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緊急事態宣言 23日目

7時に起きるが、そのまま布団のなかでちくま新書の『世界哲学史1』を読む。古代エジプトにおける魂に関する哲学が面白い。彼らは人間とは肉体、名前、影、そしてバー(あえて言えば「人格」のようなものと説明されている)とカー(生命力のようなもの)から成り立っているという話。人間が死んでもカーは残るので、カーの入れ物として肉体をミイラ化しておく必要があったという。またバーのほうも日中は世をさまよって、夜になるとミイラ化した肉体と合体していると考えられていたとか。

これは面白い、と思っているうちに二度寝していたが、すぐ起きて書籍の校正作業を午前中いっぱい行っていた。自分の文章はどこまででもよくできる気がして、悩んで止まったりするのだが、もう校正は2回目であり、そしていつかは踏ん切りをつけて出版しなければならない。そもそも、わたしが博士号を取得してから丸2年が経っている。博士論文を書き上げたのはそのさらに4ヶ月前に遡る。今回の本はこの博士論文を元にしているのだと考えると、もうずいぶん長いこと作業をしていて、たぶん、今私にできるのはここまでなのだろう、という感じが強くする。それは妥協とはまた違う意味でのことだと信じている。

ポケモンgoのバトルを堪能して頭をほぐしたあと、チキンラーメンを食べて、午後はまず隣街へ歩いて行った。同居人が、うちの町では売っていないお酒を買いたいと言うからである。彼はGWの休みなのだ。隣街はそこそこ名の通ったところで、ショッピング施設を中心に賑わっているところだが、スーパーとすき家以外はほとんど閉まっていた。パチンコ屋もほんとうに閉まっていた。コニャックと、そこそこめずらしそうなビールをいくつか、それとパンを買ってそそくさと自分たちの町に帰り、花屋とまいばすけっとにも寄った。まいばすは相変わらずとても混雑していて、長いこと並んだ。

家に帰って、アイスクリームを食べたりして休んだあと仕事に戻り、夜になったころに翌日のオンライン講義のテストでzoomにアクセスしてみたりした。ついにリアルタイム配信講義デビューである。よるごはんは、夕方仕込んでおいた生姜焼きを焼いて、あと豆腐と水菜の食べるラー油サラダ、トマト、そしてニラの卵とじお味噌汁。食後はコニャックを飲んで英気を養い、校正の続きをした。夜も遅くなったので、また『世界哲学史1』を読みながら、寝た。


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