見出し画像

僕たちはあの日、見えない花火の音をずっと聞いていた②

あんたたち付き合ってんの?

側からみたらそう言われるような甘い甘いやりとりを毎日重ね

ついには女子側からアポ打診がくるという展開

しかもしかも初デートが花火大会というトリッキーな設定

結果を残すことができたのか


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

アポ当日

愛知県にある岡崎駅という駅で待ち合わせ

18時
改札前で彼女を探す

あ、、

プロフィール画像とほぼ一致
やった

画像1



そして浴衣

そうだ、、花火大会といえば浴衣

わざわざ時間をかけて着てきてくれたんだ

ぐっと体温が上がるのを感じた
緊張している自分

無駄な力が入ってしまう自分を諫めた

過度な意識をするとよくない
何度もそれで負けて学習してきている

小さく深呼吸を一つ

よしいこう

ボケ全開

すけ「こんにちは、お姉さん ちょっとお茶しませんか?」

**

みなみ「え?、、、あ」**


こちらを見て気付く

**

みなみ「すけさんですよね? ナンパかと思いました」**


すけ「よかったら花火大会一緒にまわりませんか?笑」


みなみ「喜んで笑」


歩き出す二人


これからこんな綺麗な浴衣女子とデートするんだなぁ
改めてマッチングアプリというツールの普及に心より感謝申し上げる

**

すけ「浴衣めっちゃいいね」**


まずは思ったことを告げる


みなみ「ほんと?ありがとう」


すけ「イイ女の隣歩いてると鼻高いです」


みなみ「そんなに褒めても何も出ません」


ああ、可愛いし楽しい

ふと彼女の持ち物に違和感を感じた
浴衣に合わせた巾着ともう一つ小さな紙袋を持っていた

中がチラッと見える瞬間があって
見てみるとラッピングされた透明なビニールの包みのようだった

ピンとくることがあった

電話での会話で
お菓子作りの話になった際、手作りのお菓子を食べたい、食べさせたいといった話をしたことを思い出した

きっとクッキーか焼き菓子か何かを作って持ってきてくれたのだ

別れ際にでも渡してくれるのだと思った

なんてイイ子
自分のためにお菓子を焼いて、浴衣を着て色々準備して、、

きっと今日を楽しみにしてくれていたのだろう

なんのお土産も用意せずTシャツとサンダルで来てしまった一時間前の自分を悔いた

それならば精一杯会話で楽しんでもらえるように全力でボケよう

**

すけ「お腹はどう?すいてる?」**


みなみ「ぺこぺこです」


すけ「屋台でなんか食べよ」


みなみ「いいですね 何食べますか?」


すけ「選択肢多すぎるよね?屋台って」


みなみ「お昼は何食べたんですか?」


すけ「焼きそばとたこ焼きとお好み焼き」


みなみ「なんで勝手に屋台メニューほぼコンプリートしてくるんですか?笑」



さて、花火の開始は18時30分

会場までの経路を確認するために地図アプリを開く

ん、、

あれ?

すけは自分の目を疑った

みなみ「どうしたんですか?すけさん」


続く

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?