してない出版社とかありゅ?と煽りたくもなるのだが、まあ色々事情があってのことだろう。
だからこそ、紙を仕方なく求めることもある。だが、こういうやり方をされると、書店は全くもって使えなくなる。

つい先日の事。とある人気シリーズの本(未電書化)を探していたのだが、これが県内の大型書店を次々回ってみたのだが、見つからない。
代わりになる本など無いからその本を探していたわけだが、これが一切置いていない。
取り寄せをするのも億劫(すぐ読みたい)だし、それならそもそもAmazonを使えば家に定価で届くのだから、わざわざ書店に二度も足を運ぶ理由はなくなる。というか、書店に来てる時点でそれなりに遠出しているのに、大型書店は取り寄せになる時点でAmazonに負けているのだ。

それなりに売れているシリーズでこのザマなのだから、当たり前だが「売れている本だけ置く」はどん底へと続く道だ。
売れている本の管理すら怪しくなるような立ち読み歓迎、書架積みの店などは、それだけで一人負けだ。世の中には手垢の一切付いていない本を探している奴もいるのだから。
売り場をデポにしている以上、避けられない問題なのは理解しているが、それでも付き纏う話だ。

というか、そういう本ばかりになります宣言は、つまり同じ本がツラ揃えて「あります!」と言うだけで、他の本の存在を期待出来なくなるため、本好きが離れるやり方だ。
それこそ「もう宅配してくれるサービス使うよ」となる。
ネット検索して、その本があるかどうかを探すというのは、つまり「欲しい本が普通の書店にない」「探すより読みたい」の気持ちからくる行動そのものなのだ。
売れる本だけ揃えます!はその気持ちに真っ向反対と宣言したようなモンなのだ。

だからこそ電書が大正義、にも通じる話である。紙媒体がマニアの収集物になりつつある現代、実態のある本離れは加速するんだろうなぁ、と思う。

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