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スパイになりたい?英国諜報員とは?スパイをよく知る人物から学んだ7つのこと。

英イブニング・スタンダードのマガジンESに載っていた、英国スパイの手引き(?)記事。インタビューを受けたのは、新作スパイスリラー『The Chase』の著者であるアメリカ人作家、アヴァ・グラス(Ava Glass。とは言え、本名ではないらしい)で、新刊は、MI5とMI6で働いた実体験をもとに書かれている。彼女の仕事は「スパイと一般大衆の中間地点のような役割を果たす」ことで、この本は、彼女が数え切れないほどのシークレット・エージェントと交流したことから着想を得ているという。「(ホームオフィスは)私に、彼ら(秘密工作員)がどのような人達で、何をし、それがなぜ重要なのかを、話して、国民に伝えることを望んでいるのです」と述べている。

日本語翻訳版はまだ出ていないのかしら?
まだだったら、私に訳させて。


アヴァ・グラスが私たちに伝えたい7つのこととは?

001  悲しいかな、本物のスパイはショーン・コネリーのような出で立ちではない

その普通の外見のおかげで、実に彼らは目立たない、とグラスは言う。「二度見することはないでしょう。特に美しいわけでもなく、醜いわけでもなく、特徴があるわけでもなく、印象的でもない。ただ、考え得る限りの究極の普通の人、それが必要なんです」。実際、グラスは彼女が関わる相手がスパイかどうかを正式に知らされることはなかったが、「中にはウインクしてくる人もいて、それでなんとなくわかった」と言う。

002  スパイになりたい?セキュリティ・チェックは想像以上に厳しい

公務員としてのキャリアを始めた当初、グラスは、不思議なことに自分が採用されたはずの仕事をやっていないことに気がついた。「皆、少し落ち着いて、時間が経って静かになるまで待つ、と言い続けていました。そして、待っている間、とある若い女性が私と友達になってくれたのです。彼女はとても自信に満ちていて、私にいろいろと質問をしてきました」と、法務局に勤務しているというその20代の女性について語る。故郷テキサスから何千キロも離れたこの場所で、グラスは「自分のこと、自分の生い立ちのこと、家族のこと、どうしてここに来たのか、など、とても喜んで話した」のだそうだ。そして、奇妙なことが起こった。3週間後、彼女のこの新しい友人は忽然と姿を消したのだ。「彼女のEメールはシステムから消え、固定電話もオフィス電話も使えなくなり、誰も何があったのか教えてくれませんでした。そしてその後に、私の仕事が始まったのです。皆が私と一緒に座り、私に話しかけてきました。その時私は、彼女が私のセキュリティ・チェックだったことに気付いたのです」。


003 「たとえベッドを共にしていても、誰も信用してはいけない」というのは本当

「とても素敵な男性と仕事をしたことがあります。彼は30代で、ゲイ。シビル・パートナーシップを組んでいると言っていました。彼は完全にパートナーに尽くしていましたが、自分の仕事について本当のことを話したことはなく、パートナーは、彼が運輸省で働いていると思っていました。私は彼に、あなたは彼を何よりも愛しているし、完全にお互いを信頼している。なのに、なぜ彼に本当のことを言わないの?と聞いたら、彼はこう言ったんです。『話し始めたら、間違ったことを言ってしまうかもしれない。だったら、最初から始めないのがベストだ』と。世界で最も愛する人に、自分のやっていることの真実を伝えない、という状況を想像してみてください」。


004  しかしながら、彼らのやっていることを推測する方法が一つある...

公務員の仕事が漠然としていたり、腑に落ちなかったり、あまりのつまらなさに質問する気になれなかったりするのには、理由があるからかもしれない。「『ハイ、私はジョンです、MI5です』と言ってくる人はいないでしょう。彼らはこう言います。『ハイ、ロジスティクスのトムです』 」。そこで、詮索するのはあなた次第だ。例えば、グラスのように”ロジスティクスは存在しないし、トムはトムではない”と気づくかもしれない。しかし、気を付けて。「憶測は嫌われます」とグラスは言う。それに、彼女のように訓練されたプロでさえ、真実を完全に把握することはできないかもしれない。「彼らが私に話したことが真実かどうかはわからない」とグラスは言う。「水の上を歩こうとするようなものです。すべてが普通に見えるのに、一歩一歩沈んでいくようなもの。自分は何も知らないのに、実は何でも知っている人と話しているようなものです」。


005  驚くなかれ、女性は優秀なスパイになれる

グラスによれば、「最初から多くの女性スパイがいました。私の知る限り、現在働いている諜報員の約半数は女性で、スパイではないが、なりたいと思っている人もたくさんいました」。そして、こう続ける。「できないと言われているにも関わらず、女性が優秀なスパイになる理由の一つは、男性が女性を恐ろしく過小評価し、結果、疑わないからです。私が親しくしてくれた女性のことを疑わなかったのと同じようにね」。


006  世界の国民?スパイへの夢にさよならを

複数のパスポートを持つことがスパイ人生へのチケットだと思っているなら、考えて直してみて欲しい。というのも、EU圏内を自由に旅行できるかどうかなど、彼らは気にしていないから。「私が親密に働いていたある人は、どうしても(スパイに)なりたがっていました。彼女は英国人ですが、オーストラリア人とイギリス人の両親の間にドイツで生まれました」。夢のよう?いや違う。「彼女はMI5に何度も何度も応募したのですが、国籍が理由で採用されることはありませんでした。彼女はパスポートを3つ持っていたのですが、多すぎたのです。スパイになるには英国生まれでなければならなりません、特にMI5では。そうでなければどうやってあなたを信用することができますか?どちらにしろ、それが彼らの理論なのです」。


007  ロンドンは実は世界で最も安全な都市の1つかもしれない

セキュリティ・メジャーが魔法のように現れるという事実がある。なぜならそれは、誰かがその仕事をしていることを意味するから。「私を最も変えたのは、スパイがいかに巧妙で、何が起ころうとしているのかを見抜いていたことです」。そしてそれは、とても小さく、無害に見える時もある、とグラスは言う。「歩いていて、ああ、あそこにボラード(道路や広場などに設置して自動車の進入を阻止したりする目的で設置される、地面から突き出した杭)がある、という事は、スパイが特定した場所の一つに違いない、と思います。ある日、ビルの前にボラードがなかったのに、次の日にはあるということも。他の都市に行くと、そこまでは徹底していません。特にアメリカの都市はそうです。ロンドンは非常によく守られていて、ここで何も起こらないとは言い切れないし、ーー私がそれを望んでいなくてもーー何か起こることもあり得ます。ただ、何かを起こすことを難しくしているのは確かです」。結果、グラスが見る限り、彼らは最善を尽くしているようだ。「彼らはただひたすら仕事をしています。世界のすべての国を調べたわけではありませんが、我が国は世界で最も優れた情報部門を持つ国のひとつと考えられています。彼ら、見ていてなかなか素晴らしいものがありますよ」。そうでしょう、どこを見ればよいのか分かりさえすれば。

(記事終わり)

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スパイってつくづく孤独な仕事だなあ、と思う。配偶者やパートナー、親・子供にも、自分が誰であるのか、何をしているのかを話すことはできないし(『The Ipcress File』)、まあ、同僚はいるとしても、ネズミがいるかもしれないし(『Tinker Tailor Soldier Spy』)、もう誰を信用すればよいのか分からなくなるのではないだろうか。それかそもそも誰も信用していない?

確かにすべてのスパイがショーン・コネリーやダニエル・クレイグのようだとは思わないけど、私の周りにも、すげー普通、と思っているあのトムさんやそこのジョンさんがスパイだったりととかするかも?

しかしながら、これからボラードのある場所を通り過ぎるたびに、この場所で一体何が!?と思ってしまいそう。そして、そういう風に想像を膨らますのは嫌いじゃない。



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