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日本美適進化論:「優位性」を扱うセンス

「優位性」って、あまり使わない言葉ですよね。別のものと比較して優れている点や性質のことです。この優位性の捉え方が「差別」や「偏見」を生む一つの要因になっておりますが、その「優位性」のセンスに徐々に変化が起きているという話し。

例えば分かりやすく、会社では社員より経営者が優位、学歴では高学歴が優位、経済力ではお金持ちが優位、スポーツでは勝者が優位、家庭ではまだまだ男性が優位です。子供のころは「お勉強ができる子」や「お行儀の良い子」が優位ですね。世の中では「富裕層」が優位性最高のポジションではないでしょうか。この優位性を持つことで、社会でずっと幸せに生きられると信じてきたわけです。そこから外れると社会ではつま弾き扱いという強迫観念を抱きながら。

ちなみに、2017年野村総研調べでは、2000年から増え始めた日本の超富裕層8.4万世帯(定義:土地不動産を除く5億円以上の財産を所有する層)・富裕層118万世帯(1~5億円未満)で、日本全国の5千万世帯のわずか2%です。全世界で62人の大富豪が世界人口の半分の所得を占めていることを考えると、日本の富裕層は少ないどころか、特に40~50代女性の所得などは男性の3分の2という現実。私も含めていかに日本人全体が能力を発揮していないのか、発揮できない環境なのかを考えさせられます。大きな、ガラスの天井というマイノリティが、組織で能力を頭打ちされる、昇進を妨げらるなどと言われていますが、日本独特の「優位性」という偏りは、女性だけではなく昔から男性にも日常的にあると感じています。

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私も、2度、望まれた本社への昇進を上司に阻まれる経験をしています。後日談で、いま抜けられたら困るというとても切羽詰まった理由だったそうですが、直接上司から聞いたのは、「本社に行くと結婚も出来ないし、大変だから断ったぞ。」と一言。チャンスを他人に奪われたと感じました。それを同期の男性社員に相談したところ、俺なんかしょっちゅうだぞと。組織にはいろいろと事情があるわけですが、ここで上司という「優位性」を部下のためにセンス良く扱う上司は、合意を取る姿勢を持っているのではと。事情をオープンにして話し合う。お互いの立場に関心を持ち事情を知ることで、要らぬ恨みや疑いから解放されてスッキリ進ませることが信頼です。いまは、前と比較すると「成長する方向」へ誘える先輩や周囲の人間関係が増えていると感じます。

■■■「優位性」というセンス■■■■■■■

1)富裕層の変化

2)仕事で優位性を磨き上げる

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1)富裕層の変化

以前、故郷の新規事業提案の構想を練っていた時、どの角度から見ても優位性の高いポジションをセンス良く扱う方から「富裕層」の観光を調査したデータを拝見したことがありました。従来のシニア世代の富裕層はゴージャスでラグジュアリーな高級感あふれる観光を好まれますが、最近のミレニアル世代の富裕層はエコでサステナビリティな経験価値を重要視するその時しかできない経験を重視する志向性に変化しているようです。同じ富裕層でも、価値観が変化している。超一流のエグゼクティブを求める優位性は、本質的でそれぞれにしかない価値を知り、2度とない経験を求める優位性に変化する時代です。

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これからの人も仕事も同じです。誰もがエグゼクティブを求める時代を越えて、いま、目の前にいる人や時間、経験の価値に関心を持つことが、かけがえのない価値になる。人と違うことで人は進化したそうです。全員が同じだと生き残れなかった。間違いなく人との違いが優位性になる時代ですね。

2)仕事で優位性を磨き上げる

社会経済は「快適性の追求」と「問題解決」の2つで成り立っています。どこを快適にして、どの問題を解決するのか。これもセンスです。私は、人との違いを考えた時に理解しておきたいのは、あなたの「人間性」と「仕事」を切り分けて考えることだと思っています。あくまでも「人間性」については、あなたの精神状態が快適な状態を大切にする。例えば人の目や評価を意識し過ぎて疲弊しないように、距離感やバランス感覚で工夫するなど。まず自分が快適であること大切ですね。しかし、「仕事」は問題解決です。ここには裏話もありますが、ま、いったん。あなたが誰よりも問題を解決できそうなことを磨き上げることで、経済が回りますね。もちろん、完璧に2つを分ける必要はありません。快適性を追求する仕事であっても良いわけですから。

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究極の自己は、究極の利他。自分のために相手を、相手のために自分を。

私たちは、まだまだいけます。

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