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不純な溜息

証拠不十分な期待と蠢き
おまじないのようにそこで呟く
すき?きらい?すき?
きらい
渦巻の中でめまいがするの
そしたらわたし
飛んでしまう
遥か 彼方 世界の端っこの場所に
蹲って自分を抱いて
かわいそうって なみだを流すの
自分が好きなんでしょう?
壊れそうなくらいに
自分がかわいそうだって
認めてみる事が
怖いんでしょう?
砂糖菓子のような
しつこく粘っこい
あなたの愛情は
べたべたで
気味が悪い
でも あまくて
手放すのは
もったいない
狂ってる
狂っていたいほど
傷付けて その蜜を
飲み続けるの
愛されても 蔑まれても
殺されても
喜んであげる
心変わりなんて
いつもしてるから
わかるの
それが 置いてきぼりされるのが
どんなに怖いかって事
強がって
不純なあいまいさで
わたしはいつも 傷つけてしまう
蜜のたくさん詰まった
純粋な心たちを
毒に侵された
還れない魂たちは
縋りついて 求めすぎて
死にきれない
自殺志願者になるだけ
かなしい かなしい
ものがたり
しってた?
自分の蜜で溺れる
かわいそうな林檎たちの物語
腐って アルデヒドの頭痛の海で
まるくなる
その毒をもった怪しい果実は
伝染病のように
人々の心に漬け込み
ひろがっていく
世界はかなしみと 痛みであふれてる
あまいあまい 特効薬が必要で
ひと時の酩酊と 夢が必要だ
あなたの中の毒をもって
わたしを ゆるしなさい
ねえ 言ったでしょう?
(あなたはわたしのこと)
きらい、って

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