No.70 おかしな私。。。
8月上旬お盆を迎えるころ、私は1週間程おかしくなりました。
幻視がひっきりなしに現れては消え、まるで万華鏡に閉じ込められたようで、頭がどうにかなりそうでした。
知らない人たちがたくさん部屋中に押し込まれていました。出入りが激しく、次から次へと押し寄せてくる人波に飲み込まれそうな恐怖を覚えました。
幻視に捉われ身動きできず、冷房の効いていない部屋に閉じこもり軽い熱中症にもなりました。暑さや寒さも分からず、自分では体温調整がうまくできず、服も選べず、猛暑に厚手の服を着ていました。
そして前回(No.69・幻視)のアマビエのような妖精が、ついに私たち家族を人間からピノキオのような操り人形に変身させようとしていたのです。私は必死になって家族を庇うように覆いかぶさったことを覚えています。本当に恐かったです。
杖歩行できていた私の足に力が入らず、最初の頃の車椅子生活に戻ったような状態で、家族の介助が必要になりました。
また眩暈や吐き気、恐怖感が強く、ひたすら病院受診を懇願していました。
変調をきたしてから3日目、脳神経内科の主治医に受診できることになりました。病院に行く最中からミオクローヌス発作が出現し、「怖いよ。」と言い続けていたため、主治医から、「気分を落ち着かせるためにアタラックスPを点滴するから様子を見ましょう」と言われました。
点滴してから間もなく喉の違和感や息苦しさ、咳が出てきました。しかし、声を発することもできなかった為、誰も気付いてくれませんでした。DLBは薬に過敏であることを踏まえ、特に初めて使用する薬の場合には注意を払い、観察してほしいと切に願います。その後、症状は消失しました。
日中は少しでも動くと、その後に倍以上の全身倦怠感に襲われ、横にならないといられないほどです。今までこんなに悪化したことがなかったので、自分の変化に少し恐怖を覚えました。どうしてしまったんだろう。。。
私の身体はさらにおかしくなってしまったのだろうか。。。
ある夜、「いなくなりたい」「死んでしまいたい」という思いが強く、「殺してほしい」と母の両手を自分の首にあてていました。そのあと母に思い切り頬を叩かれました。。。私は子どものように泣きじゃくっていました。
そんなことが続き、私は予定より一週間早く精神科を受診しました。診察待ちの際にミオクローヌス発作が出現し、処置室で休憩させてもらいました。精神科医に今までの経過をすべて話すと、
「それでは一度病院に避難しましょうか。お薬に過敏なため、慎重に治療をすすめていくので長期間かかってしまうかもしれませんが、気持ちのコントロールができるようになるまで、入院してもいいでしょうか。」
私はすぐに「はい」と答えました。それしか家族を守る方法が見つからなかったのです。今の私は家族の災いの元でしかありませんから。
入院は急遽、翌日の朝になりました。