アドボケート

 先週、約8年の歳月をかけて願い続けてきた『ゲノム医療法』が参議院本会議で可決する瞬間を国会議事堂内で見つめながら湧き上がるものがありました。
 希望の会をNPO法人として設立したのが2015年3月。『情報格差を無くし、患者家族が納得して選択するための基盤を作りたい』という夫の想いを知り、高校の同級生や大学スキー部の仲間がNPO設立に尽力してくれました。
ほぼ時を同じくして発足した全国がん患者団体連合会に加盟。ちょうど『がん対策基本法』が施行から10年を迎えようとしていました。亡くなってしまう、数が少ないなどの状況から声が届きにくく、がん対策の狭間で取り残されていた難治・希少・小児がんの対策推進を基本法改正案に明記することを求めて要望活動が行われていました。『政策提言』の右も左もわからない患者会発足間もない私たちは、全国がん患者団体連合会加盟団体のみなさんの背中を必死に追い、要望活動の『いろは』を身をもって教えていただきました。

「政策提言」ということにネガティブな反応を受けることがあります。ただ、アドボケートする人がいなかったら叶わなかった法や制度があります。投稿や写真、取材で知られることは一場面です。そこに至るまでの過程はあまり知られる機会がありませんが、結構、心身のエネルギーを要すること。今回、時にフラっとする自分に年齢を実感しました。
 海外の患者支援団体では活動の柱の一つで、患者アドボケーターの養成にも積極的です。プロのロビイストを持つ団体もあります。
今週、国際胃癌学会に臨むにあたり、過ごしてきた日々は裏切らないことを胸に、多くを吸収したいなと思っています。
 柔軟性を持ち、芯はブレず、行動できる生き方が出来なくなったら身を引こうと思うのでした。

全国胃がんキャラバン、多くの人にがん情報を届けるグリーンルーペアクションに挑戦しています。藁をもすがるからこそ、根拠のある情報が必要なのだと思い、頑張っています。