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蒸かすか茹でるかとうもろこし|酒と肴

家人の買い物に付き合って、久し振りに訪れたショッピングセンター。広い敷地の一画に野菜の直売所がありまして、軽い気持ちで覗いたばっかりに、採れたての野菜と目が合いはたと困りました。

旬の野菜がどれもこれも新鮮で、しかもお値打ちなんです。
「僕たち、今が一番美味しいよ」
「私は採れたて、そのままイケます」
「この次に会えるのは、1年後かもね」
野菜たちからそんな声が聴こえる気がして、さんざん迷った結果、とうもろこしにキュウリ、実山椒を買って帰りました。

出来ることなら別け隔てなく、ズッキーニもオクラもピーマンも、みんな仲良く連れて帰りたかったんです。だけど、消化能力も自由になるお金も若い頃の勢いがありません。否が応でも選ばなければならず、鉄の胃袋を持つ大富豪でないことが悔やまれます。

実山椒は醤油漬けにしました。
本当は塩漬けに興味があるのですが、雑巾臭い山椒を錬成した前科があるのでぐっと我慢。
無事に出来上がったらちりめん山椒を拵えて、記事にあげようと思います。

キュウリはモロキュウに。
昨年の夏に仕込んだ青唐辛子の味噌漬けがいい具合に馴染んでまして、これがもう間違いのない組み合わせ。「去年の自分に乾杯!」と称して、必要以上にビールを呑んでしまいます。

そしてとうもろこし。
初物ですから、シンプルにいただきたいところです。そこで困ったのが調理法。かす、茹でる、はたまたレンチン、焼きも捨てがたい。
結局、ノスタルジックに子供時代を思い出して「蒸かす」ことにしました。手軽さでしたらレンチンなんですが、こういうのは気分も大事。世の中のご多分に漏れず、日々生産性の向上とかに追われておりますので、ちょろんと気分転換です。

蒸し器はありませんのでネットで見つけた、中華鍋に水を張り、その上にとうもろこしの皮を敷くやり方を試します。

インターネットもこのぐらいの便利さで留まってくれると有難いのですが、すぐに「人手不足解消のための新しい技術」とか言い出すので勘弁です。縮小するならするで、それに見合った暮らしに変えるのも大切だと思うんですけどね。ずうっと発展や効率化を求めたりしたら、呑んでる暇がないじゃないですか。技術の発展で苦労するなんて、本末転倒です。

はい、そんなボヤきを脳内で巡らせているうちに佳い感じに蒸しあがりました。塩をふって齧りつき、ビールを呑み呑み巡る季節を祝います。

大成功

なんと言いますか旬の食材を口にすると、生命力が体中に行き渡る感覚があります。

世の流れはなかなか変わりません。
しっかり食べて力を蓄え、酒代のためにまた一週間ガンバリマス。

メニューと食材
・モロキュウ(キュウリ、青唐辛子の味噌漬け)
・とうもろこし(とうもろこし、塩)

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