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きみがなにものでも関係なくて、きみはわたしのもの。

とても小さかった頃、家の玄関の前の地面をシャベルで掘るのが好きでした。いつもひとりでしゃがみ込んで、黙々と掘り返していた。

母が言ってたことなので、ほんとかどうかわからないけど、わたしの家があったあたりは、ゴミ捨て場の土を盛ってできた埋め立ての土地だったらしい。だからなのか、地面の中からお茶碗のかけらや瓶の破片がたくさん出てきた。

きれいな模様や色のかけらを掘り出して、洗って、石の上に並べるっていう遊び。シーグラスみたいなこと?ちょっと違うかな?

で、そんな時に見つけたのが、ヘッダーの写真の犬。(たぶん犬)。全長2cmくらいのちっちゃい、犬。

わたしはこれをとてもとても大事にしていて、いつもいつも握ってました。

母と買い物行ったときに、お肉屋さんのショーケースの下に、この犬を落としてしまって、店員さん総動員で探してもらったこともあった。母がこの事件を、すごく申し訳なくて恥ずかしかったと何度も話していたので、覚えてる。
なんで恥ずかしかったかというと、いぬを落とした!!って大騒ぎして、出てきたのがこんなに小さな犬だったから。


🐕🐕


よく見るとお腹に、文字が書いてある。カタカナで「コリク」って。なのでわたしは、この犬のことを「コリちゃん」と呼んでました。

こんなに小さいくせに、コリちゃんは大掃除やら引っ越しやらにも耐えて、今もちゃんとわたしの手元にいる。

わりと最近になって急に、あれはもしや、右から読むのでは?「コリク」ではなくて、「クリコ」なのでは?いや、もしかして、「グリコ」なのでは??と気づいたんです。

え!めっちゃ古い、グリコのおまけなのでは??!!

もしかしてすごいお宝なのでは??!!

で、いろいろ調べました。グリコのおまけ図鑑的なものとか。

コリちゃんと全く同じものはなかったけど、似たような陶器の動物はあった。

たぶんこれはそれだ。おまけだ。

なんちゃら鑑定団に出るか??

いくらになるのか??


と、

そこまですっごく盛り上がりましたが、いくらなら売る?って考えたら、なんか、100万円でも売りたくないなあーって思ったんです。

もう半世紀くらいわたしと一緒にいるこの犬を、今さら手放したくないなあーって。

とはいえ、もしも、それよりケタが上なら売るかもだけど。笑


そんなわけで、この犬はわたしの部屋の特等席に、ちょこんといるのでありました。

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