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モナリザも最終日には声に出して笑う。

すごく大切な歌がある。

どれくらい大切かって言ったら、その歌があるっていう嬉しさだけで、あと100年は笑顔でいられるくらい。

その歌にまつわるエピソードは数えきれなくて、全部素敵なんだけど、でもわたしは誰にも言わない。

誰かの嬉しいエピソードなんて、そんなにおもしろくないだろうし、どんなに細かく丁寧に説明したって、絶対100%は伝わらないから。


江國香織ちゃんの「彼女たちの場合は」っていう小説で、従姉妹とふたりで旅をした礼那ちゃんのセリフが、まさにそれだったので、読んだ瞬間に本をぎゅっと抱きしめました。

たとえばこの朝がどんなにすばらしいかってことはさ、いまここにいない誰かにあとから話しても、絶対わかってもらえないと思わない?  誰かに話しても話さなくても関係なくて、なにもかも自動的に二人だけの秘密になっちゃうんだよ?すごくない?
彼女たちの場合は/江國香織


ふたりで見たものは、誰にもじゃまできない、ふたりだけのもの。

それはふたりに限らず、何百人でもそうだし、ひとりきりでも同じ。

だから、わたしのエピソードは、わたしだけの秘密なのだ。





モナリザも最終日には声に出して笑う。

この言葉が大好き。
わたしの最終日も、にこにこじゃなくて、ケラケラ笑いたい。「あーおもしろかった!」って、最後に言うのが目標なこと、おんなじなのかな。


ガリレオも最終日には、そばにあった瞬きを。

何億光年も離れた光のことをずっと考えていたけど、最終日には手が届くくらい近くにえる光がいちばん美しいって気づく。きみもわたしも。


最終日まで、わたしのアイラブユーは終わらない。そんな口約束も誓いって呼ぶらしいよ。





そんな大好きで大事な歌が、大好きなバンドの歌になって、サブスクで聴けるようになって、素敵なMVもできました。



これでもう、この歌は、なくさない宝物になった。
こんな音楽と一緒に生きれてるわたしの世界は、紛れもなくアイラブユーの世界なんだよ。





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