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<実録>香害は公害

ここで一旦まとめを書き留めておきます。

2020年4月 私は化学物質過敏症と診断されました。
コロナの外出自粛期間中にガーデニングが日課になっていました。それまでさほど気にならなかった隣人の洗濯柔軟剤の香料に咳き込むようになり、1ヶ月が過ぎる頃には頭痛、めまい、吐き気、筋肉痛、視界に星がとぶなどの症状があらわれはじめました。
屋内も常に隣人の柔軟剤臭に暴露されていることに気づき、既存の家具や化粧品にまで同様の症状があらわれはじめたので、すべて廃棄しました。
コロナ感染を疑いましたが、買い物にでかけるなどその場を離れると症状は嘘のように楽になりました。

〝治療法はないので合成香料から離れること〟それが医師の診断です。

何よりも辛かったのは、診断書を見せても誰にも理解されなかったことです。
身内も〝気にしすぎ敏感すぎ〟と言い、管理会社からは〝何もできないしそんな病気はないと思っている〟
隣人からは〝気に入っている香りなので使用をやめたくない。そんな体質でなぜ引っ越してきたのか〟と嫌がらせを受けるようになりました。
柔軟剤や整髪料の臭いで激しく咳込むため周囲からはコロナ感染を疑われ、仕事の打ち合わせに向かう途中の電車内では失神し、結局それまでの仕事は出来なくなり、歩行もできなくなり、文字通り寝たきり状態でした。

なんとか事態を好転させようと、自費で家屋の通気口すべてに空気流量制御弁を取り付けるなどの施工をし、
これまでに弁護士3名、弁護士の助言により警察にも被害届を出しにいこうとしました。

化学物質過敏症の怖いところは、
・普通に売られている生活用品で、ある日突然発症すること。
・香料成分の公表が義務付けられていないため原因物質と身体反応の因果関係(機序)が判明せず治療法がないこと。即ち、治らないこと。
・上記の理由で、被害届受理も認められないこと。

隣人がライオンのアロマジュエルの使用を控えてくれたのは管理会社に診断書を提出してから1年後、警察の訪問がきっかけでした。
その日、警察の方が電話をくれました。警察署に出向いた時の症状が深刻であったことと、その後の経過確認をせねばならないフローがあるとのことでした。

咳込んで会話もままならない状態を深刻に受け止め、刑事課長さんがわざわざ自宅訪問してくれました。その足で隣人宅にも訪問してくれました。
「相手に健康被害があると知りながらその行為を行うことは傷害罪にあたる可能性もある」と注意してくださいました。

使用をお控えくださることで収束するかと思いきや、香り長続きカプセルの凄まじい威力を知ることになります。それから1年近く経過しても、隣人宅が窓を開け放つと変わらずに臭いが立ち込めます。
しかし、柔軟剤の使用をやめてくださいと言える環境はここにしかありません。

医師曰く、私のようにコロナ禍で発症した人は多数確認されており、現在全国で推定700万人、10人に1人。学校に行けなくなった子供、仕事に行けなくなった人、日常生活もままならず追い詰められる自殺者も増えています。
過敏症になった人にとっては、柔軟剤臭は毒ガスと同じです。防毒マスクでも完全には防げません。

10年前くらいからの香りブームで、いまや日本は『風の谷のナウシカ』でいうところの〝腐海〟と化しています。
人間の嗅覚は約3秒で順化して(慣れて)しまいます。早く規制をしなければ化学物質過敏症は花粉症のように一般化し、人が健康的な生活を送れなくなります。日本の春の香りも、いつのまにか柔軟剤の臭いになってしまいました。お気付きでしょうか。

メーカー企業は被害の実態を知りながら製造販売を続けており、毎日のように華やかなCMを流しています。
〝感じ方には個人差があり化学物質過敏症のような症状が出る人がいることも承知していますが、健康に配慮した国に定められた成分しか使用していません。周囲に配慮し使用料を守るよう注意喚起しています〟
メーカーの主張はいつまで経っても変わりません。

企業が自粛できないとあらば、やはり国が動かねば変わりません。定期的に厚労省 医療生活衛生局 家庭用品担当者に規制への進展を確認するも、機序の研究結果を待つのみとの回答です。

昨日、その研究者のお一人の医師と話す機会を得ました。
文科省から年に1度(3年サイクル)の研究費しか出ないため研究も遅々として進まない。1対1の原因と結果が判明しないければ規制には及ばないため、既に予定されている〝EUでの規制〟という外圧を待つしかないでしょうとの見解でした。

東京大学の研究で、しじみの中から柔軟剤の香りカプセル(マイクロプラスチック)が検出されました。
2021年4月9日、地方創生・消費者問題特別委員会にて、環境省が柔軟剤の香り長続きマイクロカプセルが大気と水域に及ぼす影響について来年より調査を開始すると明言しています。

一旦、これを目処にしようと思います。
以上、何かのご参考にしていただければ幸いと記します。
誰でも発症する可能性があります。
ご自身や家族が被害を受けるかもしれません。
社会全体の理解が必要だと考えています。

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