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猫が爪を研ぐように。

きのうは特別な日だった。

ずっと変わらないものと、初めての新しい景色を観て、感じたことのない気持ちになった。

すごく楽しみにしてたし、この日があることで安心もしていた。

どんどんと過ぎてく日々で、来月が来ることがこわいから、まだあれがあるしってちょっとホッとする材料にしてた。

いつものように、このあとどうする?ちょっとだけお茶する?帰る?って相談を立ち止まってしてたときに、友達が「帰ったら終わっちゃう」って言った。

そっか。わたしたちがいつもこうして、どうする?どうする?っていつまでも繰り返してるのは、それだったのか。明日は仕事だし早く帰ったほうがいいに決まってるけど、きょうを終えたくないから。

全員が同じ気持ちだったので、みんなでエクセルシオールに入って、あと30分で閉店ですって言われながら、別に飲みたくもないコーヒーを飲んだ。

30分なんてあっという間で、追い立てられながら店を出て、それぞれの帰り道に別れる。すごくさみしいけど、よく考えたらまた金曜日に会えるんだよねって、電車の中でひとりちょっとおもしろくなったり。

駅についたら、すごく寒かったけど、ゆっくりゆっくり歩いた。

家に帰っても、ぐずぐずだらだらしてたから、ベッドにいた時間は3時間くらいで、夢とほんとをゆらゆら行き来してるだけの睡眠。帰り道にいっぱいつぶやいていたせいで、何度も通知音が鳴って、そのたびに目を開ける。そんな幸せな時間が毎晩だったのはいつだったかな。ずっと前だったような、ずっと続いてるような。

こういう時は、朝起きるのもつらくない。

なにも考えずに支度をして、なにも音楽を聴かずに、駅まで歩く。

きのうの帰り道に見上げてた月が、まだ空にいる。

きのうときょうはつながってるの、ほんとだった。


だからきょうもがんばれるとか、そんなんじゃなくて、もっともっと手前の、吸って吐いてみたいなレベルの、わたしの必要。



おはようございます。

月曜日!

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