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けっこう無理ゲー、夫婦フルタイム共働きの子育て(後編)

25年以上勤めたお堅い職場を早期退職して、現在、小学生男子を育てながら主婦をしているまめさとです。

前編では子育てで必要となる条件や環境について書き連ねてみたのですが、後編は具体的な私や同僚の体験をふまえたフルタイム共働き子育てに関する感想を書いてみます。

元職場は公的機関だったで、男女間の給与差はなく、福利厚生もばっちりでした。
産休、育休、短時間勤務といった制度はいち早く取り入れられ、しっかり活用されていたほうだと思います。

私の場合、親族のバックアップは全く期待できませんでした。
しかし、幸いにして夫も同じような公的機関の職員で、子育てを積極的にしたいし、家事にも抵抗がないという人でした。

したがって、職場の理解、お金でのフォロー、パートナーの主体的協力を軸にし、保育園時代を乗り越えました。

保育園の送迎は夫婦で完全分担。
子供が病気になったときは、お互いの仕事スケジュールを確認し、交代で休みました。
疲れがたまってくる金曜日の夜は無理せず外食に頼り、生協などの宅配もフル活用。
子供も1年目こそは毎月病気をもらってきましたが、2年目からはそれほど病気をすることもなく、保育園にもそこそこ機嫌よくいってくれました。

ちなみに、男性側の子育てに対する職場環境に関して。
うちの子供が保育園に行っていた頃から、率先して男性も子育てにかかわろうという風が吹き始めた時期ではありますが、やはり多少なりとも職場で軋轢はあったようです。
夫の性格が図太いのと、本当に子供のことが好きなので愚痴めいたものはほとんど言いませんでしたが、なんどか職場でひんやりとした空気に包まれたというようなことをこぼしていたことがあります。

うちの場合は、子育てに理解のある職場環境の中、経済力を最大限活用し、夫婦二人の体力と精神的余裕で何とか乗り切ったという感じですが、他のワーママは、やっぱり圧倒的に実家または義実家の援護射撃を受けている人が多かったですね。

同僚達は職場結婚をした人が多かったので、経済的に問題なく、夫の職場が子育てに理解があるというケースがほとんどでした。
しかし、夫が子育てや家事に積極的かというと、そこはまた別の話。
妻だけが実家の助けを借りつつ、頑張っている人もいました。

夫や実家の協力はほぼなし、業務も多忙の中、驚異の体力と調整力で乗り切ったというスーパーウーマンもいるにはいましたが、あれはとうてい常人にはまねできないと感じましたね・・・。

小学生以下の子供を持ちながら共働き子育てをさせるためには、やっぱり人的資源が一番頼りになります。
そして次にお金。

私は比較的恵まれた状況で働かしていただいていたわけですが、それでも精神的にはけっこう綱渡りな感じが続いていました。
どうしても業務内容的に休むことができない日がちょこちょこあり、その日子供が体調を崩さないか、あるいは夫が休みがとれるかどうか、いつも気にしていました。

そのせいか、散発的に起こっていた喘息発作やめまいといったストレス性の症状は、仕事を辞めたのち、すっかり収まりました。
やはり少なからず体に影響があったのだと思います。
これは私だけではなく、同じような環境の同僚たちも同様。
身なりをそれほど構わず、かなりギリギリのラインで、体力をふりしぼり、キリキリしながら働いている人が多かった印象です。

しかもこれ、子供の気持ちとか親の気持ちとか、そういった感情的な面は考慮していません。
なんとか共働き子育てを回しているけれども、果たしてそれについて子供がどう感じているのか、パートナーや協力者がどう思っているのか・・・。

しかもかろうじて成り立っていた共働き子育てのバランスが、何かのきっかけで崩される可能性があります。
たとえば、子供の環境の変化。

保育園入園の1年目→なんとか保育園に入れて働きだしても、病気をたくさんもらい、毎月休むはめに。この状況、半年から1年くらい続きます。

小学校1年生→長期休みや学級閉鎖、行事など平日に時間がとられる

小学校4年生ごろ→学童保育がなくなる(地域によります)

これらの山に対し、その都度適した対策を取らなくてはなりません。
まあ子供が中学校に上がるころには、ずいぶんと負担が軽減されると聞きますが。
(そしてその分、金銭的負担がふえてくる、と)

恵まれた職場環境にいたにもかかわらず、2つ目の山を前にして撤退を決めた私。
高齢出産だったので、それまでさんざん働いていて、仕事には未練なし。
その選択を後悔はしていません。
あのまま仕事を続けていたら、確実に寿命を縮めていたなと思います。

子育ては楽しいことがたくさんあります。
でも、現状、仕事と両立させるには、いろいろな工夫や努力、根性が必要です。
果たしてそこまでの覚悟をもってでも子供を産もうとする人が今後増えるだろうか・・・?
私は今のままでは、フルタイム共働きをしながら子供が増えることはあり得ないと思います。

恵まれた環境にいる政治家たちが、声高に共働き子育ての推進を叫ぶのを聞くと、この人たちはどの程度この実態を知っているのだろうか・・・そう思わずにはいられないのです。

本日の写真:キジョウロウホトトギス(ユリ科)
しばらく高山植物シリーズです。


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