「もっと自分を大切にしたほうがいいよ」

私にとって理解できない言葉のひとつでした。
ついでに言うと「お前に何がわかる!」ぐらい思ってました。

だってそうでもしないと「自分」とか「私」が分からなかったから。
かといって破滅的な行動をしても「自分」や「私」が分かるわけじゃないって知ってるのに…

身体を傷つけた跡を他人に見られた時によく言われたんだけど、その度に本気でお前に何が分かるの?って。
ひどい時には気を引こうとしてるとまで言われて案の定、不安定になって切りたい衝動が抑えられなくなる悪循環になってました。

私は「大切にする」ことの意味も行動もよく分かってないから大きく「大切にする」と言われても全くピンとこなかったです。

意味や行動が分からないながらも私がもし自分を大切にしたら、いろんなことが崩れて壊れて何も無くなっちゃうって思ってました。

本当は自分の気持ちを全部出したかったしみんなに私を分かってほしかった。

でも今、目の前にある現実が崩れ壊れ何も無くなることのほうがすごく怖かったから我慢をしなくちゃいけない。
私が自分を大切にしたら周りが不幸になる。
だから我慢をしなきゃ!

この考えも自意識過剰とか悲劇のヒロインと捉える人もいると思う。
だけど実際、不安定な感情からいろんな人を傷つけたりそんなつもりはなくても振り回してしまったりして離れていくのは毎回のこと。

人が離れていくのが嫌だった。
だから我慢をしなきゃ…

そう思いながら襲ってくる不安や焦りに勝てるわけもなく、人が言う「自分を大切にする」ことなんて出来なかった。

優しさで言ってくれた言葉も当時の私には傷つく言葉でしかありませんでした。


豆田梅美

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