時短との共存
この春、実は地味な人事異動があった。
所属先が異動しても、
これまでとやることは変わらないのだけれど、
私がいた部署は2分割になり、
あまり変わり映えしないメンバーと共に、
私はこれまでとは別の組織に統合された。
組織が2分割されたことにより、
上司を除いて、今度は同じ待遇、
似たような年齢が半数以上の集団となった。
もとから実力があれば評価してくれる会社ではあるが、
ある意味、皆ライバルである。
そして皆、独身貴族か子育てが落ち着いた方たちだ。
私が時短にかまけている間、
みな様社歴は私よりずっと浅くとも、
各々がそれなりのポジションを確立しているのである。
こりゃ、同じ給料をもらいながら、
同じ土俵に立って、
同じだけの成果を出せないと言う点で、
私は悪目立ちするのだろうな...
職位下げられて、給料も下げられるかな...
せっかく今の職位まで何年も頑張ってきたのにな...
そんな心配が脳裏をよぎった。
確かに、下手したら、あと10年近く時短かもしれない
と豪語している私である。
職位を下げて、それなりの働き方をした方が楽だし、
会社も無駄な経費使わずに済んでいいのかも?
いっそ、自分から下げてくれと頼むか?
そんなとき、上司から一通のメールが来た。
「今度、●さんが退職して責任者のポジションが空くんだけど、やってみる?時短でも、比較的融通効く管理業務だと思うんだけど、興味ある?」
去年くらいから、面談のたびに上司たちには、
マネジメントに興味があるし、
給料考えるともっと責任ある業務をすべきと思うけど、
時短との共存を考えると難しいから、
自分にできることを探していますと、
自分探し中の若者みたいなことを言い続けてきた。
上司は、「時短だからできない」って言うのは、
好きじゃないからどうにかしてやりたいんだよね...
と言ってくれた。
でも、実際はいつ子供が体調を崩すか、
いつ休園になるか、全く読めない爆弾を抱えている。
期限がタイトだったり、社外とのやり取りがメインだったりするプロジェクトは、急な休みを取りづらく、
私も会社側もやめておきたいということで合意している。
だから、「やるなら、社内の何かゆるい担当がいい」と
随分と強気な条件も突きつけていた。
長年私を育ててきた上司たちにとっては、
とんだワガママ娘に育ってしまったと、
悩みの種に違いない。
何なら出来るのか、自己申告するか、
誰かに良さげな業務を見つけてもらうか、
そういった状況だった。
その甲斐あってのお声がけである。
もちろん、私の興味がなかったり、
いやその業務量無理だわと言うなら、
断れるように、先にお伺いを立ててくれた上司は
さすがの判断だ。
いつもお気遣いありがとうございますである。
提案されたのは、予想外に重い業務内容だし、
抜け漏れがあったら大事になるのだが、
長く続けられる業務で、
自分の采配で進められる部分も多い内容だ。
この機会を逃したら、
次のチャンスは簡単には来ないだろう。
一瞬悩んだが、すぐに引き受けることにした。
時短だから...
子育て中だから...
及び腰になるのは当然である。
普通は、自身のキャリアは二の次で、
もっと控えめになるのかもしれない(笑)
子育てを優先して仕事をセーブすることで、
気分良く過ごせるなら、私はそれで良いと思う。
一方で、私のように子育てもしたいけど、
仕事もそれなりにやらないとストレスを抱えるなら、
むやみに仕事をセーブする必要はないと思っている。
限られた時間や体力で、
自分にできる働き方をすればいいのだから。
余力や気力があるなら、
許す限りトライするのも悪くない。
やってみて、やっぱり自分1人で難しいなら、
周囲を巻き込めばいいし、
最悪「ごめんなさい、難しいです」と言えばいい。
これまで10年以上に渡り、好き勝手に
言いたいことを言うヤツで通してきたため、
「やっぱできませんでした」と言うのに、
あまり抵抗がない。
ある意味、開き直ってヤバい奴だ(笑)
新しく与えられた業務は、
慣れない業務内容のため、
きっとしばらくはアタフタするだろう。
でも、また一つ望みが叶った。
自分から希望したことだから、
多少の無理も、頑張れる気がする。
「こうだったらいいのに」を、
みんな何かしら抱えているのに、
なかなか言い出せずに不満として溜まっていき、
最終的に転職したり、モチベーションを喪失したり
するケースをこれまで何度も見てきた。
与えられたことをこなす以外に、
自分から「こうしたいよ」と言って、
周囲のサポートを受けながら実現するという姿は、
非力なりとも後進には励みになるだろう。
「アイツにできたんだから、自分も...」と思ってくれたらいいな。
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