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2020冬アニメ感想まとめ

2020冬アニメの感想をランキング形式でまとめています。


<28位> 七つの大罪 神々の逆鱗

評価:B-

お気に入りキャラ:―

さすがに4期で完結するかと思いきや、どこからどこまでが後付け設定なのか分からないメリオダスとエリザベスの過去や正体が明らかになり、まだまだ引っ張る模様(一応、今秋放送の5期で完結する予定)。初期に比べると凄まじい闘級のインフレが起こっている気がするものの、やられました→やっぱり生きてましたの繰り返しで強さのバランスもハッキリせず、もはや本気で追う気にもなれない状態がずっと続いている。これはかの名作『犬夜叉』でも見られた現象で、自分も途中まで単行本を集めていたものの未だに結末を知らなかったりする。大人の事情もあるのだろうが、少なくともオタクでない大人が真剣に読むような作品ではないので、少年が少年でいられる内に完結するような構成であった方がよほど評価も高くなったと思う。ここまで来たら惰性となっても最後まで見届けるつもりだが、ラストシーンを迎えた際には爽やかな気分になれるのだろうか…。


<27位> 八十亀ちゃんかんさつにっき 2さつめ

評価:B

お気に入りキャラ:笹津やん菜

恒例の冒頭の「おことわり」は割と形式的なものだという認識だったのだが、2期は本気でおことわりが必要そうなところまで強気に突っ込んでいった印象。特に名古屋が「日本3大○○の産地」という表現は放送して大丈夫なのかと心配になってしまうレベル。よりマイルドなところでは「名古屋飛ばし」が印象的で、たしかにライブでも名古屋が飛ばされてしまうことは多い気がする(仙台や福岡の方が選ばれる確率は高い?)。統計資料があるなら是非見てみたいところ。オタクの生態を表す表現として「自らを自虐しながらも誇る」というものがあるが、名古屋人には割と自虐(と諦め)しかない気がするので、割と深刻に捉えた方がいい問題な気もする。住みやすい土地であることは確かなので、もう少し一人ひとりが地元を盛り上げていこうという気概を持つ方がいいかもしれない。とりあえず、名古屋を舞台としたオリジナル作品の誘致から始めようではないか。


<26位> Fate/Grand Order -絶対魔獣戦線バビロニア-

評価:B

お気に入りキャラ:エレシュキガル

凛のチョロイン成分だけを抽出したかのようなエレシュキガルがひたすらに可愛かった。ただ、『FGO』はストーリーの評価も高いと聞くが、『stay night』や『Zero』(以下「本編」と表記)と比べてしまうとかなり見劣りしてしまうのは否めなかった。言語化するのは中々難しいが、本編は物語に圧倒的な「凄み」があり印象的なセリフも多くとにかく「格」が高いのだ。一つの要因として考えられるのは、「謎」の魅力が本編は圧倒的だった気がする。セイバーやアーチャーの真名や、聖杯とは何ぞやという部分がそのまま物語の魅力に直結しており、各ルートを通じてそれらの全貌が明らかになっていくという構成は正に至高の一言。本作品だけを見て同様に語るのはフェアではないかもしれないが、視聴時も各キャラの心情に感情移入はできても「考察したい」というような感情が湧き出てこないのは、「そうした魅力で劣っていた」ということに他ならないのではないだろうか。


<25位> マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝

評価:B+

お気に入りキャラ:由比鶴乃

さすがと言うべき映像美もあり当初は勢いを感じたものの、結局最後まで地に足が付かない感覚が付いて回った原因は、やはり本編との繋がりがどうなっているのかが終始ハッキリしなかったという点に尽きるだろう。結論としては「全く無い」パラレルストーリー的な位置付けだったようだが、それならそうと作品内で分かるようにしてくれないと本編のキャラも登場していたし無駄に期待感が煽られたようで非常に残念な気分になってしまう。本編で多大なインパクトを与えた魔女の正体の説明も遅く、むしろそこからの「マギウスの翼」関連のストーリーが見たいのにというところで終わってしまったのも残念で、視聴時に期待していたものと噛み合わないチクハグさだけが虚しく残った。総じて、「マギアレコード」をプレイしている人ならまた違った感想を抱くのかもしれないが、少なくともアニメ勢の自分にとってはどうにも楽しめきれない惜しい作品となった。


<24位>とある科学の超電磁砲T

評価:B+

お気に入りキャラ:帆風潤子

実は本シリーズを視聴するのは初めてなのだが、感想は「分かりやすい」の一言に尽きる。何と比べてかって?そりゃ某禁書目録に決まって…(小声 かつてはアニメ放送後も禁書目録の原作しか読んでいなかったという世界に10人ぐらいしかいなさそうな特殊な立場だった自分であるが(旧約は完読)、なるほどなと思わされるものは多分にあった。美琴や黒子については禁書目録でもけっこう出番があったので、より新鮮だったのは初春や佐天なのだが、たしかに可愛いわ(笑 まあ、五和には敵わないけど!(強がり そして意外だったのが美琴と食蜂の絡みがそれほどこなれていない点で、食蜂は自分もかなり前から知っていたキャラなのでもっと初期からガッツリとストーリーに絡んでいる存在だと思っていた。しかし食蜂のオシャレな外見に比してリモコンが致命的にダサいのは何とかならなかったのだろうか(目の前にあるTVのリモコンとほぼ同じなのがまた…)。


<23位> 痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います。

評価:B+

お気に入りキャラ:サリー

なんだかんだで今期の作品群の中で最も幅広い層に支持された作品なのではなかろうか(その甲斐あってか続編制作決定)。個人的にはタイトルのインパクトと1話時点の期待感からは尻すぼみ気味だったのでそれほど評価は高くないのだが、分かりやすい設定とストレスフリーな作風が今の時代にマッチしたのかもしれない。防御力に極振りと謳ってはいるが、メイプルは攻撃力もチート級であり毒竜(ヒドラ)や暴虐など化け物じみたスキルが多く発現したのは作者の趣味なのか…。現実ではオンラインゲームでレアスキルをいくつも獲得したり対人戦で勝ち抜いたりするのは生半可なことではなく、ましてやイベントでトップ10入りするにはそれこそ廃人級のプレイが要求されるのだが、そんなトップクラスのプレイヤーの立場を曲がりなりにも味わえるという爽快感があったのが成功要因なのかも。なお、今期は主人公(♀)の幼馴染キャラに魅力的な子が多いのが何より。


<22位> 7SEEDS

評価:B+

お気に入りキャラ:末黒野花

作画はイマイチ、過酷なサバイバルものにありがちな胸糞展開やグロ描写もありで視聴継続が危ぶまれたが、番組概要の「7SEEDS計画」というワードにスケールの大きさと伸びしろを感じ視聴継続。そして、一応その甲斐はあったと思えるだけの展開には行きついた模様。それにしても、本作品の原作が少女漫画ということには驚きだぜ…。まあ、ホラーものも少女漫画という媒体にはよく見られるので、その流れからしたら珍しくはないのかもしれないが。ただ、さあここからというところでバッサリと1期の放送が終わってしまったのは残念で、Webアニメとして配信されている2期が今後TV放送で見られるようになるのかは非常に気になる。とりあえず、嵐と花が再開するところまでは見届けないとここまで視聴してきた意味がないので、時期が遅くなっても構わないのでそこは誠意を見せて欲しいところ。現状未視聴なら、2期のTV放送決定までは待ちを推奨したい。


<21位> 歌舞伎町シャーロック

評価:A-

お気に入りキャラ:メアリ・モーンスタン

後半クールは案の定ともいうべきモリアーティの宿敵化もあり思いのほか骨太な作品に落ち着いた印象。個人的には前クールの感想でも言及したワトソンとメアリの仲の進展を期待していたのでこの部分についてはちと残念。とはいえ、ストーリー上で共に事件の解決に当たったりメアリがワトソンをファーストネームで呼ぶようになったりと水面下で進展しているのではと思える描写もあった。オリジナルかつ2クールという制作会社にも体力が必要となったであろう作品であったが、作画は終始安定しストーリーも中弛みなく進行しており無難に楽しむことはできた。だが、何かこれというインパクトに欠けたのもまた事実。どちらかといえば『コナン』のような長期放送に向いているような作りとなっていた印象で、各探偵たちの活躍を掘り下げていけばこの先いくらでも話が作れそうな気がした。まあ、それを継続して視聴していく気になるかはまた別の話なのだが…。


<20位> ネコぱら

評価:A-

お気に入りキャラ:ココナツ

キービジュアルからはとても想像できない深い闇を感じる作品。可愛く擬人化された猫たち(♀)がケーキ屋「ラ・ソレイユ」で働くというほのぼのとした物語なのだが、猫たちが普通に人と会話し、ネコ耳としっぽ以外は人と全く見分けがつかないので、ご主人様(兄)として彼女たちを「飼う」という行為がものすごく業を感じる風景に見えてしまうのだ。調べてみればなんと原作は18禁エロゲということで、大納得。猫たちの中にはかなり際どい発言をするものもおり、その片鱗はたしかにあった模様…。アニメのストーリー自体は日常系といって差し支えなく、エッチな展開もなく(お風呂等のサービスシーンはあるが)平和そのもの。猫たちのそれぞれのキャラも立っており、人と同じように自分の夢を追いかけたりケンカしたりする。ご主人様(妹)もそんな猫たちを溺愛しており、ただただ可愛い猫たち(←だが人にしか見えない)を愛でて過ごせば無問題なのだ。


<19位> 理系が恋に落ちたので証明してみた。

評価:A-

お気に入りキャラ:棘田恵那

学問の偏差値は高いが恋愛の偏差値は低い理系男子と理系女子が「恋」の定義に関する様々な証明実験を行っていくありそうでなかったラブコメ作品(「シュタゲ」のラブコメ成分だけを抽出したらこんな感じになるのかもしれない)。設定はけして悪くないのだが話の内容的に常に出オチ感が付きまとうので、15分アニメだったらもっと見やすかったかも。氷室女史も十分魅力的だったので大きな不満はないのだが、個人的には棘田先輩にも雪村へのアプローチが欲しかったところで、からかい半分でそういうことをしてくるが実は先輩もまんざらでもなく…というような展開だったら注目度は急上昇していただろう。そういう意味では明らかにハーレム展開を否定しているので評価は分かれるが、昨今の「ぼく勉」や「五等分の花嫁」の原作の結末論争を見ているとこうしたカップリング固定の作品をなんとも平和に感じてしまうのは自然な流れなのだろうか…。


<18位> ダーウィンズゲーム

評価:A-

お気に入りキャラ:シュカ

当初はよくある感じのサバイバルゲームものだと思っていたが、意外と芯はしっかりしており見応えがあった。仮想世界での死が現実の死とリンクするというわけではなく、仕組みは不明だが現実世界そのもので「ダーウィンズゲーム」が行われており、これが緊迫感の演出に一役買っている。どこか世界観に古臭さを感じていたのでひと昔前の作品なのかと思っていたが(スマホは現代風のアレンジという解釈)、2013年から現在も連載中の漫画が原作とのこと。似た系統の作品として、『未来日記』などのイメージが強かったのかもしれない(シュカのキャラも同作品の由乃と重なる部分があるし)。少しヤンデレ成分の入ったシュカのキャラは上田麗奈さんの演技とマッチングしており、個人的に一番の見所であった。主人公のカナメの異能が絵面的に地味だったのは評価が分かれそうだが、2期があるなら見てみたいと思えるほどには楽しめたので続報を待ちたい。


<17位> 虚構推理

評価:A-

お気に入りキャラ:岩永琴子

「真実は不明だがそれらしく聞こえるもの」=「虚構」を主題に据える構成が新鮮であり、「真実はいつもひとつ」を求めがちな我々の心理に一石を投じる想像力の幅とその過程を楽しめるミステリ作品。1クールの構成が短編と長編の2本立てとなっており、かなり思い切ったなと感心した反面、原作未読勢としては『鋼人七瀬』も最初の短編と同じような感覚で見始めてしまったためにストーリーの長さに少し面食らってしまった部分もあった。個人的には、起きた事件そのものに怪異がガッツリと絡み、推理も複数用意したことがあらかじめ明言された『鋼人七瀬』よりも、ある程度リアリティがあり何回もどんでん返しで推理を披露してくれた『ヌシの大蛇は聞いていた』の方がより構成にセンスが感じられて好みだった。総じて、『鋼人七瀬』は劇場版作品として制作し、今回は短編が複数本という構成だった方がよりよかった気はするが、原作勢の意見も是非聞いてみたい。


<16位> 僕のヒーローアカデミア

評価:A

お気に入りキャラ:トガヒミコ

前半クールは「ヒーローインターン編」、後半クールは「雄英文化祭編」で構成され、それぞれに見所のあった4期。特に「雄英文化祭編」はバンドとダンスというアニメに適した素材が揃っていたこともあり原作よりも大幅にパワーアップしていたことは想像に難くなく、個性の本領発揮となった耳郎がピックアップされていたのが非常に印象的だった(後半クールのOPは必見)。そして、「『フルカウル』ってまだ20%までなのかよ!」というツッコミはさておき、「オールマイトも常に100%を出力してたわけじゃない」という事実は目からウロコで、こうした修行と能力の説明描写が大好物の自分にとってはこの場面は4期で一番の見所だった説もある(『H×H』も15巻が一番お気に入り)。新たなヒロイン候補として名乗りを挙げた(?)壊理の登場も大きな要素で、これを機にラブコメ要素も加速すればいいなと密かに期待しているのだが、トガちゃんの出番もっと増やしてクレメンス。


<15位> 異世界かるてっと2

評価:A

お気に入りキャラ:カズマ めぐみん ヴィーシャ

1期よりもさらにこなれた感のある2期。当初の感想でも述べたが1期に比べて他作品のキャラ同士の絡みが大幅に増えており、席替え後の座席にもそれは表れている。さらに『盾の勇者の成り上がり』のキャラも登場し、校内はさらに混沌の模様に…。なお、『慎重勇者』のキャラが門もくぐらずに速攻で帰ったのはかなり笑った。『このすば』は例外な気がするが、各作品内ではそれなりにシリアスな展開になっているところ、このような作品で気軽にギャグ描写が楽しめるのは何よりで、本編では時に屈折した部分を露にしがちな異世界ものの主人公も平和な世界では普通に上手くやれる可能性の示唆とも言えるかもしれない。そんな中でのお気に入りは、やはり遠慮のない物言いとツッコミがキレキレのカズマで、映画の影響かめぐみんの正妻度が心なしか上がっていたような気も…?ところで、ヴィーシャって本編でも大食いキャラだったっけ?可愛かったからいいけど。


<14位> 異種族レビュアーズ

評価:A

お気に入りキャラ:アロエ

イケないのは嫌なので攻撃力に極振りした姿勢にまずは拍手。あまりにド直球な内容に「地上波チキンレース」と称されるまでに至ったのは視聴した人なら納得だろう(TOKYO MXでは「編成上の都合」として5話以降の放送が中止に)。原作含め、あくまで「サキュバス店」「サキュ嬢」といった言葉で代替していることで少年誌の基準をクリアしているそうだが、色々おかしい。とはいえ、(TV放送版では)エロ的な観点からは様々な規制表現もあってそれほど刺激的でもないので、本作品の真のヤバさは「異種族」との交わりという歪んだ性癖の発露を促しかねない点にあるのだろう。そういう意味ではある種自分の性癖の「水見式」といえ、あまり大っぴらにはできない自分の系統が新たに分かってしまった視聴者も少なくはないのではないだろうか。ちなみにアロエさんをお気に入りキャラに選んだのはキャラが気に入っただけでそういうことじゃないんだからねっ!(汗


<13位> 群れなせ!シートン学園

評価:A

お気に入りキャラ:獣生ミユビ

前期の『BEASTARS』に比してなんとも平和な動物の学園だが、予想外に楽しめた。てか、なんかエロイ。肉食獣と草食獣が共存している設定にもかかわらず肉食獣が普通に漫画肉を喰らう描写があったけど、そこはツッコんじゃダメなんだろうな…。本作品の大きな特徴としてオスがそれなりに本来の姿を残したままデフォルメされており体格もそのままなのに対して、メスは完全に擬人化がなされており身長もほぼ人間大に統一されているということ。ここもツッコんじゃダメなんだろうけど、こっちの方が色々お得感があるから反対する理由は何もない。でもこれだと夜の営みが色々…(以下自粛) そんな中、唯一の人間のオスである人(じん)は主人公というよりもむしろヒロイン枠であり、ツンデレな彼が少しずつ学園に馴染んでいく過程が非常に微笑ましかったりする。なお、ランカのペロペロで『おぼっちゃまくん』を思い出したのはきっと自分だけではないハズ(笑


<12位> ドロヘドロ

評価:A

お気に入りキャラ:ニカイドウ

原作が完結しているにもかかわらずまさかの…でもない俺たたエンドだったが、まだストーリーは続きがある模様。なぜそうなったのかは不明だが、「全てはまだ…混沌の中。これが…ドロヘドロ!」と締められてしまえばまあいいかと思えてしまうのも本作品らしさか。全体の大まかなストーリーは存在するものの基本的には一話一話のノリと勢いで楽しむ感じであり、映像も個性的で存分にらしさは味わえた。また、全編手書きと見間違えそうな3DCGで制作されており、ここまで進化したなら十分にアリ…というか素直に萌えさせてくれるところまでいっちゃったね、最近は。繊細な表情芝居なんかは手書きならではの強みとしてまだ残っているけど、これからはどんどん3DCGアニメの比率は高まっていきそう。ニカイドウや能井の筋肉質でありながら女性的な丸みも有した体型も独特のエロスがあり魅力的で、もっとこういうキャラが他作品にも増えていってほしい。


<11位> へやキャン△

評価:A+

お気に入りキャラ:各務原なでしこ

世のオタクどもをこぞって真冬のキャンプ場に駆り立てたゆるそうでゆるくないようでやっぱりゆるい青春物語の5分版。尺が短いのは残念だがやはり抜群に引き込まれるものがあり、本作品の存在抜きにしてもキャンプやBQには多大な興味のあった自分にとっては得しか感じない。今回はなでしこ、千明、あおいの3人で行動する場面が多くそれはそれでほのぼのとした空気を楽しむことができたが、しまりんがたまに出てきた時の吸引力もすさまじく、本作品がなでしことしまりんの二人で成り立っているのを改めて実感。しまりんが基本ソロキャンプが好きなのは今後も大事にしていってほしい設定で、全員集合みたいなのはたまにやるから貴重なんだというのが本作品の正しい楽しみ方だろう。なお、なでしことしまりんとはどちらと過ごすのが最適解なのかは一生をかけて解き明かすべき超難問であり、今のところなでしこがちょこっとだけリードしている模様。


<10位> ハイキュー!! TO THE TOP

評価:A+

お気に入りキャラ:田中龍之介 天内叶歌

「春高」こと「全日本バレーボール高等学校選手権大会」。毎年1月に行われる大会ということで、どうしても3年生の心情は気になってしまう。サッカーの「国立」やラグビーの「花園」と同様に、受験間近の選手が出場しているのを見るとどうにも落ち着かなくなってしまうというのが本音なのだが、この辺りの葛藤の話がもっとあってもよかった気はする(菅原たちが勉強してはいたが…)。そんな中で、本クールは来たる「春高」に向けての助走という趣が強かったが、日向&影山がまた一段階成長したようで何より。そして2回戦で早くも優勝候補へ挑戦という展開はいやでも某バスケ漫画を意識せざるを得ないが、作者にはどんな意図があるのだろうか…?お気に入りだった田中に「春」が来そうなのも注目の展開で、ここまでストレートなフラグは逆に新鮮で素直に応援したい。何はともあれクオリティは約束された作品なので、引き続き第2クールも楽しみに待ちたい。


<9位> 映像研には手を出すな!

評価:A+

お気に入りキャラ:金森さやか

予想以上に映像への深度が深かった「SHIROBAKO」系作品。水崎氏の「私が作りたいのは『アニメ』じゃなくて『アニメーション』なの」というセリフが象徴しているように「映像作品」としての作り込みに重きを置いた作風は好みが分かれるが、「分かる人にだけ分かればいい」を地で行く姿勢には強い信念を感じる。昨今の「キャラ」を主体とする風潮に一石を投じる作品といえるが、キャラデザが好みでなくとも十分引き込まれるものがあり、毎週感心して視聴していた。浅草氏のどこか昭和臭さを感じさせるダミ声も心地よく、ナイスな人選。個人的にはPとして毒舌を吐き散らしながらも有能に状況を打開していく金森氏の手腕が一番の見所で、根っからの守銭奴でありながら最終的には情にも流されてくれる人間臭さは見ていて気持ちがよかった。彼女が『BLEACH』の平子真子に似ているという意見には笑ったが、斬魄刀の名しかり作者も意識していた説もあったり…?


<8位> 空挺ドラゴンズ

評価:A+

お気に入りキャラ:タキタ

ポリゴン・ピクチュアズ制作によるフル3DCGの美麗な映像は大正義の一言。「BanG Dream!」や「ドロヘドロ」にも言えることだが、この安定感と安心感は手書きとは完全に独立した大きな魅力となっており、どちらが優れているというよりもよりその強みを生かせる方を選択すればよいと思わせてくれるものとなっている。また、今期も各作品でメインヒロインを中心に演じた雨宮天さんは獅子奮迅の活躍だったが、本作品のタキタの演技が個人的には一押し。男臭い捕龍船のメンツの中にあって主人公兼貴重な「花」の役割を果たしていたことでよりその魅力は際立ったが、どこか好奇心旺盛な少年めいた成分も含まれている声質が世界観によく馴染んでいた。最終話の「ミ゛カ゛さ゛~~ん゛!!」の叫びは最たるもので、やはり彼女最大の心の拠り所はミカであることを再確認できたことが何よりも嬉しい。夢とロマンが詰まった予想外の良作であり、今期の嬉しい誤算であった。


<7位> ダイヤのA actII

評価:S-

お気に入りキャラ:沢村栄純 奥村光舟

ついに栄純がエースナンバーを背負った。「actII」最大のインパクトはこれに尽きるだろう。当初は降谷の怪物ぶりにどうやってこれとまともに張り合うのか見当も付かなかった。だが、インサイドとアウトサイドのメリハリの利いた投げ分け、7色に変化する「ナンバーズ」、そして何よりもその思い切りの良さといった積み上げてきた武器の数々で投手としてのスケールを着実にアップさせた栄純の姿は、降谷の不調もあったものの「この夏は沢村でいきます」という片岡監督の決断に十分な説得力を与えるものだった。その同話で「Go EXCEED!!」が流れOP映像の栄純の背番号が「18」から「1」へ変わったのも最高にニクい演出。正直予想外の展開だったが、この先も共にエースナンバーを背負った二人が真のエースの座を争っていくのがますます楽しみになった。スポ根作品における「リアルっぽい虚構」の魅力、それを最大限に発揮した本作品に惜しみない称賛を贈りたい。


<6位> 22/7

評価:S-

お気に入りキャラ:立川絢香

声優の演技が大根気味だったこともあり当初の評価は低かったが、物語が進むにつれて限りなく正しい方向性のアイドルアニメっぷりに評価は急上昇。「壁」という謎の存在はさておき、アイドル作品にありがちな意図の見えない誰得な展開もなく、序盤におけるセンターのみうの覚醒、その後の各メンバーを限りなく平等に掘り下げる個人回(&各ED)、当初は特に仲が良いわけでもなく壁の指令に戸惑うばかりだったメンバーが終盤では自分たちの意思をはっきり持ち「ナナニジ」をかけがえのない存在として認識するまでの流れなど、まさに我々が求めるものをど真ん中直球で見事にぶち抜いてくれたといえよう。3DCGのクオリティが少し残念だったものの作画も終始安定しており、当たり前のように楽曲も良曲揃いで、数多のアイドルをプロデュースしてきた実績を踏まえてファンが求めるものを正しく体現してくれた手腕はさすがの秋元Pといったところだろうか。


<5位> 恋する小惑星

評価:S-

お気に入りキャラ:鈴矢萌

今期のきらら枠。部員の減少により主人公の入学年度から天文部と地質研究会が合併した「地学部」で新しい小惑星を見つけるという夢を目指すストーリーは、日常系というよりは「よりもい」のような青春成長物語により近い。上記の経緯もあり、和気あいあいとしつつも各キャラそれぞれに夢や目標がありけして一枚岩ではなく、馴れ合いやご都合主義を否定しつつも仲間との友情や先輩・後輩間の信頼関係はしっかり涙腺を刺激してくるというバランス感覚が本作品最大の強みだろう。地学という分野に携わっている以上、彼女たちは理系女子ということになると思うのだが、少しドライで現実的な思考回路にはなるほどと頷かされることも。そして、そんな彼女たちが感情に揺り動かされるシーンのまた尊いこと!ところで、本作品はきらら系作品には珍しく共学の学校ということで、特に先輩キャラの理系クラスの男女比も見てみたかったのは自分だけだろうか。


<4位> ちはやふる3

評価:S-

お気に入りキャラ:若宮詩暢

実は3期で完結までいくのではと思っていた件。まだ完結はしなかったが、展開的にはいよいよ4期で完結かしら…(原作未読勢)。後半クールではついにと言うべきか、新と太一がそれぞれの思いを千早に伝えるという場面に差し掛かる。そして千早の反応を素直に受け取るとやはり新のことが好きなのか。というより、太一を小声でありながらもハッキリと振ったのがかなり意外だった。少なくとも、返事どうしよう的な展開になると思っていたので。この辺りは決めつけすぎてもよくない気がするので、腰を据えて4期を待つことにしたい。そして、太一(と千早も?)がかるた部を去ってからの花野さんの人間としての成長ぶりが眩しすぎてかなり感動してしまった。いよいよ千早たちも高校3年生になり、恋愛要素はもちろん高校生として挑む最後の名人・クイーン戦や新のチーム作りやそれぞれの進路についてなどまだまだ気になることは目白押しなので、続きが待ち遠しい。


<3位> ランウェイで笑って

評価:S

お気に入りキャラ:都村ほのか

大衆的な美意識とは乖離しがちなイメージのあるパリコレモデルやファッションデザイナーの世界であるが、ダブル主人公の千雪と育人がそれぞれ「低身長」「貧乏」といった「こちら側」の要素を持ち、物語に感情移入しやすくなっているのがポイント。また、それが物語を構成する上での大きな逆境要素にもなっており、スポ根的な観点からも魅力的に描かれているのは、相当設定が練られた作品であるからであろう。パリコレモデルを目指さなければこれ以上ない容姿とスタイルの千雪とその逆も然りという心の対比もまた印象的であり、各キャラが心の内に抱える悩みや葛藤がまずは前面に押し出された1クールだったといえるだろう。例えとしては不適切かもしれないが、『BLEACH』の「鏡花水月」よろしく「どうやって収拾つけるんだ、コレ?」と思わずにはいられない無謀な千雪の挑戦の行く先は非常に興味深く、2期はもちろんラストの展開までなんとしても見届けたい。


<2位> BanG Dream! 3rd Season

評価:S

お気に入りキャラ:市ヶ谷有咲 宇田川あこ

ついに(LVではあるが)念願のライブデビューも果たし、個人的に絶好調の「バンドリ」。某サンシャインの時にも強く強く主張していたことだが、タイトルを盛り上げていくにはアニメという媒体とのメディアミックスが非常に重要で、4期、5期とこれからも末長く続けていってほしい。3期では「RAISE A SUILEN」のストーリーがピックアップされており、際立つ各キャラの個性と魅力、ワクワクさせつつも時たまホロリとさせにくる質の高い脚本、圧倒的なライブの描写など順調に進化を遂げていっているのがなによりも嬉しい。2期からのフル3DCG化も本作品においては大成功であり、作画面での負担が一気に解消されたことにより脚本やライブ映像に注力できるようになったのが非常に大きいと思われ、全ての底上げが結果的に実現されている。1期で断念した方々は、是非現在のバンドリのアニメを見てみてほしい。当時とは全く違う感想を抱いていただけることを約束する。


<1位> 推しが武道館いってくれたら死ぬ

評価:S

お気に入りキャラ:寺本優佳

「そんな舞菜を愛してる」。この第1話のサブタイトルが全てを表している。個人的にはこれが作品名でもよかったと思うのだが、一目で内容が分かる現作品名の方が分があるか。地下アイドルを推すオタクの生態をコミカルに、そしてある意味実写的に描いた快作であり、(2次元ではない)現実のアイドルを推すオタクの気持ちに寄り添いながら視聴できるという点でこれまでの作品とは一線を画している。何十枚も同じCDを買ったり、握手会に足繁く通うオタクたちの気持ちはこれまで知る由もなかったが、彼(女)らやアイドルたちにも確かな矜持や信頼関係があるんだなと思わせてくれるだけの説得力は存分にあり、これが「推す」という行為なんだということを改めて勉強させられた。主人公がそれなりに美人な女オタクなので、作中のアイドル「ChamJam」のメンバーと併せて画面も華やかであり、2次元による現実のアイドルへの入門書としてはかなり優秀な作品だろう。

☘ChamJam 個人的推し順位☘

【1位】寺本優佳

こういうハッキリとした物言いのサバサバとした女の子が実は一番親しみがあって愛に溢れた存在なのではないだろうか。自分の魅力に自信があってそれでも人気は真ん中ぐらいといったポジションが絶妙なキャラだったが、後半はちゃっかり前列に選抜されていたのが実はちょっと残念だったりする。

【2位】松山空音

個人的にはトップを狙えるポテンシャルは秘めているのだが、基さんのような「ガチ恋勢」を量産しそうな清純の皮を被った小悪魔っぷりにあと一歩躊躇われてこの位置に。のめり込んだらツライ思いをしそうな子№1で、この子が正真正銘のスキャンダルを起こしたら本気で死人が出そうなのがとても怖い。

【3位】横田文

自分の気持ちに正直すぎる言動が魅力的な妹系キャラ。メンバー総選挙の際に自分でCDを買っているとナチュラルに他のメンバーに気付かれていたのは気の毒だったが、結果発表後のアイドルとは思えない魂の抜けた表情も含めてそれが彼女の魅力だ。メイドカフェでのえりぴよとのやりとりは面白かった(笑

【4位】市井舞菜

本作品の主人公えりぴよの単推し。「不人気」という属性が既にキャラのアイデンティティとして確立しているので、人気が出てしまうと逆にキャラとしての魅力は半減するという業を抱えたある意味可哀そうな女の子。えりぴよのせいで他のファンが寄り付きにくくなっているのはなんとも皮肉である。

【5位】五十嵐れお

作中では人気№1で「ChamJam」のセンターポジションの女の子。そのため全てにおいて隙が無いという印象が強い彼女だが、実は過去には報われなかった時代があり真の意味で自分に自信が持てないでいるという裏設定も。くまささんはその部分も含めて推しているだろうから、愛着もひとしおなんだろうな…。

【6位】水守ゆめ莉

見た目は一番アイドルっぽいのに推しが弱いせいか作中での人気はイマイチ振るわない模様。本作品屈指の百合キャラであり、行動原理の大半が眞妃に依存している様子からはヤンデレ化も時間の問題だろう。彼女がファンと接している場面ももっと見てみたかった気はするが、そもそも描写が圧倒的に少ない。

【7位】伯方眞妃

アイドルというよりは女優といった方がしっくりきそうな大人っぽい女の子。よって、作中でアイドルオタクにもウケがいいのが正直意外だったのだが、ゆめ莉同様ファンとのやり取りの場面も見てみたかった。彼女がなぜアイドルをしているのかは謎だが、普通の仕事をしても有能そうなので是非一緒に働きたい。



<劇場版5位> ゴブリンスレイヤー GOBLIN'S CROWN

評価:B+

お気に入りキャラ:―

総集編ではないオリジナル展開による劇場版作品。とはいえ、尺も約1時間と短くこれぞ「劇場版」というような特別な展開があったわけでもなく、良くも悪くもいつもどおりのゴブリン退治といったところで、これならOVAで十分だったんじゃ…というのが正直な感想。実際、休日午前中からの鑑賞ということで不覚にも少しウトウトしてしまった場面も…。劇場版らしい特別な展開としては、例えばゴブリンスレイヤーの素顔の公開や普段は見られない各キャラの生活風景の描写などが考えられるが、そうしたファンサービスは一切なしで「劇場版と銘打てばファンは見に来るだろう」以上のものが見えてこなかったのは非常に残念で、こうした作品が常態化するようならアニメ業界に明るい未来は見えてこないだろう。念のためだが、けしてつまらなかったわけではなくお金を払って映画館に見に行く価値があるかに疑問があっただけということは一言述べておく。


<劇場版4位> 劇場版 SHIROBAKO

評価:A+

お気に入りキャラ:安原絵麻

TVシリーズの4年後を描いた待望の劇場版。満を持して鑑賞したのだが若干の肩透かし感は否めない。各キャラたちのその後にまた会えたというのはたしかに大きな喜びであったが、逆に言えばそれ以上でもそれ以下でもないというのが本音。ストーリー全体としてのカタルシスには疑問符が残り、一応劇中アニメである「SIVA」を通してメタ的にちょっと物足りないな、という感覚を演出していたと無理矢理解釈することもできなくはないが、それに何の意味が?という部分を払拭するまでには至っていないのが事実。いっそ、制作の新入社員(♀)を主人公に抜擢し、かつてのあおいの立場から見た成長したあおい達の姿を描くというような構成なら、本来の群像劇よりも焦点がはっきりし、限られた尺でやれることも増えたのでは。総じてファンムービーの域を出ず長尺のOVAとして楽しむ分には良作であったといえるが、本作品にはもう少し先を求めたかったところ。


<劇場版3位> ACCA13区監察課 Regards

評価:A+

お気に入りキャラ:モーヴ ロッタ

1週間限定で劇場上映された新作OVA。入ってまず驚いたのがその女性比率の高さ。実に8割が女性の観客で、これってそういう作品だったっけ?と思わず考え込んでしまった。上映中も自然とそういう意識になってしまい、ジーンとニーノの熱い友情はもちろん、渋い声をしたイケオジの多さに改めて気付かされたような…笑 劇場版と銘打たれればハードルも上がるがハナからOVAだと言われればいつもどおりの描写もなんのそのといった感じで、個性的で味のある絵柄とストーリーを懐かしく満喫できた。個人的に気になるのはジーン(とロッタ)の恋模様なのだが、旧友を温めていたら好きなタイプとしてモーヴ本部長の名前が挙がって思わず狼狽したり、これは彼女からの遠まわしのプロポーズでは?と思えるような発言があったりと、ジーンとモーヴ本部長の外堀がどんどん埋まっていってるような…。大変望ましい展開であるので、続きも是非お願いしたい。


<劇場版2位> 劇場版 ハイスクール・フリート

評価:A+

お気に入りキャラ:宗谷真霜

TVシリーズの放送(2016年春)から4年近く経っているので総勢30名以上の晴風のクラスメイトたちを「そうそうこんな子だった」と思い出しながらの鑑賞となったが、見たいものを全部詰め込んだというのも納得の「劇場版」らしいエンタメ性溢れる作品に仕上がっていた。序盤は競闘遊戯会の出し物を通じて各メンバーたちの和気あいあいとした様子が描かれ、全員の出番を作ろうと頑張ったせいで少しダレた感はあったが、キャラクター重視の作品としては正しい方向性ともいえる。中盤から終盤はかなりの力業ではあったが各メンバーに上手く見せ場を作りながらミリタリー魂を揺さぶる熱い展開。海上戦や要塞突入戦は「艦これ」や「アズールレーン」では見られない実際の「艦」としての見応えに溢れており、縦列・横列による艦隊の遠距離砲撃が具体的に描写されるなど迫力満点で、映画館の大スクリーンと大音量で鑑賞できたことが非常に喜ばしい。


<劇場版1位> メイドインアビス 深き魂の黎明

評価:S

お気に入りキャラ:ナナチ

TVシリーズに引き続き、映像面は圧巻の一言。そしていよいよ深界五層においてのボンドルドとの対峙となるのだが(原作でも屈指の人気エピソードとのこと)、本作品のもはやダークというよりはグロと表現した方が正しい展開は愛らしいキャラデザも相まって捻じ曲がった愛の真価とすら感じる。だが、リコやナナチの言葉にもあったがそれでも「冒険」の魅力は衰えることなく彼女ら、そして我々の心を酩酊的なまでにガッチリと掴んで離さず、その先へと足を踏み出させていく。以前もナナチの愛らしさに触れたが、そうしたキャラ愛はもちろん、ボンドルドに象徴される闇の部分にも抗いがたい魅力があり、もはや「こうでなくちゃ『メイドインアビス』じゃない」という域まで踏み込んでしまった感は否定できない(そうか、これが「沼」か…)。少し気になるのは外伝ではなく純粋な本編の続きのストーリーであった点で、今後は常に劇場版での展開になるのかしら…?

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