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名残惜しさって人それぞれねって話

2月にしては過ごしやすいほど暖かい日に、4泊分の荷物をキャリーに詰めてバス停へと向かう。退院する日には冷え込むようで、ダウンを羽織ってとことこ歩く私を薄着でランニングする方が軽やかに追い抜いていく。

入院するのは出産のとき以来でましてや手術となると人生初めてのことなので、荷物をどれくらい持っていけばいいのか分からず、足らずはレンタルしようと思い前日に準備するあたり、私らしいな〜と思いながらキャリーをコロコロ引くとバス停が見えてくる。

半年に1回くらいの頻度で夜中に背中の右側に攣ったような痛みが走り、そのうち鳩尾が痛くなる。じっと2時間ほど耐えていると痛みが和らぐので半ば気絶するように寝て起きる。起きると不思議と何ともないので、気に留めていなかったが、いろいろあってから主人に促されてエコー検査を受けることにした。

検査の結果、胆石が見つかったので「胆石症」と診断された。
ガイドラインに従って手術となるので今こうして入院中のベッドからnoteを書いている。

とっても前置きが長くなってしまったのだが、5日間も入院で不在にするので家族にしばしの別れをと思いみんなでぎゅっとハグをして、玄関でばいばーいと手を振る。

私が名残惜しそうにのろのろと靴を履いて準備をしながら手を降っていると、見送りに来ていた長女が「ぱうぱとみたいー!」と夫を誘ってリビングへ早々に戻ってしまった。次女だけは玄関で手を振る私に「ばーばーい」と手を振り返してくれる。なんと可愛らしい。ますます離れがたくなる私。

それでもバスの出発時刻も入院時刻も迫ってくるので、夫に少し急かされて玄関の扉を出る。振り返って最後にもう一度バイバイと次女に手を振ると「ばーばーい」と振ってくれる。かわいい。かわいい。最後まで手を振ってくれるのは君だけだ。次女よ。

と思いながら、玄関の扉を締めかけたその時。
任務完了!と言わんばかりにくるっと踵を返してリビングへ向かう小さな後ろ姿に思わず「おーい!」と呼びかけてしまった(笑)。

私の実家では姿が見えなくなるまで見送るのが常なので、少し寂しい気持ちにもなりながら5日間は一人の時間を満喫しようと思う。母を忘れずに5日間を過ごしておくれ。

「note」を書くための糖分に変わります。