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緊急事態宣言 27日目

緊急事態が延長されるらしい。途中から大方予想はできていたこととはいえ、そろそろ困ったことも出てきた。本の校正をしているなかで、どうしても確認すべき本がいくつかあるのだが、図書館に行くことができない。わたしの場合、現在の所属大学が入構を完全に禁じており、また出身大学は学生証などの身分証がないと入構できないと聞いたので、完全に行き場を失っている。本にはもう一度最後の確認の校正の機会がありそのときでも間に合うということだが、そのころに大学はどうなっているだろうか。一部地域では図書館などの再開も目指すとのことだったが、先行きは不透明である。ただわたしの場合は科研費で本を買えるので、まあ手元に置いておくに越したことない本でもあるので、そうするのが一番よいだろう。

おひるごはんのタラコスパゲッティを挟み、とにかく本の校正をしていると、ニトリから今度はベランダに敷く木製パネル?が届いた。正方形のパネルを組み合わせるとすのこみたいにできるもの。これを設置し、もともと所持していた机と椅子を置いた。これからすこしずつ、植物を飾っていく予定である。あつ森を買わなくても、最近はリアルの家をあつ森か、というくらいいじっているので満足しつつある。

早速スーパーと花屋に出かける。まいばすはスルーしたが、入り口で従業員さんが客ひとりひとりに直で手の消毒液を吹きかけていた。これは前の日に別のまいばすでも見た光景だったので、上からの指示だろう。スーパーでは夕飯の材料などを買い、花屋では赤紫の小さな花がついた鉢植えを買った。名前を忘れてしまったので、次行くときに確認する。

帰宅してコーヒーブレイクをとったあと、ミネストローネを煮込み始める。これは義実家で食べたものがとてもおいしかったので、どうやって作っているんですか?と伺ったら丁寧に書いてくださったレシピにもとづいて作成している。鍋はバーミキュラを使っている。結婚したとき、親戚がプレゼントしてくれた。こうやってだいたい人のお世話になって生きている。そして、スープを煮込みながら本の校正を一通り終えた。あとはふせんをつけてペンディングした箇所をつぶしていくだけである。この出版についても、大学時代からの友人である編集者の方にとてもお世話になっている。

よるごはんは、チキンとじゃがいものオーブン焼き。ローズマリー、にんにく、オリーブオイル、塩胡椒でマリネして焼くもので、同居人がとてもすきなのでたまに作る。それとミネストローネに、レタスとラディッシュときゅうりのサラダ。玉ねぎポン酢をかける。統一感は気にしない。

食後はひたすらtrelloの整理をする。ここ数ヶ月もっぱらtrelloでタスクを管理しているが、やりやすいので気に入っている。すべての仕事を大中小とわずここに打ちこむようになってから、話が早くなった。4月はのんびり本を読んでいたが、5月はすこし締め切り的なものも入ってくるので、ちゃんと管理。それから、今学期の曜日ごとのルーティンについても決める。月曜日に講義準備、火水木は研究に集中して、金はオンライン講義(講師)&オンラインゼミ(参加者として)に出席しつつ合間の時間で公募書類の作成などを行うというリズムにしようと思う。とにかく、講義の準備と就活関係のことでいつも頭がいっぱいになるので、これらに取り組む曜日を固定することそのほかの日はもっと本質的な仕事に取り組みたい。

途中で地震がきて怖くなる。緊急速報メールがくるのみならず、屋外では市の無線放送まで入っていた。こういうことははじめて経験した。家族に連絡をとると、都内に住む母のところではそのようなことはなかったらしい。同じ市内の妹は当然同じ放送を聞いていた。地震でお風呂のタイミングを逃したが、シャワーだけ浴びて、そのあとクロンダイククーラーなるウイスキーとオレンジのカクテルを同居人が作ってくれた。それを飲みつついくつか仕事をさばき、メールボックスもある程度きれいにする(来週から遠隔講義が始まる大学からの怒涛のメールはまだちゃんと読み込んでいない)。なかなか寝つけないので、結局トニ・モリスン『青い眼がほしい』を読み終えた。『ソロモンの歌』と異なりものすごく直接的に女性を描くために肉迫する感じがとても強かったのだが、その強さはデビュー作ゆえというかんじがして、わたしはソロモンのほうが好みだと思った。とはいえ青い眼もとくに始まりかたはベストに近いし、すきな作品であることにかわりない。それに黒人の人生を描くというだけではなく、名前、土地、わらべうたというテーマはソロモンにもつながるし、なにより「メイコン」が出てくる。

現代思想の感染特集を少し読み進めると、眠くなってきたので3時ごろ寝た。昼間窓を少し開けていたからか、虫が電気にぶつかってはじりじり音を出していたけれど、スイッチを切ると静かになった。

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