4年前の暑い夏~がん対策基本法改正にかけた想い~

今朝の散歩で、ツクツクボウシの鳴き声を聴きました。
この声を聴くと思い出すこと。


夫が亡くなった4年前の夏

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がん対策基本法改正案に難治、希少、小児がんへの対策が明記されるかどうかの真っ只中にいました。

私は、国会議員要覧を見ながら、連日、議員会館の部屋を一つずつ回り続けました。


経験をしてきた方々に、ロビイングの仕方を一から教えてもらえたこと。
その時は必死で、ついていくのに精一杯だったのですが、
そうそうあることじゃない、有難いことだったのだと今はわかります。

『知ってもらいたい』という想いの強さに、私は周りが見えなかった。


知ってもらいたいは相手に要求していることなんですよね。


ただ、熱く想いを伝えればいいのではない。
30秒で伝わる言葉にする。
手渡す1枚の紙に目を通してもらえるか。


つまりは、相手の立場になって考えるということなのだと気づかせていただきました。

夫が旅立って、1週間後。

ちょうどお盆で、議員会館も閑散としている中

私はひとりで各部屋を回っていました。

がん対策基本法の中に、難治、希少、小児がんへの対策を明言してもらうために、今、私にできること。

ある意味、思いつめていたとも思います。

議員本人に会えることは滅多になく、まずは、秘書さんが扉を開けてくれるかでした。


それでも、通ううちに、質問されるようになりました。
秘書さんが、手渡した紙を読んでくれたのだとわかりました。
『毎日、来ているでしょ?少し休んでいったら』と
話を聴いていただける機会も増えていきました。
『どこにいる?今、部屋に来られる?』と電話がかかってきた時、膝が震えました。

自分の想いだけではなく、必要を伝える言葉はなんなのか。
夫を亡くした直後、もちろん、私には高ぶった感情がありましたが

個人的なことじゃない。

それを伝える術を、あの時、毎日考えたこと。

あの経験が無かったら、私は今も、自分のことしか考えられず

愚痴ばっかり言っていたかもしれない。そう思っています。


想いは誰のためなのか

数日前、研究不正の報を受け、改めて、このことを自分にも問いかけました。

もちろん、まったく私情が無いと言ったら嘘になります。

でも、哀しみ、悔しさ、後悔を抱いているからこそ

続けられていることもある。

ただ、SNSで発信するだけでは、想いが届く範囲は限られています。

目標に向かって、そのために、自分に何ができるのか。


これからも、自分に問い続けていくのだと思います。

まだ、息切れしている場合じゃないね…


全国胃がんキャラバン、多くの人にがん情報を届けるグリーンルーペアクションに挑戦しています。藁をもすがるからこそ、根拠のある情報が必要なのだと思い、頑張っています。