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でもやっぱりほんとは?なんて思ってしまうけど。

えーと、100万年くらい前の話ですけど、笑
20歳のときにつきあっていた彼氏が、よく、自分の好きな音楽を録音したカセットテープ(年齢がバレる!)を作ってくれてました。

わかってもらうの難しいかもですけど、60分とか45分とかあるんですよ。カセットテープって。60分テープなら、表と裏で30分ずつ。みたいな。レコードをかけて、録音ボタンおして、一曲ずつ止めて、レコード変えて、すごく手間かかる作業。いま思うと。

で、そこに作る人の個性出ると思うんだけど、片面の30分に入るだけの曲を入れて、ぴったりってわけにはなかなかいかない。その余った空白をそのままにするか、入れるつもりなかっためっちゃ短い曲を入れたりするか、曲と曲の間を長めにしたり計算してぴったりにするとか。

わたしの彼氏は、その余白に、入れたかった曲を平気で入れるタイプだった。なのでもちろん、途中までしか入らない。聴いてると曲がいきなり終わる。それも静かに止まるわけじゃないんだよ。再生ボタンが戻る、バチン!って音と共に、終わる。

えっ、!!ってなる毎回。笑

その、作ってくれたテープの何本めかの、曲名を書いたラベルの最後に、「窓の外は雪/RCサクセション」ってあった。

わたしは、ずっと清志郎が好きだったけど、その歌は知らなかった。シングルのB面だか廃盤のアルバムだかの曲で貴重な曲らしい。

ワクワクして聴いてみたら、なんと、ほんのさわりだけ、♫あーあとうとうーはだかにされちゃったーなんてーー♫ しか聴けず、バチン!と終わる。えーーがっかり。

その後、ちゃんと入れ直してくれるという約束もままならず、彼氏とは別れてしまって、もうすっかりその曲のことを忘れていた。


そして、何十年もの時を経て、つい最近。

RCサクセションのコンプリートシングルコレクションが出たんです。それに、「窓の外は雪」が入ってて。

今の時代、いくらでも聴ける方法はあったと思うけど、チャンスもなく忘れていたこの歌を、わたしは初めて最後まで聴いた。

そしたらね。前記事のタイトルにもした、清志郎の日本語の歌詞のイマジンのフレーズ、「僕らは薄着で笑っちゃうーー」があるんですよ。

これはもともとこの歌の一部だったのか!っていう衝撃。

清志郎のイマジンって、原発問題を取り上げてたために東芝EMIから出せずに発売禁止になったことで有名な、COVERS というアルバムに入ってる曲なので、わたしはこの歌詞の「薄着で笑っちゃう」は、薄着で暮らせるくらい安全な世界になってくれ、みたいな意味だと理解してた。
Love me tenderの替え歌(と清志郎は言ってた笑)♫なにやってんだーふざけんじゃねー牛乳が飲みてー♫ って歌ってるくらいだから。

でも、「窓の外は雪」のなかのこの言葉は、雪なのに薄着で笑っちゃうって言うかわいい意味。


「十年ゴム消し」っていう、清志郎の若い頃の日記を本にしたのがあるんですけど、わたしが大好きでなにかと思い出すのが、彼女が家に洗濯機が届いて嬉しくて帰ってしまった日の日記。
「そんなに洗濯機が好きなら洗濯機といっしょに寝ればいいさ。洗濯機にプリンを作ってあげなさい。」
かわいすぎる。

そんなこと思い出したり、外は雪なのに僕たちはこんなに薄着だぜって笑ってるの想像したり、そんな時代はよかったなって思ってる清志郎の顔を想像したり、みんな薄着で外で遊べる安全な世界を思ったり。

世界平和とかって、大げさなことじゃなくて、好きな人と笑い合うことだよね。なんて、思っていたら。

なんと、このフレーズ、ただコードが似ているという理由で、入れてみただけらしい。えっ?


さすがです。わたしの好きな清志郎。奇想天外だな。だって、ぬらりひょん役で映画出ちゃったりするし、いつだってびっくりさせてくれる。

やっぱり大好きです。アイシテマス。

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