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近藤史恵さんの「間の悪いスフレ」を読んでフランス料理を食べたくなる

25年以上勤めたお堅い職場を早期退職して、現在、小学生男子を育てながら主婦をしているまめさとです。
旅とおいしい食べ物と読書が好きなアラフィフです。

そんな私的3大欲求を満たしてくれる本、それが近藤史恵さんの「ビストロ・パ・マル」のシリーズ。
今回紹介するのは、そのシリーズ第4弾となる「間の悪いスフレ」です。

下町のフレンチレストラン、ビストロ・パ・マルのシェフが、客たちの巻き込まれた小さな事件、不思議な出来事の謎を解いていくという短編連作小説。

ビストロ・パ・マルのスタッフ4人のうちの一人である、ギャルソンの高築視線で物語が進行していきます。
気取らない料理で客の舌と心をつかむ変人シェフとして紹介されている三船さんはクレバーで観察力抜群。
愛想はないけど、とても魅力的な人物です。
他の登場人物も気持ちのいい人たちで、読んでいて心が和みます。

ストーリーの心地よさがこのシリーズを読み続けている理由の一つではありますが、この小説の魅力はなんといっても毎回でてくるフランス料理。
気取らないけれども本格的なフランス料理の数々に、今すぐにでもビストロのフランス料理が食べたい~!という気分にさせてくれます。

実際にこの小説に触発されて、似た感じのビストロがないかお店を探してみたほど。
レシピを再現した料理本もでており、そちらにも目をとおしました。
残念ながら自分で調理することはあきらめましたが。

第4弾はその心地よさに加えて、新型コロナによる営業自粛措置、ウクライナ問題、円安と物価高、それに絡んでフランス料理の行く末・・・という時事問題をがっつり含んだ本となっており、今までと一味違う感じになっています。

新型コロナの自粛要請の頃、私も感染に注意しながら個人で頑張っているお店のランチに一人でいったり、お弁当をテイクアウトしたりして、頑張れーっと心の中でエールを送ったりしていました。
あの時期、本当に飲食店の方たちは大変な思いをしていたんだろうなと思います。

今思えば、あの騒動は何だったのだろう。
最初は未知のウイルスということで、間違った対応や過剰な対策をしたのもやむを得ないとは思うのですが、その総括はどこかでやっているのだろうか・・・。
思わずそんなことを考えさせてくれた本となりました。

ちなみに同じ作者の「ときどき旅に出るカフェ」という本は、デザートにこだわった素敵なカフェが舞台になっている本。
こちらも近所にあったら日参しそう、と思わせる魅力的なお店が舞台となっており、食いしん坊の私の食欲をかきたててくれます。

あー、おいしいものが食べたい!

本日の写真:クリスマスローズ(キンポウゲ科)
大好きな花の一つです


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