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【ロンドン発】週刊ジャーナル(11月13日~11月19日):今週もいろいろありました&いろいろ聞きました。

11月13日:なんという日でしょう!朝からイギリス凄いニュース。国務大臣のスエラ・ブラヴァマンが解任されたかと思ったら、後任にジェイムズ・クレヴァリー外相を任命。そして、外相の後任には、なんと!!元首相デイヴィッド・キャメロンが選ばれたと!

まあ、この人選に関しては、BBCも寝耳に水だったようで、クリス・メイソン政治編集長もニュースで「What a day!!(なんという日だ!)」と言っていたし、下記事でも「政治というのは、本当になんともはや」という感嘆でもって今回の人事異動を言及している。

野党からも国民からも非難の声は上がっているが、私としてはお手並み拝見といったところ。このような形で政界に戻ってきたわけだから、無駄にすんなよ、と。

11月14日:仕事の関係で、ヘレナ・ボナム・カーターのリサーチをしていて、このクリップを久しぶりに観た。『ザ・クリーナー』は2021年にBBCで放送された、シットコム・シリーズで、ここで言うクリーナーとは、犯罪現場清掃員のこと。そのクリーナー、ポール・”ウィッキー”を演じるのはコメディアンのグレッグ・デイヴィス。さまざまな犯罪現場を訪れるオムニバス形式のドラマで、そのE1のゲスト主演がヘレナ・ボナム・カーターだった。

郊外の閑静な住宅地で夫を殺傷したシーラ(ボナム・カーター)がウィッキー(デイヴィス)を人質にとって、話をする。

ウィッキーが、「なんでまた。あんた38回も刺したんだよ。5回で十分なのに」と言うと、シーラはびっくりした様子で「私、相当怒ってたのね」と。続けて、ペーパーカットを例に挙げて、「ペーパーカットって死に至るような傷じゃないけど、痛いわよね。血も出る。そのペーパーカットを繰り返し、繰り返し受けていた。それが私の結婚だった。で、十分に血を流した、と思った時、限界を感じてね。次は彼の番だと思ったの」と煙草をふかしながら淡々と語る姿に、切なさを覚えきれなかった(殺人は犯罪だが)。

グレッグ・デイヴィスは製作・脚本も担当しており、全体的にはコメディー・シットコムなのだけど、設定は割と普通の人の生活にもありうるテーマなので、笑いながら同調したり。特にこの"The Widow(未亡人)"のシーラには大いにシンパシーを覚えたのだった。加えて、人を殺しておきながら、飄々とした態度のシーラを演じるヘレナ・ボナム・カーターの演技は感嘆モノ。

ドラマ内の有名なトイレのシーンのエピソードはこちら。


11月16日:カレンダー買いました。


11月17日:井上銘さんのロンドン・ライブに行ってきました。

ロンドン・ジャズ・フェスティバルの一環である今回のギグ。夫と一緒に楽しんで参りました。様子は下のインスタから。

今回、銘さんのバンドメンバーとして出演した、ベース・プレイヤー、Menelik Claffey は、夫も何度か共演したことがあり、ライブ後に少しおしゃべり。彼は、Tomorrow's Warriors(トゥモーローズ・ウォリアーズ)出身の若き才能あるミュージシャンで、今回のショーでもソロ演奏を含む素晴らしいパフォーマンスを披露してくれました。


ものすごく余談だが、今回のヴェニューとなった、Embassy Gardens には、物議を醸した、Sky Pool(スカイ・プール)がある。スカイ・プールとは、2棟の高層マンションの地上35mの屋上を、橋のように繋ぐ25mのプール。居住者向けのアメニティではあるのだが、実は、このプールを使用できるのは、個人所有でこのフラットに住む居住者のみ。「シェアード・オーナーシップ(Shared Ownership)」制度で分譲された居住者には使用権がないらしい。つまり同じ建物内に住む居住者同士で格差を生んでいるのだ。その上、Embassy Gardensのあるワンズワース地区は、ロンドンの中でも貧困者の多く住むエリアで、金持ちが楽しく泳ぐその下を通って日常生活を送らなければならない人たちも多く出てくる。これは、彼らに不必要な劣等感を与えかかねない、趣味の悪い娯楽だ、と非難された。


初めて見たスカイ・プール。ライトアップされているけど、誰も泳いでいない。

調べてみたら、プールの水温を毎日30度に保つために、年間164,250ポンド(約3000万円)、1日あたり450ポンド(約8万3千円)もの費用がかかるため、冬の間は閉鎖しているらしい。ロンドンの気候を計算して、企画・設計しなかったのかな?冬は寒くなる、って知らなかった?


11月18日
:なにこれすごい。見てみたい。


11月19日:美術手帖に気になる記事を見つけたが、有料記事だった...。

先月のニューヨーク訪問時に、カゴシアン・ギャラリーで個展を観れたのは相当ラッキーだったに違いない。

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キングス・クロスのスカラにマイ・ヴィトリオールを観に行った。

上のインスタでも書いたが、初めてMy Vitriol を観たのは、2000年1月31日、Kentish Town のBull and Gates だった。なぜこんなに繊細に覚えているのかと言うと、前日(30日)に、NME premier tour で、コールドプレイをアストリアで観た(ちなみにラインナップは、Shack、Les Rythmes Digitales、 Campag Velocet そしてColdplayだった)その翌日、ここにシーフードを観に来たら、オーディエンスにクリス・マーティンがいたからだ。すごいタイミングだったので話しかけて、アストリアでのショーがとても良かったことを伝えた。「マイ・ヴィトリオールを観に来たの?」と訊かれたので、シーフードを観に来た、と言ったら、「マイ・ヴィトリオールはとても良いバンドだよ。ヴォーカルのソムは僕の友人で、大学の同級生だったんだ」とおススメしてくれた。そう、コールドプレイのメンバーとソムはともにUCL(University College London)に通っていたのだ。この時クリスがおススメしてくれたおかげでマイ・ヴィトリオールを知ることができた。音楽の種類は全く違うが、この時期にこの2つのバンドのことを知り、どちらも大ファンになったのは本当にラッキーだったと思う。しかしながら、シーフードはどこ行った?

インスタでも書いたが、本当にこのベース・プレイヤー、タチア・スターキー、かっこ良すぎる。上のインスタの動画を観て欲しい。とてもクールなのよ。

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今週の1曲。They Might Be Giants "Man, It's so Loud in Here"。っていうか、今週観るはずだったのにキャンセルになったんだよ~(泣)。


(今週終わり)

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