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一度死んだから言えること


◉大人としてするべきこと

その子は小さい頃から柔道をして高校生の時に県大会で優勝したらしい。その事でオリンピック強化選手に選ばれ、柔道で関西屈指の名門大学へ進学したそうな。

辞めたのは腰椎ヘルニアを起こして、練習や試合で痛くて出来なくなったからとのこと。うんよくある話。

前にも書いた様にヘルニアとは脱出です。自分が逃げたいのに逃げれないと、足枷を付けた自分に苦しむから、内圧が高まり起こる現象です。

例え髄核が神経根に当たっても麻痺系ではない限り、痛みの原因は下手な場所にあるということです。

医学的な説明をちゃんとすると理解してもらえました。聡明な娘さんです。

「幼い頃から気がつけば柔道をしていて、思春期になって君の自我が生まれた途端に、『自分は好きでやっているのだろうか?』『頑張るのが辛いな』と懐疑的になった頃から痛くなったハズだよ」と続けて話すと、その通りですと言ってもらえました。

続けて「嫌いになったのに、辞めるにやめられなかったのでしょ?そして辞めざるを得ない理由としてヘルニアは抜群の知名度があり周りが許してくれる免罪符なのです」とも説明しました。

「私、辛くて何でこんなに頑張んなきゃいけなかったのか?と思ってました。」と話してくれました。まぁ周囲の期待と言うやつがしんどかったのでしょうね。

「だからと言って復帰したらと言うのでもなくて、ちゃんと嫌いで辞めたと認識する事と、自分は弱点を持った弱くて挫けた人間だという自己否定を辞めてくださいね。頑張って来た年数は嘘じゃないのだから。そんな自分を認めて下さい」とも。

「本当にそう思ってました。私は弱いんだと」

周囲の期待に押し潰されて、自己否定をして謝りながら生きて来た、僅か21才の女の子が抱えているコンプレックス。

そんなものは要らないのです。ポイって捨てて新たな生き方をすれば良いのです。もっとデジタルチックに切り替えるのです。アナログでいるとずっとメソメソしてしまうだけです。

自分が好きでもないものをするのは、嫌いなことをするのを我慢するより曖昧で、心に傷を残してしまいます。

そんな話を食事をしながらつらつらとしていました。オリンピックに出るって素晴らしいけど、その傍でどれだけの若者が傷ついているでしょうか・・・

その方が私は心が痛い。夢破れ身体を痛め、弱点として己の評価を下げて生きる。そんなのは大人が庇って助けてあげなければならないものです。

子供や若者とは、私たち歳をとった人類いわゆる大人たちの未来でもあります。未来を守るのは大人のする事だと思うのです。

あなたの周りにも傷ついた若者や子供がいるかも知れません。そんな時には大人として手を差し伸べてあげて下さい。

続く


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