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日本美適進化論:理念を数値化する感性

コロナ禍に於いて、在宅勤務で部下の仕事ぶりが把握できなくなったマネージャーが一番不安に思うのは、一人ひとりの部下の心情的な変化や日々の進度が掴みにくいことです。信頼して任せたいけれど、全員で常に一つの方向を目指している実感が持てない、孤立しているメンバーを救いあげることができるのだろうか、果たしてこの体制で目標に寄せることができるのかと疑心暗鬼になりがちです。

このような社会が大混乱に陥っても、部下と強くつながる関係性を持ち続ける企業は、企業ロイヤリティやエンゲージメントにつながる、理念教育が浸透している企業だと感じます。

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弊社では、「美意識」という抽象的な概念や、「付加価値」という企業ブランディングに直結する目に見えない価値や、「企業理念」などの理想とする状態を、社員一人ひとりの具体的な成果につながる行動変容とKPIに変換する、クリエイティブな感性を持っています。

■■■理念を数値化する■■■■■■■■■■■■

1)擬人化する

2)象徴的な行動に置き換える

3)関心と愛情

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1)擬人化する

そもそも、誰もが知る企業でも、「経営理念」を整えていない会社も少なくありません。たった数文字・数行で、その企業が持つ使命感や沿革・過去実績をピタッと表わす言葉を導き出すのも、クリエイティブな感性と語彙力が必要です。以前、企業理念を創造し設計するところから関わった企業では、「〇〇性」というその業界に特化したワードを絞り込むだけで、幹部社員の気持ちが一つにまとまるという貴重な経験をしました。理念という企業の理想とする姿や形がなぜ必要かというと、寄り道せず歩みを止めず前に進む為。『△△業界1位』などの競合他社との競争することを目指す体制の社員を、数字だけで詰めすぎると、人はだいたい辛くなって誤魔化しやルール違反をしがちです。気持ちよく前に進むためのエネルギーを掻き立てる「企業理念」は、このように不安定な時代、会社の規模感に関係なく必要です。

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よく行動管理にコンピテンシーを活用する企業もいまだ多いと思いますが、企業の差別化に於いても、人財の魅力化にも逆効果です。ただ管理することが目的のツールで、理念という理想を持たずに行動管理されている社員は、どんどん仕事のやりがいを失います。

将来どうなりたいのか手探りな状況で、マナーやルールだけ守りなさいと延々と言われ続けたら、感受性が豊かで成長意欲の高い社員ほど疲弊します。この点は非常にデリケートですが、ここで必要なのは、全員の合意が取れる目的(理念)と、それを代弁できる社員を擬人化するクリエイティブな感性です。*擬人化の具体的な過程は企業秘密。。。

2)象徴的な行動に置き変える

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擬人化して社員の全体像をイメージできたら、象徴的な行動に変換します。この場合、「誠実・信頼・変革」などの思想を、社員に植え付けようと朝礼でいくらそれを唱えても、いつまでも実現はできません。

その思想を象徴する行動に置き換えることで、はじめて理念が見える化します。例えば、「誠実さ」という印象を行動に置き換える場合は、「名前を呼ばれたら必ず相手の目を見て返事をする。」という誠実な行動に置き換えることでも良いでしょう。社員の小さな行動変容の積み重ねが、その会社の誠実さを物語り、お客様に伝わり評価されます。

企業理念を具体的な行動に落とし込み、行動責任を定量的に仕組み化することで、社員の動きが加速するでしょう。行動の積み重ねは企業で教育体制の内製化にもつながりますし、このKPIは人事評価制度に活かせます。

理念は定量化することで実現します。予算や達成率だけの管理ではなく、企業理念を代弁する社員としての行動変容ができるからこそ数字が付いてくるのです。

3)関心と愛情

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上司が部下に、リーダーがメンバーに関心を持つ愛があるかが、離れていても信頼し合える関係づくりに大きく影響します。日テレで大好評だった「Nizi Project」のプロデューサー”J.Y.Park"さんの、少女たちが大きく成長を加速させる言葉は、「関心と愛情」に溢れていました。

一人ひとりの「その存在を大切に感じている」からこそのアドバイスや、苦手な歌やダンスを克服した時の、驚きと喜びをプロデューサーの表情が物語っていました。

離れていても部下の心をつかむ上司は、成長変化の喜びを表現し続けるリーダーですね。

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