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憎かった男子バレー日本代表の、パリ五輪自力出場決定を泣いて喜べるまでの話。

2023年10月7日。
日本男子バレーチームのパリ五輪出場が決まって、涙が出るほど嬉しい。心から喜んだ自分がいる。

でも、こんなにも気持ちがシフトチェンジ出来たのはこの1ヶ月くらいで。それまでは、この数年間、代表なんて負ければいいのに、パリなんて行けなければいいのにって思った事も、正直、一度や二度ではない。
とにかく、憎くて憎くて仕方なかったバレー男子日本代表。

何故か。それはただシンプルに、2021年の東京五輪のメンバーから、私が応援してる選手が外されたから。
だけじゃない。
その事実だけでなく大きくは、リスペクトの欠けらも無い言葉を、当時の首脳陣が会見で言い放ったから。

柳田将洋は、石川祐希と2人で日本の男子バレーを最前線で引っ張り、日本代表元キャプテンも務めた。
石川祐希と2人、男子バレーの顔となっていた選手。男子バレーの今に続く人気に火をつけた選手。
2015年、低迷していた男子バレーのW杯の会場はガラガラ。しかしテレビ放映が始まり彼らが話題になるとあっという間にその後の試合が満員になった。

柳田さんは、東京五輪を目指して全身全霊をかけ戦い、ずっと挑戦を続けていました。
2020年から本格的にパンデミックを起こした新型コロナウイルスの影響で、1年延期になった東京五輪。
そこが明暗で、彼は2020年まで主将を務めていましたが、五輪は2021年に延期となり、この年にキャプテンも交代。前々から扱いに嫌な予感はありました。

そして、現実に、東京五輪のメンバーには入っていませんでした。

彼は、日本の男子バレーを名実ともに牽引してきた選手で、あらゆる所で高い評価を受けています。

その彼の代わりに東京五輪のメンバーに入ったのは、日本代表の国際経験も無い大学生2人でした。

柳田選手はその年、所属しているクラブチームのリーグでベスト6に選ばれたり、様々な大会やリーグの優勝にも貢献しています。

そんな選手が、当時の会見で、記者からの何故柳田が選ばれていないのかという質問に、彼は全盛期を過ぎていると公の場で当時の日本代表監督中垣一氏が酷評。
突然「全盛期を過ぎた」と、第一線で活躍する現役のプレイヤーを全否定する、侮辱のような言葉を投げられたのです。

そんな仕打ちを受けて、そっかー!了解!残念!大学生くんたちも日本代表の皆も頑張ってね!応援してる!なんて聞き分けのいい事、出来るわけありません。出来るわけないです。出来るわけない。納得ができない。

何故、そんな事を言われなければならないのか。追い打ちをかけて、救われない言葉を公の場で放たれなければならないのか。
あまりにも、これまでの男子バレーを牽引し、主将にまで任命した選手に、リスペクトが無いとは思いませんか?

ここまで、ここのために、柳田さんがどれほどの気持ちで戦ってきたのかを考えると、悔しい。納得できない。

正直、彼が見るからにプレーの質が落ちていれば、私は黙って言葉を飲めたところもあったと思います。

ですが存在感もあり国内での成績のみならず、前年優勝したクラブチームが出場出来るアジアの大会では、個人賞も受賞。選手の間でも、評価される。

どうしても、この東京五輪で外された上に会見で酷評されるプレイヤーとは思えませんでした。だからどうしても。

彼はバレー界トップのファン数を抱えており、彼を評価する関係者も当然多く、母数が多いので不満の声も大きい。
彼を擁護する言い方も母数が多いのでファンの中で種類があります。
すると、何で何でと大きな声を良く思わない他のファンが、選ばれた選手に失礼だとか、実力だろとか、火に油で最悪の気分のネット大乱闘状態。

お前ら、自分の応援してる選手が同じように日本バレーの顔になるくらい貢献してきて、同じように全盛期過ぎたからーとか侮辱されて五輪外されて、そこに凌ぎを削ったわけでもない大学生連れてこられて、そーですね!仕方ないですね!なんて言えるか!?
言えないだろ!!自分たちの応援してる選手にプライドがあるから、自分が気に入らないからそうやって彼のファンを叩くような人達が、自分の応援してる選手が同じ状況になった時、聞き分けよく理解して何で?とも言わずに受け入れられるわけあるか!とヒートアップ。
監督の侮辱言葉を盾に得意げになる他の代表ファン。
まあ、母数が多いので同じファンの擁護の中に私も共感できない行き過ぎた擁護もあり、他ファンがイラつくのも分かるけど。
けど、だよね。

代表の選手なんて毎年入れ替わります。五輪のメンバーに入らなかった選手は当然他にもいます。でも、こんなにも話題になりません。外されたことがネットニュースにもならないし、ファンも声をあげないし、関係者があんなに触れません。
選手の価値を比べるわけではないですが(私の推しだって外されたけど暴れないよいい加減黙れみたいな意見があったから敢えて言う)、それだけ外された事に驚く人が多いという事です。それだけ最前線で貢献してきたという事じゃないのかな。

追い打ちに追い打ちで、代表なんて応援したくない。どんどん憎悪が増していく。

結果は出していてもこれ、というところに、彼を選びたくないだけだろ、とか、自分の見初めた若手をヒーローにしたいだけだろ、など様々な感情が渦巻いていました。

私が彼を知ったのは、2019年10月のW杯が終わった数日後。

スポーツのスの字も興味のなかった私が、本当にひょんな事から見た柳田さんのスパイクに心を奪われ、転がるように。
そういえば今テレビでW杯やってたよね!?と調べたところ、数日前に閉幕していてマジか!となったのを覚えています。

そこから、見れるだけ彼の過去の試合動画やインタビューなどを読み、彼のバレー人生を辿り、彼が当時代表で付けていた背番号「8」は、2016年若手として出場したリオ五輪で予選敗退した悔しさを胸に、その時の背番号を背負っている話も知りました。

彼の、東京五輪に掛ける想いは、新規の私でもとても感じていました。

「オリンピックを目指すなんてどのアスリートも同じでしょ」分かります。
でも、石川柳田は、やはりその人気ぶりに驕ることなく誰よりも自覚を持っていた選手だと思うのです。誰よりも自覚を持って、成長を求めた選手だと思うのです。
正直、以前の日本男子バレーの評価は弱い、おもしろくない、だったはずです。私もそう言うイメージでした。
それまでバレー界でポピュラーで無かった海外移籍がここまで広がったのは、確実に先陣を切った2人の影響があると思います。

そんな選手の代わりに突然経験もない大学生が、スポーツマンが命をかけて目指す五輪に出場。
正直、本当に本当に憎くて。当時の監督と、当時コーチだった現監督が。本当に悪魔にも見えた。

頑張って結果を残しても外された、ので、選ぶ側が変わらなければ今後も結果を残そうがパリ予選に出られるとは思えませんでした。
日本代表は守備の強化をしたくて、それにそぐわなかった、みたいな話はありましたけどね。(当時所属していたクラブチームの方針で、彼の守備の数字は落ちるような構成だったとか、まあ色々ありますが)

選ばれた選手に罪は無い、そんな事は頭で分かっていても、どうしてもあの首脳陣が見込んだ大学生の才能が、全然活躍出来ないようなものであればいいのに、とずっと思っていました。
当時、日本代表のメンバーの顔を見ることすらトラウマのようになって、一瞬目に入るだけでも身動き出来ないくらいのダメージを受ける感覚になっていました。

もう代表のことはシャットダウンして生きていこうと決めました。
存在しないものとして。

しかし、それまでの布教の甲斐もあり友人が日本代表の選手に興味を持ち好きになってくれました。
テレビで流れる試合を録画しておいてくれて、せっかくハマってくれたのに私は見たくないから絶対に見ない!!なんて気まずいことも出来ず、一緒に見ていました。

でも、それから今年のネーションズリーグまでは、強くなった日本!と言われながらも近年勝てたことの無い強豪国には勝ててないじゃん、という気持ち。どうしても認めたくなかったので、強豪国に勝てる日がきたら認めてやるよ、くらいの上からの気持ち。

そして今年、ついに勝てなかったブラジルに勝利しました。完全フルメンでは無かったのかも?しれませんが、快挙です。
そこまでも、連勝を続けていて、過去の日本代表の勢いとはまるで違う。

この数年、石川柳田が作ってきた土台が、やっと完成したんだなという感想でした。やっとやっと、この時を待ってたはずだったんです。
でも、そこに彼の姿はありません。
日本代表男子バレーは、今年突然強くなったわけではない。これだけ言いたかった。
オタクのエゴだと言われようと、そう言いたかった。
リオ予選敗退のあの日から少しずつ積み重ねた土台が、やっと形になってきたんだと。
もちろん、柳田さんだけの力じゃないです。
そんな事は100も承知で、色んな人の気持ちや力の培ってきたこと。


そんな傍ら、今年は、柳田さんも2年ぶりに代表復帰を果たしました。
最初は目を疑いました。
まさか、また選ばれる日が来るなんて。
また、評価されたんだ!やっぱり見てる人は見てる!

そう喜んだのも数時間くらい。
代表選抜の会見の記事を見ていると、何故今年選ばれたのか書いてありました。
今年は五輪予選の位置付けのW杯と、アジア版オリンピックであるアジア競技大会がほぼ同時期開催と被っています。そちらのアジア競技大会にも出場しないといけない為、Bチームという存在を作り戦わなければならない。その若手中心のBチーム育成の為に、彼が呼ばれたと。

第一線で活躍する現役選手に、こんなに屈辱的な事があるのか?と思いました。
ずっとずっと代表に貢献してきた選手を東京五輪で外し、そのあと音沙汰がなかったのに、今年メインの試合と被るもう1つの大会用のサブチームで若手を育ててよろしくねって。
最初にパリ予選の選考には入らないって言われるようなものですよ?

いやいや、アスリートとして、そんなの代表に選ばれた!とか期待されてる!なんて心から嬉しいものなの??とならないですか。
そりゃ、適任ですよ。そういうリーダーシップや、若手育成、士気を上げることに長けてる選手ですから。

それでも、彼は引き受けたわけです。
もう…彼の今後のキャリアに何かプラスになる収穫があればいいな、メダルを取って、彼の育成力も評価されたらいいな、でどうにか飲み込んだ。

そして先月、Bチームはアジア競技大会で銅メダルを獲得しました。
W杯とアジア競技大会に出場するのは日本のみ。他国は主力で挑んでくる中、前回もBチームで出場した同大会よりも良い結果を残すことが出来ました。
Bチームだって日本代表なのに、バレー公式はまるでBチームの事に触れません。そういうところにも不信感が募ります。
なので、彼らが代表シーズンにどんな合宿、どんな歩みをしてきたのかファンにはあまり分かりません。

ですが、その、集大成を出し切る大会。
エースを務めたまだ大学生の選手、SNSで大バズりした高橋慶帆選手が、準決勝に破れた瞬間に涙を見せました。
彼はこの大会物凄い活躍で、けどまだまだ大学生。プレッシャーもあったと思います。

でも、まだ大学生の若手が負けて泣く。
ああ、柳田さんがキャプテンを務めたBチームは、良いチームになったんだなと思いました。
本気で優勝目指していなかったら、目指せるような士気じゃなかったら泣けないんじゃないかなーなんて。
そして、柳田さんは彼をハグした時、何かを喋っていました。長く喋っていて、途端に慶帆は再び涙を溢れさせました。
キャプテンの言葉に涙を込み上げさせるなんて、良いチームですよね。
もう1人の若手、麻野堅斗選手にも柳田さんは何かを伝えると、麻野くんも泣き出す。
なんて良いチームなんだろうと。もっとこのチームが見たいと。

彼がBチームのキャプテンとしてした経験も、絶対にこの先に繋がるんだと思うと、良かったなと思いました。
後のインタビューで、柳田さんは今年の代表の件を受けるか迷っていたと言いました。そりゃ当然だろうと思います。体力の面でも、代表に選ばれたらリーグとリーグの間に間髪がありません。
もちろんAチーム優先なので、Bチームの主力はコロコロ入れ替えられたり安定しません。
Aの選手が謎に抜けて、本来Bとしてアジア競技大会に出るはずの選手が引き抜かれアジア競技大会には一人少ない状態での出場になるなどしましたが、それでも出場した大会の結果は彼らのキャリアの一つになります。評価になってしまいます。

そんな蔑ろにされていた誰もまともに触れないBチームの活動に、石川キャプテンがアジア競技大会銅メダルの労いと自分たちも確実にW杯に挑む力になったと話してくれて、これは結構大きかった。私の中で。
こんな直前まで、こっちはアジア大会頑張ってるのにみんなW杯W杯って…って気持ちだったから、ここでその気持ちが癒えたところはあります。

そして、東京五輪から柳田さんに入って欲しかったポジション、石川対角にあの時から入ってる髙橋藍選手。
今年の夏に開催されたアジア選手権(アジア競技大会とは別の毎年あるアジア大会)のあたりから、彼のプレーをきちんと見るようになって、彼の凄さを目の当たりにしました。

正直、私が一番認めたくなかった存在です。
彼にポジションを奪われた形になってしまったため。

いやあ、凄かった。守備を買われているだけの事はある守備力。最近つくづく思うのです。バレーは守備が安定しないと攻撃にもまともに入れないことを。守備の安定の大事さは痛いほど実感しました。
そして、攻撃面もしっかり決める。
彼はいつもニコニコしてるイメージでしたが、試合中はほとんど笑顔を見せない。

藍選手は、自覚を持ってここに立ってるんだと感じました。
五輪からという大抜擢と恵まれた風に映る運や人気に驕ることなく、しっかりこのポジションを担う自覚を持ってあの日から今日まで成長してきたんだなあと物凄く感じるプレー。
この辺りで、今の日本代表の実力は認めざるを得ないという風になってきました。
彼の実力を心から認める事は、私にとって大きな一歩なのです。
海外挑戦はもちろんですが、記事でフィジカル面の強化も読みました。感心した事の一つです。


今の日本代表に感じるのは、やはり、個人個人の自覚です。自分たちの役割を果たす、自覚と意識があります。
石川選手だけが点を取るわけじゃない。
今世界から注目されているリベロの山本選手や、二人で出るはずであっただろう3月に急逝した藤井選手の分を一人で背負う口があいちゃう凄いトスをあげるセッターの関田さん。
サーブ効果もしっかりと出しながらスパイクブロックと役割を果たすミドルたちと、アタックだけじゃないエースのアタッカー3人。
本当に、強い国の雰囲気があります。勝てる自信が前より格段にあると思います。

彼らの強さはもう認めざる。
というか、やっとこのチームはここまできたんだという。積み重ねの結果が出てきたと。


そして、あの日から、どうにかどうにか敗退して欲しいと願っていたあったパリ予選、W杯が始まる。

初戦から2試合の不安定さを、しっかり立て直した3試合目から実力を発揮して勝ち続け、本日、勝ち点やセット率の関係で、全日程が終わる前にパリ出場が決定しました。


今日、ストレート勝ちをすればパリ出場決定。
その状況で、1セット目、4点のリードを逆転した時は、本当に涙が出てきました。

この瞬間、私は、彼が土台を作ってきたこの日本代表がパリ五輪に行けることが、私にとってあの日から抱いてきた悔しさや気持ちを昇華する事なんじゃないかと感じました。
そんな想いが込み上げました。
大歓声の中、あと一歩で五輪への切符という感動の場面に、もしかしたら感化されて込み上げたものかもしれません。
でもこの強い日本の土台に、柳田さんの存在も確実に在る。

先日、バレーを特集してくれたスポーツ雑誌の方が、『今の強い日本バレーを作ってきたのは、間違いなく柳田』だと言ってくれた。
オタクのエゴじゃ無いんだと、本当に本当に嬉しくて。
将来、日本バレー協会の会長になるだろうと関係者に囁かれるほど、彼は日本のバレー界の発展を誰よりも憂い、願い、行動している現役選手です。

そんな彼が作ってきた日本が、今こんなにも強くなって、世界を湧かせている。
ストレート勝ちは難しいか、という点差からの逆転セット奪取を見た的に、私は、彼らがパリに行くこと、彼らがパリ五輪でメダルを獲得する事で、私は救われる、あの日から抱いてきたこの気持ちを、彼が作ってきた日本代表がこの感動を与えることで昇華されるんだ、という気持ちが込み上げました。

そして、ストレート勝利、パリ五輪出場決定の瞬間、嗚咽しそうなくらい涙が出ました。
あんなに憎くて憎くて仕方なかった日本代表の、どうしても阻止して欲しかった自力の五輪出場の瞬間に、こんなにも泣けるなんて。
普段涙を見せない選手たちの涙に貰い泣きもあります。頑張ってきたんだなと、感じる涙です。

きっと、友人がバレーにハマってくれなかったら、あれ以来日本代表を憎んだまま負の気持ちも背負ったままこのチームのプレーを見ることもなく生きていたんだと思うと、彼らのプレーに触れさせてくれて感謝しています。

五輪予選メンバーに入るだろうと評価されていたのに外された選手は他にも出てきました。選手の気持ちを考えない日本代表の選考のやり方には異を唱える選手も出てきました。
普通は、素直に応援できなくて当然です。もう触れない人も居ます。
そんな中、柳田選手は、外されたあとも常に日本代表を応援する発信を続けてきました。なかなか出来ることでは無いと思う。
彼は切り替えを出来るタイプだと思っていますが、やはり五輪メンバーから外れた時は、バレーを続けることも含め考えるくらいダメージを受けています。
それでも、彼は日本バレーのために現役ながら尽力しています。
そんな彼が応援する日本代表を応援できないことも、長く後ろめたい気持ちでいました。
まあ、彼も人間だから、吹っ切れた時からずっと心より応援できているかは疑問ですが。
心の中ではやっぱり悔しいとか、自分のいない代表の活躍に喜べないでいて欲しいくらいの気持ちもありました。

でも今日、やっと長年の因縁に決着を付けれたような気がして、前に進めた気がして。
彼らが似たりよったりな結果を出し続けていれば、私はずっと彼らをつつく隙がありました。
でも強豪に勝ててないとか、この国には前から勝ててるのに大袈裟とか。
負の感情のループのまま。
でもここまで気持ちのいい強いプレーを見せられた事で、下手な擁護はしたくなかった私の筋を通す納得の仕方が出来たのかもしれません。
まあ、正直今回のパリ五輪への切符はいつもよりイージーな条件だったなと思ってはいましたが、それでも、やはりプレーを見ていると凄いとしか言えない。
柳田さんが入るとどうとか、彼らに比べて劣ってるなんて意味では全くなく。

感情のまま、私のあの日から今を振り返って昇華したくなって書き殴っています。

一つ言いたいのは、前に進むと表現しがちですが、あの東京五輪メンバーから外れた瞬間から、時が止まっている柳田選手のファンはまだまだたくさんいると思います。
日本代表男子を私と同じように見れない、応援できない人はたくさん居ると思います。
それはそれで良い、絶対に。
前に進むと表現しがち、1歩踏み出せたと言いがちだけど、進む必要も無いと思う。
だって、あんな酷い仕打ち受けてるんだから!
一生許せなくても、不思議じゃない。
オリンピック出場の肩書きは、アスリートのキャリアにとってとても重要。それを奪われたんだし、侮辱までされて未来永劫許せなくて当然。

前に進んで、受け入れられたから偉いとか、正しいとか、そういうわけじゃ絶対に無いので。
きっと、私の滲み出る日本代表への憎悪を感じ取って、共感して安心してフォローしてくださってる方もいるのではないかと思います。
そういう方たちに、裏切り者だと思われるかもと思うととても辛いけど、でも逆の立場なら思ってる…。笑(笑えない)
だから、この書き殴りをした衝動は、もしかしたらそういう方たちへの、私が日本代表パリ五輪出場決定を喜ぶツイートをした、弁明の為なのかもしれません。

裏切り者かもしれないけど、私も私の人生を生きやすく楽にしたくて、匂わせじゃなく素直で正直な憎悪の気持ちもあった事を伝えたくて。

私が受け入れられて良かった、と捉えるのは完全に私の自己都合です。
私は人生の中で負の感情をなるべくなくして生きていきたいから、それは自分の弱点になってしまうのも嫌だし、その方が自分が生きるのが楽だから、少しずつ日本代表を受け入れることが出来て、私は良かったかなという結果になります。

まあ、柳田さんが本当に心から喜べているのか?を疑問視する度に、私の感情もジェットコースターです。加筆修正してるこの瞬間も。
モヤモヤする事はまだ、どうしても出てくるのが冷静になってきた今です。
受け入れることが正解なのか、柳田さんはファンがみんな受け入れる事を望んでいるのか?なんて、考えちゃいます。
彼はとても聡明で聖人君子のような扱いをされる出来た人間ですが、私は人間らしい感情もしっかり持ってる人だと思っています。

受け入れることが正解でも大人な対応でもない。
皆さんはそれぞれ、自分の気持ちを大切にして欲しいです。
私は、友人がハマってくれたので今後も触れていく日本代表に対して、私が生きやすいように楽なように感情が動いただけの事かもしれません。
はたまた、普通に視聴者として、日本スポーツのの感動の場面に感激しただけかもしれません。


柳田さんが今日、心から喜んでいるのか、何を想っているのか、私には分かりません。
それでも、柳田さんも言うようにら今の日本代表は彼の誇りに違いないと思います。
貴方はこのチームの礎だと思うから。

やっと、日本バレーを想う柳田さんと少し足並みを揃えることが出来るかなと思います。
彼が尽力する日本バレーの発展に、日本代表の強さは直結する。


代表憎いなんて公で本当は言えないような言葉だけど、正直に抱いていた気持ちを今だから言えます。

これからも、私は柳田将洋選手を応援します。
日本代表というフィールドを終えて、今も尚未来のために挑戦決断し続ける彼が楽しみで仕方ありません。
彼が尽力する日本バレー界の発展に、少しでも貢献出来るオタクで在りたいと思います。

ありがとうございました。



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