こだわりルーティーンとの付き合い方

自閉症スペクトラムの特性があるJ君との日々で私が最も躓き、かつ都合よく利用(笑)するのが彼のこだわりルーティーン。J君は数回同じ状況で同じ行動を経験するとそれを毎回しないと気が済まなくなってしまうので、ある日突然新たなルーティーンが増えて「なんでこのタイミングでそのぐずり方…」とゲッソリすることは多い。あと10分以内に家を出発しないといけないのに家中の電気のスイッチを自分で消さないといけないモードに突入するとか、自分が思い浮かべているパンツを履かないとダメだとか、玄関の鍵を挿して閉めてドアが閉まっているか確認するまでを自分一人でやる(結局うまく出来なくて泣く)とか。そこで押し問答しても絶対にぜっっっったいに良い方向には向かないので、日常生活に戻るにはこだわりに付き合うのが1番の近道。休日などで時間に余裕がある時はあえて彼の思い通りにせず、なぜ出来ないのかを何度でも説明して『思い通りにいかないこともあるという経験』をしてもらうこともある。

最近は言葉が増えて理解力もついてきたからか、落ち着いて(これ大事。イライラしながら話すととてつもなく逆効果)繰り返し説明すれば我慢したり違うことへ気持ちを切り替えられることが増えてきた。とはいえ朝、出勤時間と保育園の送り時間に追われている時に、一度スルーして出発した玄関の鍵を、エレベーターに乗る直前に思い出して泣きながら「J君閉めるの!」と戻られると『だからやらなくて良いのかって鍵見せて聞いたでしょうが!!』とカーっとなってしまうこともある。難しいなと思うのは他のことに気を取られたりしてルーティーンをせずに通過することを何回か経験すると、そのこだわり自体が(やらなくても自分は大丈夫なんだと学習できて)なくなることもあるため、忘れている時にあえて思い出させるべきかどうかという点。思い出させれば当然やりたいことなのでやるし、生活はスムーズになるがルーティーンがどんどん固定化されてしまうようでそれはそれで心配になる。

介護士だからかこのタイミングでここにこれを用意しておくと自分でできるなーとか彼の視界にこれが見えないように準備した方が気が散らないなーとかこの声がけは直前に言わないとダメだったなーと試行錯誤したり、それを毎日のスケジュールに組み込むことは割と得意なので彼のルーティーンに助けられている部分も結構ある。そしていつも居ないのに休みの日の気が向いた時だけ突然手伝い始める夫によってルーティーンが崩れ、息子と母ともどもイラつくことも結構ある笑 J君のルーティーンに付き合う回数と時間数が圧倒的に違うので仕方ないし、やろうとしている気持ちだけには感謝しよう…と割り切っている。

日ごと様子がどんどん変わっていくが、これからもJ君のこだわりルーティーンに悩みながら彼と成長していくしか付き合い方はないのだろうなと思っている。


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