カーテン閉めますか?
梅雨の晴れ間の夕暮れの空はいつまでも明るい。
カーテンを閉めるのがもったいなくて、
私一人のときは灯りをつけずに過ごす。
何かをするには薄暗いであろうリビングはそのままに、
スポットのライトだけでキッチンに立つ。
するりとリビングに入ってきた家人が、
迷いなくカーテンを閉め、すかさず電灯のスイッチを入れる。
あ…と漏れる声を、今さら言葉にすることはない。
幾度となく控えめに伝えてみた私の小さなこだわりは、
楽しみの種であってケンカの原因にはしたくない。
今日の空はおしまい。
こうして昼と夜が混ざる特別な揺らぎの時を、心地よく感じたのだから。
ただ、、、
もし、日常の些細な感覚を共に分かち合う人がそばにいたら、
何でもないシーンがどれほど嬉しく感じるのだろう。
感覚的なツボは伝えにくく、探りにくい。
テレビの音量、エアコンの強弱、好みのお笑い、
一つ一つはどうでもいいくらいの事なのに、
案外、折り合いをつけにくい。
だからこそ共有できた時はおおげさに心が弾む。
もちろん家族じゃなくても。。。。
きっと、私のほかにもカーテン開けっぱなしで
同じ空を眺めている人がいる、、、
そう思うと優しい気持ちになれた。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?