見出し画像

大学教員が教え子に手を出してはならない理由

本日(3/8)が国際女性デーですね。

そんな矢先、早稲田大学の助教が強制わいせつで逮捕・・・というニュースが。

さらに、昨日は上智大の教授が学生と「不適切な関係」で懲戒解雇になり・・・という報道がありました。

大学教員になって、もうすぐ1年になりますが、ぶじ何事もなく過ぎました。

私が勤務する大学は、女性率が6~7割ですが、たまに「女子大生と仲良くなれてうらやましいですねぇ」なんて、言われます。

本気で言ってるのかどうかわかりませんが、端から見るほど良いことはない……。いや、良いことなんて何一つないと言っても良いでしょう。

会社であれば、セクハラ事件を起こした場合、降格とか減給だと思いますが、大学であれば、おそらく一発で懲戒解雇になると思います。
そうなった場合、別の大学で雇ってもらえるかというと、それもないでしょう。人生を棒に振ってしまうわけです。

セクハラ事件を起こさなくても、女子学生に誤解を与えるような行動を取ったりして、変な噂が流れたら、大変です。
女子学生に限らずですが、一度、学生から嫌われてしまったら、いかに良い授業やゼミをやろうが、受講者は私のことを評価してくれなくなるでしょう。

真面目な学生はつい贔屓にしてしまいたくなりますが、それも本人、あるいは他の学生に誤解を与えてしまう可能性もあります。

「あの先生キモい!」とか言われると困りものなので、露出度の高い格好している学生がいても、視線をできるだけ逸らすようにしたり・・・

と、色々と気を遣うんですよねぇ。

で、上のニュースに戻りますが、セクハラや強制わいせつは論外です。
上智大の林教授の場合は不倫だった(しかも彼の奥さんから元学生の女性は訴えられている)だけでなく、相手の女性はセクハラ行為だったと主張しているので、やはり言い逃れようはないかと思います(双方の主張がどうかということは置いても)。

一方で、「未成年じゃないし、合意のもとに恋愛関係になるなら許容されるんじゃない?」という意見もあったりはします。

でも、私はこれもダメ(完全アウト)だと思っています。

たとえ、教員側が独身で、たとえ相手(学生)からアプローチがあったとしても(そういうことは現実的にはほとんど考えられないと思いますが)です。

なんだかんだ言っても、教師と生徒というのは力関係が対等ではないですから、そうである以上「本当に合意だったのか?」というのは検証しづらいわけです。

あと、教員というのは不思議な職業です。
教員にとっての「お客様」は学生なわけですが、一般的な通念としては、学生よりも教員の方が立場は上ということになっているんですよねぇ。
私は教育はずっと国公立で受けて来ましたが、30年前は「学生はお客様」なんて考えている先生はいなかったと思います。

いまは、少子高齢化が進んでいて、しかも私立は、お上から補助金はもらっていても、学費による収入がないと経営は成り立たず、教員の給料も支払えませんからねぇ。

さらに言えば、学生本人だけでなく、その保護者も大学にとっては大切な「お客様」です。
教員になるまで、この辺のことはほとんど意識しなかったのですが、例え、学生がバイトをして、自立していたとしても、生活費も学費もすべて本人で賄っている例はほとんどないです。
成人していたとしても、本職を持って収入を得ているわけではなので、「準成年」くらいにみておいた方が良いです。

そんなわけで、教え子と合意のもとに関係を持ったとして、問題はそれを保護者に言えるのか? ということなんですね。

私自身、地方(しかもかなり田舎)出身なのですが、「女子が都会に進学して一人暮らしをする」というのは、一般的に見て、保護者にとっては心配でならないんですよね。
都会でなくても、実家以外の別の地方であれば当てはまるわけですが。

「娘を預けた大学で、そこの先生が・・・」みたいなことになると、保護者はどう思うか・・・という話です。

会社で部下に手を出したり、取引先で手を出したりするのとは、また事情が異なるところもあるんですよね。

いずれにしても、このご時世、どんな職業であれば、女性に対して不適切な行為は慎まないとダメですよ。

自戒の念も込めて、国際女性デーの本日書いてみた次第です。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?