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23年目のサイレンススズカ

ウマ娘にハマってる。

いや、ハマってるとは言えないか。無課金でちょこっと。

でもまあ友達の娘さん(専門学校生)にウマ娘をやってることを話すとすぐに携帯を取り上げられ『こんなサポカじゃだめ!リセマラしてやりなおし!』とダメ出しを喰らい、素直にリセマラしてやり直すぐらいにはハマってる。

話は23年前になる。

当時フツーの営業マンだったのでフツーに仕事してフツーにサボってた自分。阪神ファンでたまに甲子園に行くぐらい、そして毎朝スポーツ新聞を買うぐらいだった。

当時のスポーツ紙(たいていサンスポを買ってた。エロ記事豊富だったからね♪)って野球か競馬かエロ記事でほぼ埋め尽くされていて暇つぶしに読んでいるといつの間にか競馬のことが詳しくなっていたもんで。

そんな頃、逃げ馬でヤケに強い馬が出てきたとサンスポの記事に出てきたのを覚えてる。


逃げ馬が好きだった。

だってさ、初めっから速く走ればええやん!とか思うじゃん。IQカナブン並だから。ここは競馬なんて全く知らないド素人だから許してほしい。

その逃げ馬の名前、サイレンススズカだけは覚えた。


その日は日曜日で確か休日出勤してた。

営業先に行くため武庫川沿いを営業車で走っていると大きな白い屋根が見えてきた。

そっか、ここが仁川の阪神競馬場か。ヤケに人がいるし。

あ、そっか今日は競馬あるんだ。いつも通りに営業車にあったサンスポを見ると宝塚記念があるという。

競馬なんてやったことないけどなぜか買いたくなり、同乗してた後輩に買いに行ってもらった。もちろん逃げ馬のサイレンススズカの単勝。

これが生涯初めて、そしておそらく最後に買った馬券だった。

ちょうどレースの時間は仕事の約束だったので見れなかったが帰ってスポーツニュースで見ると気持ちよく走るスズカがそこにいた。

うわあすげえなー。気持ちよさそうに走っとるやん。キレイな色(明るい栗毛色)やなあ。

勝ったことよりそんな感想しか思い浮かばなかった記憶がある。

それから阪神よりスズカをサンスポでチェックするようになった。

競馬にハマったわけじゃない。スズカにハマったんだ。まあ馬券は買わなかったけど。


毎日王冠に勝った後は天皇賞だった。例によって馬券は買わなかったし、確かその日も仕事で競馬中継もリアタイ視聴してなかった。

夜、スポーツニュースを見て本当に本当に腰が抜けた。

レース中に骨折してスズカが死んだという。


それからは別にスズカが死んだからってわけじゃなく、競馬も見なくなりサンスポも買わなくなり移住もして野球熱も冷めた。


話は現在に戻る

ウマ娘をやり始めたのは単にみんなやってたからだ。

ツイッターで相互フォローの方たちが話してるのを見るとなんだか知ってる名前、スペシャルウイークやトウカイテイオーが飛び交い、自分にも理解できそうなだったからね。

いざ始めてみるとまず最初にどんなウマ娘でも貰い受けるチケットが一枚だけもらえた。

誰にしようか迷っているとその中にサイレンススズカがいた。


ゲームとはいえ再会した気分だった。

躊躇なくスズカを貰い受け、とりあえずゲームを進めていくとなんだかタイムスリップした気分になってきた。

ゲームの中のスズカも新しいトレーナー(自分やね)で逃げ馬に方針転換(これホントは武豊が進言したんだってね)、新馬戦で圧勝、宝塚記念で勝ち、毎日王冠も1位、次は天皇賞・秋となったところで変な気分、正確に言うと進めたくない気分、はっきり言うと天皇賞に出て欲しくない気分になってきた。そう、未来を見てきたタイムトラベラーの気分だった。

出たら死ぬぞ、って。

それでもゲームは天皇賞に出ないと前に進めない。回避不可。

運命だと思い、出走ボタンを押す。

ファンファーレが鳴りゲートにウマ娘たちが入る。


スズカは23年前の1枠と違い今度は4枠スタート。4番人気。

そしてゲートオープン。ガッチャン!


いつも通りスズカは先頭に立つ。

かかることもなく順調に走る。気持ちよく走る。

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3コーナー、そしてあの4コーナーへと進む。

頼む、頼む、頼む!

もうこの辺りから涙でスマホ画面がまともに見れなくなってきた。

大ケヤキを抜け4コーナーを走る、走り抜ける、走ってる!

先頭で直線に入った頃にはもう泣きすぎて画面が見えなかった。

そんな時にスズカ固有のスキル『先頭の景色は譲らない!』のエフェクト、太陽に向かって走るスズカが出る。号泣。

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実況だけが耳に入る。『スズカ1着でゴーーーーール。』


勝手に自分が23年前にタイムスリップしてまた戻ってきただけのような気もするけど、とりあえず勝ったウマ娘のスズカが楽しそうに踊っているのを見るとこっちまでほっこりした。

まずはサイゲームスさんにお礼を言いたいです。

ありがとうございます。

リベンジなんていう禍々しい言葉を使いたくありません。ただゲームの中だけでも勝たせてくれてうれしいです。

本当に。

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