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黒い関係、癒着|日々の雑記#46

酒も甘味も両方いけますし、なんなら甘い物でお酒を飲みます。いわゆる盆と正月の二枚看板、素晴らしき両刀の世界。
それなら喜び溢れて万々歳かと言いますと、世の中そんなに都合よくありません。満足が増える分だけ悩みも倍づけ、そう、お腹の回りのエトセトラです。

松の内はとうに明けたのに、正月太りが居座っています。さっさと立ち退くよう訴えたところ、禁酒に菓子断ち、有酸素運動と、あまりに法外な要求を突きつけられ膠着状態。場合によっては強制執行ファスティングも選択肢ですが、新年早々トラブルは避けたいもの。平行線のまま今月も終わりそうです。

そんな時ほど悪いことは重なるもので、行きつけのスーパーで「全国味巡り」が開催中。痩せようにも近所でカロリーが集団暴走しているのですから、悩みは尽きません。
そう言う自分も、昔はやんちゃ・・・・をしていた方で、おめざに板チョコ、三食スイーツなんて日常茶飯事。今はもう足を洗いましたが、行儀よく真面目なんてできない人間でした。

まあ卒業したとは言え、一度でもこの稼業に手を染めたのなら、集会には顔を出すのが業界のルール。新顔もちらほら見掛けましたが、やはり信玄餅の兄貴や赤福の姉御など、旧車會のメンバーが目立っていました。
ダイエット中ですから、長居をして、またあちらの世界に巻き込まれてもいけません。それなのに帰ろうとした時、偶然会ってしてしまったのです。伝説の死羅魂惨怒しらたまサンド先輩に。

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(天羽“セロニアス”時貞を思わせる先輩)

しらたま先輩、見た目は大福ですが、驚くほどのカリスマで、依存性が高いんです。薬物で例えるなら、白い粉(白玉粉)でできた餅と、濃縮したリキッド(液体マーガリン)を練り込んだあんこが織りなすハーモニー。こいつはハマらない方がどうかしています。

久しぶりの再会に自宅へお誘いすると、出所してきたばかりらしく、放免祝いを要求されました。支払いは電子マネー推奨とのことで、今時のマネロンの手口ですね。
借りてきた映画孤狼の血を観ながら呑み明かします。翌朝目覚めると、先輩はテーブルに粉の跡だけを残して居なくなっていました。自由な人です。きっとまたどこかの空の下を疾走っているのでしょう。

こうして北海道を始め、関西や九州など全国から魅力的で危険なブツが、私の街に流れ込んできます。何気ない風を装って、私たちを太らせる巧妙な手口。そしてあろうことかスーパーの2階には、取り締まる側のスポーツジムが併設されているのです。
これはまさしく癒着の構図、リアル『孤狼の血』。関係を持ったら最後、それぞれの喰い物にされてしまうのですから、現実とは恐ろしいものです。

お腹周りの脂肪と手を切ることは、かくも容易ではありません。

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