見出し画像

ヴィーガン・菜食の歴史①

ヴィーガニズムは何千年もの歴史があります。

今回紹介するのは、インド・日本に注目した菜食の歴史。


ジャイナ教

ジャイナ教はインド古来の宗教。

インドのヴィーガン人口は人口は全体の23~37%。

割合が一番多い都市はインドールで49% (日本はおよそ1%)

ジャイナ教の救済者である”パールシュヴァ” (紀元前7〜8世紀ごろ)

・非殺生

・非妄語

・非与取(与えられないものを取らない)

・他に与えないこと

の4つを仏の定めた禁制として説いた。

この考え方は今世のベジタリアンやヴィーガンの考え方と取れる。

この頃から、もしくはジャイナ教が生まれた紀元前6世紀ごろから

ジャイナ教徒は菜食を行っていた。


また、ジャイナ教で南インドの詩人、思想家の

ティルヴァッルヴァル。

タミル文学において最も著名な詩人。

彼は「ティルックラル」(Tiru kural)という詩集の作者で、

この詩集で下の3つのテーマについて語っている。

・法(アラム)

・財(ポルル)

・愛(カーマム)

この3つはインドにおける人生の三大目標を指し、

インド国内をはじめとして30以上の言語に翻訳されています。

(日本語版もある。)

この詩の中には

・「動物性不使用の食事」

・動物への危害・殺さないことに対する思想

について書かれている項目もある。



画像1

 日本

日本では歴史上何度か肉食が禁止されてきた。

「奈良時代」

675年、天武天皇は

・鳥、猿、牛、犬、馬、魚、貝などの

動物の摂取を禁止した。

これは天武天皇は仏教に影響を受けていたからであると

考えられる。

この頃は民衆には仏教は浸透しておらず、特に貴族に仏教が広まっていたため、

貴族が菜食をする人が多かった。

誰もが知る「精進料理」。

肉を使わない食事様式は、の哲学が全国に広まっていた13世紀頃に全盛期を迎えた。

一方、精進料理に影響を受けてできた懐石料理は

魚が使われるため、菜食とは遠ざかった。



「戦国時代・安土桃山時代」

日本を訪れた外国人が書いた書物に

日本人が狩で得た肉は食べるが家畜の肉を食べないことを記した物もある。

修徳神学者 ジャン・クラッセ(フランス)『日本西教史』

日本人は、西洋人が馬肉を忌むのと同じく、牛、豚、羊の肉を忌む。牛乳も飲まない。猟で得た野獣肉を食べるが、食用の家畜はいない

狩で得たものは食べていたようだが、現代のような、動物の大量生産はなかった。


「江戸時代」

特に貴族をはじめとした上流階級建前では獣肉食の禁忌が守られた。

例えば「たぬき汁」。

現代知られるたぬき汁は精進料理の一種で

こんにゃくや野菜の入った味噌汁だが、戦国時代は狩でとった

狸が使われていたが、江戸時代に

”コンニャク、ごぼう、大根”を煮たものに変わった。

獣肉食の禁忌のピークは、「生類憐れみの令」などが

施された17世紀後半の元禄時代。

つまり17〜18世紀の日本人の基本の食事は菜食だった。

18世紀には、なぜ獣肉食が駄目なのか、獣肉食の歴史はどのようなものだったかについての研究も行われた。


「明治時代」

文明開化の影響により、残念ながら以前の菜食の文化は薄れていった。

一方で、明治初年には肉食に対する抵抗は強かった。

正当な理由のある反対としては1869年(明治2年)、

豊後岡藩の清原来助が公議所に農耕牛保護のために牛肉の売買禁止を訴えている。

各社の新聞にも畜産業を批判する記事が掲載された。

1877年(明治10年)『朝野新聞』”洋食洋医を宮中より斥けよ”

1880年(明治13年)の『郵便報知新聞』”牛肉食で耕牛が減少したため、食糧生産が大幅に減少した”と報じた。

文明開化で海外との交流が増えた時代を背景に

政府が役人に対して外国との交際の理由から洋食を推奨した

ことが大きい考えられる。

例えば、海軍は上野精養軒で食事をすることを奨励し、月末に精養軒への支払いが少ない士官に対して注意されることもあったよう。

また、遅くとも1877年(明治10年)までには宮中の正式料理は西洋料理となった。

1886年(明治19年)の東京横浜毎日新聞には、

高木兼寛が洋食を嫌う日本女性相手に毎月3回の洋食会を開くことを決めた旨が掲載されている。


この時から日本人に洋食政府により推奨されたり、

戦後のアメリカによる農業物販売戦略の影響で肉食が増え、

肉食が普及したが、

それまでは狩で得た獣肉を除き、菜食が日本人の基本的な食事でした。


次回も、2つの宗教の観点から行われてきた菜食について紹介します😊

最後まで目を通してくださり、ありがとうございました🌸








この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?