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iPad Pro 11-inch(M4)プチレビュー / サンデーAFJ 2024年5月19日号

皆さんこんにちは。Harvectorの虎豆しば2号です。
去る5月7日のApple Special Event「Let loose.」にて発表されたiPad Pro(M4)およびiPad Air(M2)と周辺アクセサリの販売が5月15日より開始されました。
今回は当サーバーオーナーがiPad Pro(M4)を購入されたということで、そちらをお借りして筆者が所有しているM1チップ搭載11-inchモデルと比較しながら、いつもよりもう少し踏み込んだ内容のお触りレポを進めていこうと思います。

■外観

まずは外観を見ていきましょう。パッと見た感じではそこまで変わっていないように見えますが、カメラ部分はガラッと変わりました。

M1チップ搭載モデルは広角カメラ、超広角カメラ、LiDARセンサー、マイク、フラッシュがありましたが、M4チップ搭載モデルからはここから超広角レンズが廃されました。
今回のiPad Pro(M4)の発表会の中で同時にデモが行われていたiPadのためのFinal Cut Proを見ていると、iPadで撮るというスタイルからiPhoneで撮ったものをiPadでまとめる、というようなスタイルに路線変更していたことから、カメラ関連に関してはiPhoneに基本任せるという連携を推していくように見えます。
そしてカメラバンプのデザインもM1チップ搭載モデルではガラス仕上げだったものが、M4チップ搭載モデルではボディと同じアルミニウム素材になりました。ガラス仕上げは美しかったものの、指紋が目立ってしまうという難点もあったためここはデザイン性と使い心地のトレードという風に感じました。

ディスプレイ側のデザインも同じく目立った変更点は無いものの、M4チップ搭載モデルではインカメラの位置が長辺の部分に変更されました。
これまで短辺のほうに配置されていたため、横向きでビデオ通話などを行うと自分の姿を中心に映すのが難しかったですが、それが今回変更されたことにより解決しました。ただし今度は縦向きでビデオ通話をすると同様の問題が発生するのですが、iPadでビデオ通話をする場合縦向きで行うユーザーは少ないと判断したということでしょうか。
このインカメラの位置変更に関しては2022年10月に登場したiPad 第10世代が先行でこのような仕様になっており、今回のiPad Pro(M4)とiPad Air(M2)も変更されたことから、アップデートが止まっているiPad miniも次世代モデルではインカメラの位置が変更されると思われます

■薄さと軽さ  

外観上での変更点はそこまでありませんでしたが、今回の目玉は本体の薄さと軽さでしょう。
筆者が所有しているM1チップ搭載モデルは公称値が5.9mmなのに対して、今回のM4チップ搭載モデルは5.3mmと0.6mm薄くなっています。数値で見ると微々たる差のように感じますが、実際に持ってみると数値以上の薄さを感じます。

iPad Pro 11-inch(M4)のWi-Fi+Cellulerモデルは実測417g
側面に保護フィルムを貼り付けたM1チップ搭載iPad Pro 11-inchのWi-Fiモデルは実測461g

そして軽さに関しては実際にスケールを用いて計測してみました。スケールを置いた場所がよろしくなかったからか数値にブレが起きているのであくまでも参考として見ていただきたいのですが、M1チップ搭載モデルが480g (公称値は466g)なのに対し、M4チップ搭載モデルは441g (公称値は446g)でした。どちらもディスプレイに保護フィルムなどは貼り付けていないものの、筆者所有のM1チップ搭載モデルにはApple Pencilを装着する部分にのみ保護フィルムを貼っているという事情はありますが、40g程の軽量化に成功しています。
こちらも持ち比べてみるとかなり軽くなっていることがわかります。iPad Pro、特に11inchを選択するユーザーは持ち運んで使うことが想定されますので、この軽量化は非常に嬉しい進化ですね。

■ディスプレイ性能比較(Apple TV表示)

撮影時に露出を絞りすぎて写真では違いが分からないですが。。

今回のiPad Pro(M4)ではUltra Retina XDRディスプレイと冠された有機ELディスプレイが搭載されています。M1チップ搭載モデル以降の12.9inchにはLiquid Retina XDRディスプレイと冠されたminiLED液晶ディスプレイが搭載されていましたが、筆者所有のM1チップ搭載モデルは11inchなのでノーマルのLiquid Retinaディスプレイとなっています。
実際にYouTubeにある4K HDRコンテンツを両モデルに表示させて比較してみました。写真で伝わるか分かりませんが、実際に人間の目で見比べると明らかに違うのがわかります。
有機ELなので当たり前と言えばそうですが、黒の描写が発光されていないことによりビシッと締まって見えます。そして明るい部分も白飛びを起こさないダイナミックレンジの広さが伺えます。
このUltra Retina XDRディスプレイ搭載はコンテンツ消費はもちろんのこと、写真や動画などのコンテンツを作るツールとしても非常に素晴らしい進化と言えるでしょう。また、こちらが12.9inchだけでなく11inchにも搭載されたのも、長い間11inchはディスプレイにアップデートが入っていなかっただけに喜ばしいポイントでしょう。

■ベンチマーク比較(M4・M1・A12X)

最後にM4チップの性能を確認するためにGeekbench 6を使ったベンチマーク計測を行ってみました。今回iPad Pro(M4)を購入した方を見ているとA12X Bionicチップを搭載していたiPad Pro 2018からの買い替えが多いように見え、実際にまだ購入してなくてもそろそろ買い替えたいと思っている方もいらっしゃるのではと思い、A12X Bionicチップを搭載したiPad Pro 12.9-inch 第3世代モデルを含めて3モデルで比較してみました。

M4チップを搭載したiPad Pro11-inchの結果
M1チップを搭載したiPad Pro 11-inchの結果
A12X Bionicチップを搭載したiPad Pro 12.9-inchの結果

まずはCPUのベンチマークから。シングルコアだとM1→M4が1379アップ、A12X Bionic→M4だと2422 アップ、マルチコアになるとM1→M4が5880 アップ、A12X Bionic→M4だと9968 アップとなっています。シングルでの性能差ももちろんすごいですが、マルチコアになるとやはりCPUのコア数差がすごいことが数値に現れていることが分かります。

M4チップを搭載したiPad Pro11-inchの結果
M1チップを搭載したiPad Pro 11-inchの結果
A12X Bionicチップを搭載したiPad Pro 12.9-inchの結果

そしてGPUのベンチマークですが、M1→M4が20026アップで、A12X Bionic→M4が36167アップとこれまたものすごい差が出ています。個人的にはM1チップからM4チップへのGPUの性能差には驚かされました。
A12X Bionicチップ搭載モデルからの買い替えだと日常的な使用でもサクサク感が感じられると思いますので、買い替えも全然良いかもしれないですが、M1チップ搭載モデル以降に関してはスコア差はすごいものの、このパワーを100%活かしきれる作業をiPadで行うのか、自分が使用するアプリケーションが最適化されているか等を考えてみて、急いで買い替えるものではないかなと思いました。

以上、iPad Pro(M4)を少しお借りしてみてのプチレビューでした。
プロツールとして着実な進化を果たしており、特に進化のスピードが鈍化していた11inchにもしっかりテコ入れが入っていたのが良かったなと感じました。
今回アクセサリについて触れていませんでしたが、そちらも試させていただいたので次回以降そちらのプチレビューもお届けしたいと思います。
皆さんは今回のiPad Pro(M4)実機に触れてどのように感じたでしょうか。是非AFJで教えて下さいね。
それでは今回はこの辺で。

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