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お値段のこと。

雨上がり屋という名前のお店をしてます。

主に布小物を作って、ウェブサイトやレンタルボックスやイベントで販売をしてます。


こないだ、商品を置かせてもらっているエステサロンに、新作のマスクケースを並べていたら、スタッフの方が、「あらこれ500円?安いわね!こないだデパートでこういうの買おうとしたら2000円もしたからやめたのよ。」と言って、わたしの作ったマスクケースを買ってくださいました。

もちろん嬉しかったです。気に入っていただけて、お金を払って買ってくださるなんて、感謝しかない!ありがとうございます!って言いました。

だけど、ちょっと気になってしまった。

安いから買うっていうところが。

デパートで売ってるみたいなものを、手作りしたら安上がりだから、作ってるわけではなくて、どこにも売ってない素敵なものを作りたくて作っているつもりだから。


わたしの夫は、わたしのこのハンドメイド活動に全く興味がなくて(それは全然かまわないんだけど)、でもたまに、「それ作ったの?売ってるのみたいだね!」って褒めてくれる。

売ってるのみたいにきれいにできてるね!って意味なのはわかってるけど、いや、売ってないのみたいのが作りたいんだよって言いたくなる。言わないけど。笑


値段設定は、ほんとに難しい。

値段を決めるとき、まず材料費を計算するんだけど、それがもう難しい。

もともと布が好きで、持ち帰りたくて買ってしまう布たちを、形にして使ってあげたくて、作り始めたことなので、布は手元にたくさんあるし、今でもついつい買ってしまう。その布を買うことは、「買う」という行為で完結しているわたしの趣味なので、その布を使って作る材料費は、よくわからない。

誰かに頼まれて、こんな布でこんなの作って!って、場合も、とても難しい。
それを作るのに必要な分ぴったり買えるわけじゃなくて、多めに買うじゃないですか。その布の代金て、必要な分だけのなのか、買ったの全部なのか。だって、余った布でなにか作るかもしれないし、作らないかもしれない。笑

そしてなにより、プラスアルファをどのくらいいただくのか。が、いちばんわからない。

手間とか時間とか。

手間も時間も、わたしの裁量ですからね。まごまごしちゃったりとか、案外ササっとできたとか。



レンタルボックスに初めて作品を置かせてもらったときに、すごく困惑しました。

他の棚のみなさんが、すごく手が込んでる作品をすごく安く売ってらっしゃるから!!

わたしはシンプルなポーチに、800円の値札をつけているのに、刺繍やリボンを施した素敵なポーチが隣の棚で600円で売っている。

お店の方に、「みんな安すぎじゃないですか?」って聞いたら、「そうなんだよね。売れないからってみんなどんどん下げちゃって、デフレなんだよね」って。「みんな趣味だから、元取れなくていいみたい」って。

わたしはせめて、レンタルボックス代は欲しいかなー。だって、趣味だって、ずっと続けたいですからね。


プロのハンドメイド作家さんが、どこかで言ってたんだけど、趣味で手作りしてる方たちは、作品に自信がないからって安く売りすぎている。それがハンドメイド作品の相場を下げてしまって、全体の価値を下げている。みたいなことを。


欲しいなって思ったら、値段じゃないですもんね。

野菜とかと違って、お得感はいらないですからね。自分でみつけた自分しか持ってないもの。それが、ハンドメイド作品の価値。


顔も知らない誰かでも、大好きなひとに作るときみたいな気持ちで作ることを、大事にしてます。

時間かかるし、たくさん作れないですけど、そこは譲れないポリシーです。

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